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フェラーリ新CEOの弱気発言でフェラーリ株が過去最大の下げ幅に。一気に会社の時価総額が目減りする

2018/08/04

| 新フェラーリCEOはいきなり会社の評価額を下げてしまうことに |

残念なことにフェラーリの元CEO兼会長、セルジオ・マルキオンネ氏が急死したのは既報のとおりですが、フェラーリの新CEOにはルイス・キャリー・カミレッリ氏、会長にはジョン・エルカーン氏が就任。

そしてそのルイス・キャリー・カミレッリ新CEOが、セルジオ・マルキオンネ前CEOの立てた計画は「野心的に過ぎる」と発言し、これによって株価が12%以上も下落しています。

フェラーリの利益は2023年までに現在の「倍」に?

ちなみにぼくはフェラーリの株式を相当数保有していて、これまではかなりな値上がりに助けられていたものの、今回の発言でなんと株価が何と12%ほども下がってしまい、下げ幅としてはぼくがフェラーリ株を保有して以来、記憶している範囲では「過去最大(率ではなく額ベースで)」。※NY市場に混乱をもたらしたFacebookの暴落で19%なので、今回のフェラーリ株下落はかなり大きい

このルイス・キャリー・カミレッリ新CEOの発言は会見の場でなされ、これが一気に拡散しての暴落に繋がっていますが、ぼくとしては「何を言い出すんだ新CEO」といった感じ。
もちろんフェラーリ株を仕込んだのはもっと安い額なので損は出ていないものの、ちょっと困ったという印象です。

なお、セルジオ・マルキオンネ氏は今年2月にちょっと先までの計画を発表。
これには販売台数を増やすこと、2019年以降に発売するモデルはハイブリッド化すること、フェラーリ初のSUVを発売すること、その結果2021年には無借金となること、2023年には利益が現在のほぼ倍にすること、を挙げています。※実際にこの4年でフェラーリの利益は倍になっている

しかし今回のルイス・キャリー・カミレッリ新CEOの発言では「それは難しい」という意味を含んでおり、これが「期待していた投資家を失望させ」、フェラーリ株の売りに繋がったということですね。

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これから上がりそうな株は?

なお、ぼくは自動車株は投資の対象として魅力的だと考えていて、これまでにもいくつかのメーカーの株式を保有。
過去にはホンダとトヨタ、テスラが相当な利益を生みましたが、昨年にこれらは処分。
その理由として、トヨタとホンダは来たるエレクトリック時代についてこれないからで、テスラはこれから「ほかメーカーの追い上げがきつく」なり、低価格帯であっても、高価格帯であっても利益が出なくなるであろうことが理由です。
低価格帯だと中国メーカーとの競争で利益が削られ、高価格帯だとポルシェ・タイカンほかジャーマンスリーが参入してくるので一気にシェアが減る、ということですね。

逆にフェラーリに投資するのは「まだまだ伸びる」と踏んでいるからですが、これは現在のクラシックフェラーリの相場、現行モデルの中古相場、限定モデルの人気過熱ぶり、FUVの投入、その他戦略や社会状況/環境諸々を鑑みての判断(他にも理由があるが、説明しているとキリがない)。

同じ自動車メーカーだとランボルギーニ、アストンマーティンも伸びると踏んでいるものの、これらの株式は非公開となっています。
ほかだとディーゼル不正事件で株価が半分になってしまったポルシェも狙い目だと考えていますが、こちらは「もしかしたらタイカンがコケるかもしれない」と考えると手を出すのがちょっと不安(フランクフルトにしか上場していないので、買うのが面倒ということもある)。

今のところ自動車メーカーで「もっとも値上がりする」とぼくが考えるのはやはりフェラーリ株で、よって安くなった今、さらに追加で仕込もうかと考えていますが、ほかに最近買い増ししているのは金融とエネルギー。
金融についてはアメリカの利上げ、株式相場の活性化等々、エネルギーはやはり不動産と同じで「王様」だから。

逆にこれまで値上がりを牽引してきたIT関連は今後しばらく動きが見込めず、このあたりは機会を見て売るかも。

もちろん国内株も含め「円安になっても」「円高になっても」「原油高になっても」「原油安になっても」「貿易戦争がどう転ぼうと」損失を最小に抑えることができるように考えたポートフォリオを組んでいるのは言うまでもありません。

フェラーリは意外とドライだった

なお、フェラーリはセルジオ・マルキオンネ新CEOについて、病に倒れて入院し、復帰不能となった際には公式コメントを発表していますが、その後の死去についてはノータッチ(コメントも発表せず、喪に服したり、ということもない)。
実際には退任後なので「フェラーリと無関係」なのは事実ですが、ヨソの会社に移ったわけでも喧嘩別れしたわけでもなく、そしてこれまで成長を牽引してきたマルキオンネ氏に対して「ちょっと冷たい・・・」と感じた次第です。

関連投稿:フェラーリがNYに上場。いきなり親会社であるフィアット・クライスラーの半分の時価総額規模に

フェラーリがついにニューヨーク証券取引所に上場。
公開価格は52ドルで高値は60.97ドル、終値ベースでは時価総額が1兆3000億円に。
今回の新規株式公開(IPO)では発行済株式の約10%を流通させています(創業家も10%保有していますが、これで一気に資産を増やしたことに)。
ちなみに取引に使用される銘柄コードは「RACE」となり、これはいかにもフェラーリらしいですね。

マルキオンネ氏は「フェラーリは1兆6000億円の価値がある」としていましたが、事前のアナリスト予測では6800億円~1兆2000億円となっており、やはり専門家の予測が正しかったということになります。

ぼくとしてはブランド価値抜群のフェラーリということで、かなり値上がりするんじゃないかと考えていたのですが(実際すごいフィーバーになるんじゃないかと思っていた)、公開価格がけっこう高かったこと、投資家はけっこう冷静に「企業」としてのフェラーリを見ていた、ということが関係しているのでしょうね。
また、評論においても「好調な出だし」とのことで、予想以上の成果を収めたと判断されているようです。

なおFCAグループの時価総額は2兆6000億円程度なので、フェラーリの販売台数はグループの2%以下なのに半分近くの時価総額を誇る、ということになりますね。
日本で時価総額1兆円だと、イオン、積水ハウス、三菱自動車、富士通あたり。

そう考えると、年間7000台程度しか生産がない自動車メーカーとしては、やはり「これはすごいこと」なんだろうなあ、と思います。


関連投稿:フェラーリはイタリア証券取引所に上場。FCA負債解消のため株式売却へ
先日、フィアットはフェラーリと分離の方向という記事をアップしましたが、やはりその流れは加速している模様。
今回出ている話はイタリア証券取引所に上場、というもの。

現在フィアット・クライスラー・オートモビルズ(FCA)は大きな負債を抱えますが、その負債を減らすにはフェラーリの株式上場は救世主とも言えるわけですね。
ニューヨーク証券取引所にフェラーリが上場した際には一気にグループの半分程度の時価総額にまで株価が上昇し、FCAはこれに味をしめたと考えられます。

NY上場後に追加でフェラーリの株式を売却して現金化を狙っていたようですが、イタリア証券取引所に株式を上場させることでさらに株価を上げ、高値で株を売却してFCAの負債解消に当てる計画だと思われますが、大量の株式を売却することでFCAはフェラーリに対する影響力を同時に失うわけで、言うなれば一時の負債解消のためにフェラーリという金の卵を売り飛ばしてしまうことになりますね。

関連投稿:フェラーリが今月内に上場へ。株式の9%を売却し1000億円を調達

フェラーリがついに月内までに株式をニューヨーク証券取引所へ公開し、上場することに。
保有株式の9%(1720万株)を流通させるようですが、これによって約1070億円を資金調達する模様。

自動車業界にとってはかなり重要な出来事と言え、一部では相当な騒ぎになりそうですね。

関連投稿:フィアットはフェラーリの株を追加で売却。フェラーリを分離の方向か

フィアット・クライスラーからフェラーリが独立する線が濃厚に。

アムステルダムにて行われた株主投票では98パーセントが分離に賛成で、その際は来年早々にFCAの保有するフェラーリ株を売却する見込み。

フェラーリ株の価格が高くなったために、FCAが保有するこれら株式を現金化することでFCAの負債を減らすことが目的ですが、フェラーリと分離することでこの負債を1/3に減らすことができるようです。

これによってフェラーリはしがらみから脱することができるわけですが、実際のところ株主構成はそう大きく変わるとは思えず、マルキオンネ氏がフェラーリの会長であり続けるのであれば、さほどフェラーリは自由にならないかもしれませんね。

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