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さよならマセラティ・グラントゥーリズモ。12年の歴史に幕をおろし、生産終了を記念するワンオフモデル「Zéda」が公開に。なお新型は2021年登場予定

2019/11/12

| アルファロメオ4C同様、あまりに突然な幕引きだった |

先日マセラティとアルファロメオの「修正」中期計画が公開されましたが、その中でアルファロメオはスポーツカー計画(8CやGTV)を減少させ、ついに4Cも生産中止に。
今後はセダン、SUVを中心とした自動車メーカーへと生まれ変わる計画を公表しています。

一方でマセラティは「アルフィエーリ」の発売に加え、グラントゥーリズモ、グランカブリオをフルモデルチェンジさせるなどスポーツカーメーカーへとシフトする方針を表明していますが、今回ワンオフモデル「グラントゥーリズモ Zéda 」の発表とともに、現行グラントゥーリズモの生産終了をアナウンスすることに。

アルファロメオ、マセラティが今後の計画を変更。8C、GTVは残念ながらキャンセル、しかしアルフィエーリは前倒しで登場しグラントゥーリズモ、グランカブリオはFMCも

マセラティ・グラントゥーリズモは2017年には販売終了を迎えるはずだった

マセラティ・グラントゥーリズモは2007年に発売され、「フェラーリ製エンジン」を搭載していたということで話題を呼び、そのセクシーなルックスからスマッシュヒットを記録。
マセラティを一気にメインストリームへと押し戻したクルマでもありますね。

ボディデザインはピニンファリーナによるもので、全長4,885ミリ、全幅1,915ミリ、全高1,355ミリという大柄な車体を持つ、プレミアム感たっぷりのクーペです。

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エンジンは上述の通り、フェラーリから供給を受けたV8(自然吸気)、そして出力は440馬力。
駆動方式は4WD、トランスミッションは6速ATと6速セミAT(シングルクラッチ/MCシフト)。
セミAT搭載モデルでは、トランスミッションをリアアクスル前に搭載する「トランスアクスル」レイアウトを採用していることもトピックです(コストや様々な問題があるものの、重量配分が改善し、そのぶん”本気”度が伝わってくる)。

当初の予定だと、2017年あたりにモデルチェンジ、もしくはアルフィエーリへとバトンタッチすることが予定されており、そのため同時期に「生産終了」される予定であったものの、マセラティ全体の販売不振から後継モデルを開発することが資金的に難しくなったため、2017年にフェイスリフトを行い、予定を変更して「延命」されたのは記憶に新しいところ。

そして今回、突如(アルファロメオ4C同様)グラントゥーリズモがついにその生産を終えたことが発表されたことになりますが、モデルライフ中に生産されたグラントゥーリズモは28,805台、グランカブリオは11,715台。

ついにアルファロメオ4Cが生産終了、すでに購入できるのは在庫車のみ。今後二度とこういったクルマが作られることはないだろう

そして新しいマセラティの計画だと、2020年に「新型スポーツカー(おそらくはアルフィエーリ)」が登場し、2021年にはそのカブリオレ、同2021年にはフルモデルチェンジ版となるグラントゥーリズモ、2022年にはそのオープン版となるグランカブリオが登場予定となっています。

ワンオフモデルのマセラティ・グラントゥーリズモは「過去、現在、未来の架け橋」

マセラティが”現行グラントゥーリズモ生産終了記念”として今回公開したのが、ワンオフモデルとなる”グラントゥーリズモ・ゼダ( GranTurismo Zéda )”。
これはあたらしい計画とともに生まれ変わるマセラティの「新時代」をイメージし、マセラティのデザインスタジオ(チェントロ・スティーレ・マセラティ)にて考案されたもの。

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フロントは伝統的なマセラティ・ブルー、しかしグレー、ホワイトとグラデーションによって変化するカラーを持っています。
そして面白いのは、フロントが「グロス(光沢)」であるのに対し、リアは「サテン(半光沢)」となっていること。
マセラティはこのボディカラーの表現するところについて、「過去、現在と未来」をつなぐものだと説明しています。

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過去がブルー、現在がグレー(闇の中にあったからか・・・)、未来がホワイトということになりますが、「ホワイト」のあらわすところが「明るさ」なのか「白紙」なのかは判断できず。
そして面白いのは、ホワイト部分にはウェザリングのような「汚れ」が再現されていて、ここは”現在”をちょっとひきずっているということなのかも。

最近はいくつかのメーカーにて、その排他性を示すために「グラデーション」を用いることが増えていますが、今回のグラントゥーリズモ”Zeda”のように「光沢の変化を」一台の車体に盛り込むのは非常に稀。
過去にはフェラーリが「SP3CJ」にて、はじめて(フェラーリでは)一台のクルマの中に光沢仕上げと光沢なし(マット)仕上げを同時に用いたと発表しているものの、そちらはグラデーションではなく明確な「境界線」があり、それを考えても今回の塗装はかなり特殊だと言えそうです。

「ワンオフ」のはずのフェラーリSP3JCがもう一台存在!なんと同じオーナーが「右ハンドル」「左ハンドル」で一台づつ注文していた

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現在、マセラティの未来については「はじまったばかり」で、2020年に発表されるアルフィエーリについても詳細は不明。
ただし、漏れ聞こえるところによれば「最新テクノロジーを使用し、エレクトリック化されたスーパースポーツ」になるという話も。

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加えてマセラティは、現在モデナにある工場を刷新し、あたらしい塗装ブースを設置する、とも発表。
ここでは、顧客が「自分のクルマがペイントされるのを見ることができる」環境を実現するとも述べています。

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そして、そこで生産される新型グラントゥーリズモ、グランカブリオもまたエレクトリックパワートレーンを採用した上でレベル3の自動運転を備え、超高速充電が可能なピュアEVバージョンもラインアップすること、しかし伝統的なマセラティのドライビングダイナミクス、パフォーマンスを持つことについても触れていて、今後のマセラティに期待したいと思います。

VIA:Maserati

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