>ポルシェ(Porsche)

ポルシェが911ハイブリッド、718ケイマン / ボクスターEVの生産に向け工場をアップデートしたと発表。生産効率や品質改善に焦点を当てる

ポルシェが911ハイブリッド、718ケイマン / ボクスターEVの生産に向け工場をアップデートしたと発表。生産効率や品質改善に焦点を当てる

| ポルシェは当面「EVとガソリン」という異なる方向を追求してゆくことに |

そのぶんコストはかかるものの、リスクが分散できていいのかも

さて、ポルシェが「フェイスリフト版の911、そしてオールエレクトリックモデルとして生産される718ボクスターとケイマンに対応するため、自社のツッフェンハウゼン工場をアップデートした」と発表。

シュトゥットガルトにあるツッフェンハウゼン工場は、1950年の春に356の組み立てを開始した後、70年以上にわたりポルシェのスポーツカーラインアップを製造してきましたが、その間には多くの変化があり、まず規模が劇的に拡大し、最先端のペイントショップ導入、そして近年ではエンジン工場も加わることに。

ポルシェはツッフェンハウゼン工場をどう改装したのか

718ボクスターとケイマンは2025年モデルとして「EV版」が2024年に発表されてEV専用パワートレインに切り替わり(あるいは現行モデルが継続生産されるという話もある)、911は少なくとも2030年まではガソリンエンジンを搭載することに鳴るものの、来年に行われるであろうフェイスリフトでは「911史上初のハイブリッドモデル」が誕生する予定です。

そして今回ポルシェがアナウンスしたのが「ポルシェがツッフェンハウゼンで製造される新型スポーツカーには、製造プロセスにおいて自動運転技術を全面的に採用する」。

3

ポルシェ
ポルシェは電動版の718ケイマン / ボクスター(983)発売後も現行718(982)を併売する意向。ただし日本では982が販売終了となる可能性も

| 日本では導入が予定される「サイバーセキュリティ規制」によって718ケイマン/ ボクスター(982)の継続販売が危ぶまれる | おそらくポルシェは可能な限り内燃機関の寿命を引き伸ばすことを考えている ...

続きを見る

現在でもポルシェは敷地内の別ラインで製造するタイカンと同様、911においても一部で(従来の組み立てラインに代わる)自律走行プラットフォームを導入していますが、これらの自動搬送台車(AGV)は、製造工程に柔軟性をもたらすことになり、ポルシェは "将来的に、ガソリンエンジンとエレクトリックパワートレインを搭載した車両を単一ラインで混在生産することが可能になる "とコメントしています。

1

おそらくですが、一定のポイントを出発した「これから組み立てられるガソリン車のボディ」はガソリン車専用のスペースへと自走してゆき、ピュアエレクトリックカーにおいてはまた別のEV専用スペースへと走っていって個別の場所にて組み立てられることになるものと思われ、これはたしかに「ベルトコンベアで流れてくる車体を組み立てる」方式では対応できない製造方法かもしれません(トヨタでもつい先日、自走式生産工程を取り入れるとアナウンスがあったところである)。

4

トヨタの新技術は「今まで数時間かけていたものが3分でできる」。2026年の新世代EV」製造に使用するギガキャストが公開され、飛躍的な進歩をアピール
トヨタの新技術は「今まで数時間かけていたものが3分でできる」。2026年の新世代EV」製造に使用するギガキャストが公開され、飛躍的な進歩をアピール

| 加えてトヨタは車両製造にかかる時間を5時間に短縮したいと語るものの、テスラは40秒に一台を作っている | まだまだテスラに対抗するまでの道のりは遠いが、トヨタは着実に歩を進めている さて、トヨタは ...

続きを見る

ポルシェは今後製造する車両の品質管理も強化

さらには品質管理も改善され、最も顕著なのは塗装やボディの欠陥を発見しやすくする新しいライトトンネルだそうで、さらにポルシェによると、EV用として音響テストベンチを変更するなど、複数の追加品質チェックとプロセスが導入されたのだそう。

この音響テストベンチというのは「車内のノイズ」を計測するものだと思われますが、EVは車内が(ガソリン車よりも)静かという特徴があり、ガソリン車では許容されなかったノイズが許されなくなるという傾向も。

そしてポルシェのスポーツカーは伝統的に「盛大に車内でノイズが発生する傾向にあるので」この対策が重要なのだと思われます(ポルシェの室内におけるノイズについて触れると、必ず”レクサスに乗れ”と言われるのが現在の風潮ではあるが)。

2

そのほか、ポルシェはタイカンと新型718ボクスター・ケイマンEV、マカンEV用のエレクトリックモーターをツッフェンハウゼンで製造すること、ポルシェミュージアムの向かいにあるポルシェプラッツの旧ポルシェセンター跡地に新社屋を建設してさらにEV製造管理業務を強化すること、2025年に完成予定のこの新社屋では、2フロアを覆う巨大なラックにタイカンと718EVの部品を保管し、今年9月にオープンした同様のラックシステムを補完することについても言及しています。

合わせて読みたい、ポルシェ関連投稿

ポルシェ
ポルシェが今後、911はじめスポーツカーには「環境に優しい方法で製造された」スチールを使用すると発表。ポルシェはオールアルミではなくスチールの可能性を追求

| ただしこの「環境に優しいスチール」の生産量は限られており、ポルシェの需要を賄うことは難しいようだ | ポルシェは2030年までにサプライヤー含めて「カーボンフリー」を目指している さて、最近はどの ...

続きを見る

ポルシェは当初カイエンをVWの東欧工場で生産する計画だったものの「ドイツ製」にこだわって新しく自前の工場を建設していた!カイエン人気に合わせ20年で5回も工場は拡張
ポルシェは当初カイエンをVWの東欧工場で生産する計画だったものの「ドイツ製」にこだわって新しく自前の工場を建設していた!カイエン人気に合わせ20年で5回も工場を拡張

| ポルシェはたびたび「売れすぎ」で工場を拡張したり、他社に生産を委託したりしている | VWグループに属するため、VW各社の設備を使用できるのは「ラッキー」だったと考えて良さそう さて、ポルシェ・カ ...

続きを見る

ポルシェ・パナメーラGTS
ポルシェが中国に研究開発施設を開設!さらにマレーシアに組立工場を設立し、ついに「東南アジアでの生産」がはじまる

| ポルシェは自社のDNAを守りつつ、しかし多様化への方向を探っているようだ | ただし、さすがにマレーシアでの生産開始にはショックを覚えざるをえない さて、ポルシェは、アジアでの存在感を高めるために ...

続きを見る

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

->ポルシェ(Porsche)
-, , , , ,