>その他イタリア車 ■新型車・スパイフォト・ウワサなど

新生デ・トマソがニュル近郊に工場を建設し、ポルシェ919等の開発に参加したカプリコーンの協力を得て新型車「P72」の開発・生産を行うと発表

2022/01/13

新生デ・トマソがニュル近郊に工場を建設し、ポルシェ919等の開発に参加したカプリコーンの協力を得て新型車「P72」の開発・生産を行うと発表

| 新生デ・トマソの親会社はアポロ・インテンサ・エモツィオーネをリリースした香港のITV |

これまでの例から見て、デ・トマソP72の実現性は高そうだ

さて、2019年にグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにてデビューしたデ・トマソ「P72」。

これは香港ベースの”ITV=Ideal Team Ventures”がデ・トマソの商標権を獲得してリブートした「新しいデ・トマソ」よりリリースされる第一号であり、当時「ありえないほどゴージャス」だと表現されたスーパーカーです。

なお、このITVは「アポロ・アウトモビリ」も展開しており、それなりに実績があることからデ・トマソの再生についても期待されていたものの、最近ではサッパリその話を聞かなくなっていたわけですね。

アポロが「インテンサ・エモツィオーネ(IE)」の後継モデル「プロジェクトEVO」を突如発表!加えて4ドアセダンの「Eヴィジョン」も公開
アポロが「インテンサ・エモツィオーネ(IE)」の後継モデル「プロジェクトEVO」を突如発表!加えて4ドアセダンの「Eヴィジョン」も公開

| しばらくは音沙汰のなかったアポロだが、とんでもない計画を持っていたようだ | ハイパーカーの枠を超え、「普通に乗れるクルマ」の計画も さて、ハイパーカー「インテンサ・エモツィオーネ」を発売したアポ ...

続きを見る

生産拠点はアメリカからニュルブルクリンクへ

参考までに、2019年に復活をアナウンスした後、新生デ・トマソは「アメリカにて開発と生産を行う」と発表しており、その理由として「アメリカの自動車産業に対する愛」をあげ、このプロジェクトについては「ミッション・アメリカン・オートモーティブ・ルネッサンス」と命名。

デ・トマソがアメリカに生産拠点を構えると発表!「アメリカの自動車産業にルネッサンスをもたらすのだ」

| 半年以内に生産拠点を確定、2022年より一号車”P72”の生産を開始 | さて、デ・トマソは2019年に「P72」を発表し復活ののろしを上げていますが、今回「生産拠点をアメリカに設ける」とアナウン ...

続きを見る

ただ、その後は一切話題に上らなくなり、いったいどうなったのだろうと考えていたところ、今回突如「ニュルブルクリンク近郊にて開発と生産を行う」と発表して世間を驚かせ、その(アメリカからドイツに移る)理由は「コロナウイルスの影響によって計画が狂ってしまったため」。

つまりはアメリカでの活動が制限され、そのためドイツに拠点を移すということになり、そしてニュルブルクリンクに最新鋭の設備を持つ開発拠点と工場を建設して発売を目指すというのが今回の発表の骨子となっています。

なお、アポロ・インテンサ・エモツィオーネの場合は「単発プロジェクト」だったのだと思われ、よって専用の工場を建設せずに生産を外部に委託したようですが、今回はデ・トマソの自社工場を建設しており、となると今回のP72のほかにもデ・トマソの「ニューモデル」が登場するのかもしれません。

de-tomaso-p72 (5)

デ・トマソ・アウトモビリ会長のノーマン・チョイ氏によれば「本日、私たちの哲学を再確認し、コアコンピタンスを強化し、将来の製品に最高レベルの品質を保証する、新しい戦略的パートナーシップを発表できることを誇りに思います。我々のP72は、伝説のニュルブルクリンクで開発されるだけでなく、生産され、我々の顧客に比類のない経験、品質、価値を提供します」とのこと。

そして驚くべきはデ・トマソのいう「新しいパートナーシップ」であり、これはなんと”カプリコーン”。

その名が一般に出てくることがないものの、このカプリコーンはポルシェ919ハイブリッドなどのレーシングカーの開発に協力したことでも(自動車業界では)広く知られ、デ・トマソはカプリコーンとの協業を行うことにより、P72の生産に向けて大きく進むということになりそうです。

なお、アポロ・インテンサ・エモツィオーネ(IE)もまたレーシングカーコンストラクターであるHWAとのコラボレーションによって開発・製造がなされていて、デ・トマソ、そしてアポロの親会社であるITVは「そうとうなコネクション」を持つ会社だということもわかります。

アポロがそのハイパーカー「IE」セットアップのため、AMGのスピンオフ会社「HWA」と提携。信頼性が向上し2019年に納車開始

| アポロIEは「現代のGT1レースカー」 | アポロIEがその市販車「インテンサ・エモツィオーネ」最終仕上げのためにドイツの「HWA AG」とパートナーシップ契約を締結したと発表。 といってもHWA ...

続きを見る

de-tomaso-p72 (2)

デ・トマソはすでにP72のテスト、プロトタイプの生産を開始

さらにデ・トマソは、トヨタのF1やLMP1の担当者と共同で、ドイツ・ケルンにあるトヨタのF1風洞で空力試験を行った際の画像も公開し、現在、2023年初頭の納車を新たな目標として、「プレシリーズ」プロトタイプの生産を開始したことも発表。

de-tomaso-p72 (4)

加えてデ・トマソは、P72の最先端のカーボン・シャシーを改良し、外寸を変えずに乗員の頭上とレッグスペースを拡大したこと、重心を低くすることでハンドリングと安定性を向上させたことについても触れており、いったん路上に解き放たれれば、並み居るスーパーカーをなぎ倒してしまうほどのパフォーマンスを見せるかもしれませんね。

de-tomaso-p72 (3)

デ・トマソのCEO/CMOであるライアン・ベリス氏は「このパートナーシップにより、実績ある世界的なリーダーと協力し、当社のオペレーションとサプライチェーンを合理化することができます。これにより、当社の本質を維持し、デザイン、エンジニアリング、クラフトマンシップ、素材の最高峰を、当社の理念を強化し、真の実績を持つ車両に搭載し続けることができるのです」とコメントを発していて、アポロの実績から見て、「発売する」といいながら実際には何も発売できない新興ハイパーカーメーカーとは異なり、このデ・トマソは間違いなく実車をリリースすることになると考えられ、今後の動向には要注目ですね。

合わせて読みたい、デ・トマソP72関連投稿

デ・トマソP72のデザインはフェラーリP4/5のパクリ?”ワンオフモデル”P4/5とは何なのか、オーダーしたのは誰なのかを解説してみる

| この類似性は正直なところ、言い逃れできないだろう | 先日デ・トマソはブランニューモデル「P72」を発表し、大いなる喝采を浴びたところ。しかし今回、これに対してジェームズ・グリッケンハウス氏が「我 ...

続きを見る

新生デ・トマソ「P72」が搭載するのは、その歴史を反映して”フォードのエンジン”。700馬力以上、トランスミッションは6MTのみの「超高速ツアラー」に

| マスタングGT用の5リッターV8を700馬力以上にチューン | 今年6月にその姿が公表された新型「デ・トマソP72」。デ・トマソはかつてイタリアにてスーパーカー(マングスタやパンテーラなど)を製造 ...

続きを見る

予想してたのと違う!デ・トマソの新型車「P72」発表。価格1億円、72台限定、そして究極のゴージャスさ

| デザインは1964年のレーシングカー「P70」へのオマージュ | 予告どおり「デ・トマソ」がグッドウッドにて新型車を公開。デ・トマソは現在経営権(商標使用権)が香港の会社”ITV=Ideal Te ...

続きを見る

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

->その他イタリア車, ■新型車・スパイフォト・ウワサなど
-, , , , ,