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ランボルギーニがV12モデル生産最後の年に過去の名車を振り返る!ディアブロは近代ランボルギーニへの道筋をつける画期的なスーパーカーだった

2022/09/01

ランボルギーニがV12モデル生産最後の年に過去の名車を振り返る!ディアブロは近代ランボルギーニへの道筋をつける画期的なスーパーカーだった

| ディアブロはランボルギーニではじめて4WDを採用したスーパースポーツだった |

さらにははじめてパワステ、電子制御サスペンションが装備される

さて、ランボルギーニは2022年で「V12エンジンのみで走る」スーパースポーツの生産を終了させますが、それに際してV12エンジンを振り返るコンテンツを公開しています。

ちなみにランボルギーニのV12エンジンはもともとフェラーリのエンジニア、ジオット・ビッザリーニ氏に依頼して設計されたもので、その設計の優秀さからその後のムルシエラゴに至るまで(改良を受けつつ)使用されることとなっています(アヴェンタドール開発と同時にV12エンジンが完全新設計されている)。

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ランボルギーニのV12エンジンは約60年にわたり使用されてきた

そしてランボルギーニのV12エンジンは現在に至るまで約60年もの歴史を持つに至り、その中でも1990年に発売されたディアブロはエポックメイキングな存在で、というのもはじめてランボルギーニのスーパースポーツとして4WDを採用したモデルだから。

発売当時に搭載されたV12エンジンは5.7リッターで、その後6リッターにまで排気量が拡大され、最高出力はロードバージョンで600馬力、ディアブロGT1ストラダーレでは655馬力を発生します(2台のみが生産されている)。

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ディアブロはカウンタックの後継モデルとして企画されていますが、その計画はプロジェクト132として1985年にスタートしており、その際に考えられたのは「ランボルギーニのパワーを余すところなく伝えるものでなければならない」「スポーティで筋肉質でありながら常に魅力的であり、ランボルギーニが誇る美学を備え、将来にわたって世界最速の市販車として君臨し続けることができるものでなければならない」。

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なお、ランボルギーニの1モデルあたりのモデルライフは10年を想定しており、そしてモデルライフが終了したのちの10年間も「最強・最速」として君臨せねばならないという思想のもとに設計されているため、都合20年間トップランナーで居続けることができる性能を保有することが大前提。

そのために採用されたのが4WDをということになりますが、それは今日に至るまでランボルギーニを他のスーパースポーツカーメーカーのクルマと大きく差別化する要素の一つとなりえているので、その意味でもディアブロはランボルギーニの歴史にとって重要な存在であるということになりますね。※ディアブロは11年間の生産で2,903台が生産されている

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ランボルギーニ・ディアブロは当時あまりに先進的なクルマだった

そしてランボルギーニ・ディアブロの初期開発モデルにおける「路面への対応」は驚くべきものだったといい、つまり4WDの持つトラクション性能はずば抜けていたということになりますが、この優れたセットアップを実現したのは元ラリー世界チャンピオンのサンドロ・ムナーリを中心としたチームであったと言われます。

搭載されるエンジンは、上述の通り1963年の3.5リッターエンジンから直接派生した60度のバンク角を持つV12エンジンで、ディアブロに至るまでの長い年月をかけて5.7リッターに拡大されたもの。

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デビュー当時の排気量は5.7リッターで、492HP/6800rpmの最高出力と580Nm/5200rpmのトルクを発生させ、触媒コンバーター、ランボルギーニ・ウェーバーマレリによるLIE電子燃料噴射装置が搭載されたこともトピックです。

その後ディアブロは順調にバリエーションの拡大を続け、ディアブロVT(1993年)、ディアブロSE30(1993年)、ディアブロSV(1995年)、そして1999年には現在の組織体制(フォルクスワーゲングループ)となって初めてのモデルであるディアブロGTが登場し、さらにその後のディアブロ6.0 SEでは排気量が6.0リッターに拡大され、燃料噴射のキャリブレーションを改善することによって出力525馬力、トルク605Nmを達成することに。

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アウディによる買収がランボルギーニの転機に

そしてランボルギーニの転機となったのが、フォルクスワーゲングループ傘下のアウディによる買収。

これによって大量の資金を獲得でき、フォルクスワーゲングループの持つ技術やパーツにアクセスできるようになったわけですが、ここで誕生したのがディアブロのセカンドシリーズで、これはパワフルになっただけではなく、より豪華に、そしてより高い信頼性を持つに至ったわけですね。

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ディアブロのメカニズム的変遷をたどってみると、ディアブロは発表当初から優れたメカニズムを持っていたものの、パワーステアリングが初めて装備されたのは1993年で、同じく1993年にはランボルギーニ初のスポーツ4WDシステムを搭載した「VT」が登場。

このVTは「Viscous Traction」の略であり、ビスカスカップリングとフロントデフに接続されたプロペラシャフトを介し、後輪がスリップした場合のみ、前輪にトルクが最大20%伝達されるという構造です。

そしてもう一つ、当時としては革新的な技術である電子制御式サスペンションを導入し、5つのプリセット操作プログラムを選択することができるようになったのもこの世代です。

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さらにはV12ミドシップモデルとしてオープントップが設定されたのも特筆すべき点であり(それまでにもいくつかオープン仕様が作られたがワンオフにとどまっていた)、加えてスーパースポーツトロフィー(後のスーパートロフェオ)選手権によって、ディアブロをレースに復帰させ、1996年のル・マン24時間レースのサイドレースでデビューさせ、このレースを戦うジェントルマンドライバーのために550馬力のディアブロSV-Rが34台製造されています。

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このランボルギーニ・ディアブロも他のランボルギーニの例にもれず多数の映画に登場しており、有名なのはジム・キャリー、ジェフ・ダニエルズ主演の「ダム&ダンバー」での赤いディアブロ、そして2001年の映画「Exit Wounds」での1999年式のディアブロVTロードスター。

ただ、ぼくにとって最も印象的なのはやはり007 ダイ・アナザー・デイにて、北の将軍様が所有していた赤いディアブロです(これはランボルギーニにとっては不本意な扱われ方だったのかもしれない)。

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参照:Lamborghini

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