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まさかの「リアウインドウなし」。ポルシェ911GT3 RSのダウンフォースを1,000kgにまで増強するニュル必勝オプション「MRキット」登場

まさかの「リアウインドウなし」。ポルシェ911GT3 RSのダウンフォースを1,000kgにまで増強するニュル必勝オプション「MRキット」登場

Image:Manthey Racing

| 現時点では「どれくらい」ニュルブルクリンクを速く走れるのかは好評されていない |

しかしこれまでの実績上、「9秒」は短縮されることになるだろう

さて、ニュルブルクリンクのスペシャリストにしてポルシェの子会社、マンタイ・レーシングが予告通り「ポルシェ911 GT3 RS MR」を発表。

正確に言うならば、これはポルシェ911 GT3 RSに装着するオプション「MRキット」を組み込んだ車両となりますが、ヨーロッパでの注文は2025年1月から、その他の地域では2025年3月から開始され、キット価格は邦貨換算で約1900万円に相当することがアナウンスされています。

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Image:Manthey Racing

ポルシェ911GT3 RSはそのままでも「地球上で最も速いクルマ」のひとつではあるが

ポルシェ911 GT3 RSはすでに地球上で最も速く、そして最もエクストリームなクルマのひとつであり、ノーマルであってもほとんどのドライバーが完全に引き出せないほどの走行性能を有しています。

それでもマンタイ・レーシングが提供するのは「すでにGT3 RSを使いこなし、さらに上のレベルを目指したいドライバー」に向けた究極のチューニングパッケージ。

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Image:Manthey Racing

現行(992.1)ポルシェ911GT3 RSが発表された際に注目を浴びたのはその最大ダウンフォース値で、時速200キロ時に最大で約410kgものダウンフォースを発生させ、時速285キロ時に至ってはなんと860kgものダウンフォースを発生させますが、今回発表されたマンタイ・レーシングによるMRキットを装着すればなんと時速285キロ時点で1,000kgものダウンフォースを達成可能(同程度の速度域において、メルセデスAMG Oneは700kg、マクラーレン・セナは800kgのダウンフォースを発生させる)。

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Image:Manthey Racing

フロントだとスポイラーリップがより「大きく広く」なり、カーボンファイバー製の支持構造が追加されるほか、再設計されたフェンダーアーチに取り付けられたガーニーフラップや両サイドのダイブプレーンと連携してフロントタイヤを地面へと押し付けることに。

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Image:Manthey Racing

そして注目すべきは「リアウインドウがない」ことで、そのかわりに25%軽量なカーボンファイバーパネルに交換されていますが、このパネルには、ポルシェ963(ル・マン・ハイパーカー)由来のシャークフィンも追加されており、高速コーナリング時の安定性を向上させています。

なお、ここ最近で「リアウインドウがない」クルマがいくつか登場していて、メルセデスAMG One、ポールスター4、フェラーリ 812コンペティツォーネ、そして12月に発表されるジャガーの新型車など。

それぞれに目的や意味合いは異なるものの、「車体上部の軽量化が可能になる」というメリットは計り知れないかもしれません。

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Image:Manthey Racing

さらには前方のラジエーターから(フロントフード経由で)排出される熱い空気を外側に逃がす6枚の追加ルーフフィンが装備され、エンジンインテークには”冷たい”そして密度の高い空気が供給されることに。

もちろん、リアウィングも再設計されており、そのサイズ自体が大きくなったほか、新デザインのウィングエンドプレート、そしてドラッグを増加させることなくダウンフォースを向上させる長いカーボンファイバー製のフィンを備えたリアディフューザーによってリアアクスルのダウンフォースが強化されています。

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Image:Manthey Racing

これらのアップグレードによって必然的に「足回りにかかる負担」が増加しますが、これに対応すべくセミアクティブコイルオーバーサスペンションのスプリングレートがフロントアクスルで30%、リアアクスルでは15%強化され、新しいコントロールユニットには、4輪と3つのボディ加速度センサーが搭載され、より速く、より精密な自動ダンパーチューニングを実現できるように。

また、ショックアブソーバーは、圧縮とリバウンドを独立して制御するバルブを備え、ホイールはエアディスクカバーにより空気抵抗が減少し、ブレーキシステムにはステンレススチール製のメッシュラインが使用されることでフィーリング、応答性、信頼性が向上するうえ、特別なレーシングブレーキパッドもオプションとして選べます。

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Image:Manthey Racing

その他のオプションとして、(これはまったく走行性能の向上に寄与しないものの)「MANTHEY」のロゴが入ったイルミネーション付きのドアシルトリムプレートやパドルライト、エアロディスクのデカール、ネオディム(ブロンズ)・ホワイト・ブラックのいずれかのカラーによるドア用のマンタイロゴ、レッド・ブラック・イエローが選べるレース用牽引フックも用意されています。

ただ、惜しむらくは現時点で「このMRキットを装着した911GT3 RSがどれくらい速くなるのか」についてはアナウンスされておらず、マンタイ・レーシングのマネージングディレクターであるニコラス・レーダー氏によれば以下の通り。※ノーマルの911GT3 RSは6分49.328秒を記録して歴代5位、991世代の911GT2 RSはMRキット装着で約9秒タイムを短縮している

「私たちのデータは、標準の911 GT3 RSに比べてラップタイムが大幅に改善されることを約束しています。天候の影響でニュルブルクリンクで公式なラップタイムを記録することができませんでしたが、次の機会にそのタイムを記録したいと思っています。」

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参照:Manthay Racing

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