| この「SF(スクーデリア・フェラーリ)」という名称は2015年に初めて採用されている |
フェラーリ伝統のネーミングはやはりエンジンの性質を表す「数字3桁」
さて、フェラーリが2024年を走るF1マシンの名称につき「SF-24」を採用すると発表(実車の発表は2月13日)。
この「SF」とはもちろんスクーデリア・フェラーリ(Scuderia Ferrari)を表しており、「24」は2024年シーズンを意味します。
なお、「SF+数字」という命名法則はハイブリッドシステムが導入された2年目である2015年(SF15-T)にて初めて採用され、その後フェラーリの75周年を記念した「F1-75(2022年)」を除くと、今日に至るまで脈々と続く”伝統”となっています。※SFと組み合わせられる数字は必ずしも年号ではなく、SF70のようにモータースポーツ参戦70周年を記念したネーミングもある
フェラーリはF1発足時から現在に至るまで「ずっと」参戦を続けている
なお、F1グランプリそのものは1950年に初めて開催され、フェラーリはそれ以来欠かさずF1へと参戦を継続していますが、最初のF1マシンは「125F1」。
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その後より大きな排気量を持つ「375F1(1気筒あたり375ccの排気量)」へとスイッチし、その後しばらくはシリンダーあたり排気量にちなんだ命名を持つものの、1954年の553F1からは新しい命名法則を取り入れたようで、この後555F1(1955年に登場)、801F1(8気筒とF1という意味を伝統の3桁で表現)といったチャレンジャーも登場しています。
さらにその後は「2.5リッター6気筒」エンジンを積む「256F1(1959年)」といった「排気量と気筒数」といったネーミングがしばらく続き(かの有名な312は3リッター12気筒を表している)、126シリーズ(たぶん120度V6に由来)、156(これは1.5リッター6気筒)シリーズと続きますが、これらはいずれもエンジンに由来するネーミングであり、「エンジンありき」のフェラーリらしい命名だと言えますね。
ただ、その流れが変わったのが1986年の「F1-86」。
ここで(おそらく1955年の555F1を除くと)はじめて年号が取り入れられることになったと認識していますが、これはF1-91(1991年)まで続き、そして1992年に登場したのが「F92A」。
ただしこの伝統は1994年に登場した「412T1(4バルブ12気筒)」によっていったん消滅し、フェラーリはここで再びエンジン由来のネーミングを採用することになるわけですね。
その後はF310(3リッターV10)といった「F+3桁」がしばらく続き、2000年には「F1-2000」、そしてF2005まではこの年号シリーズが継続され、2006年には突如「F248(2.4リッター8気筒)」という伝統の数字3桁が復活し、しかし2007年にはまた「F2007」へ。
2009年にはF60(F1参戦60周年)、2010年には「F10」、2011年には「150°イタリア(イタリア統一150周年)」といったお祝いネーミングが立て続けに登場していますが、そこからF2012、F138(V8のファイナルイヤーであった2013年)、F14T(2014年)、そして2015年に上述の「SF+年号(SF15T)」が初登場。※ただしSFのあとにハイフンが入ったのはSF-24が初である
こうやって見るとけっこう色々な命名法則を採用していたことがわかり、機会があればそれぞれを紐解いてみたいと思います。
New year, New name.
— Scuderia Ferrari (@ScuderiaFerrari) January 29, 2024
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参照:Ferrari