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ついにアルファロメオ4Cが生産終了、すでに購入できるのは在庫車のみ。今後二度とこういったクルマが作られることはないだろう

2019/11/07

| これでまた自動車業界の至宝が一つ消滅。アルファロメオは新戦略に基づきSUVに注力 |

アルファロメオが4Cの生産を(すでに)終了した、との報道。
先日アルファロメオは新しく更新した中期計画を発表し、その中から「8C」「GTV」が消滅していることが判明していますが、同時に4Cに関する記載もなく、「いずれは販売終了」だとは考えられていたものの、あまりに唐突すぎる幕切れとなっています。
よって現在購入できる4Cの新車は「ディーラー在庫」のみとなるそうで、ぼくのお気に入りのクルマがまたひとつ消え去ることになります。

アルファロメオ、マセラティが今後の計画を変更。8C、GTVは残念ながらキャンセル、しかしアルフィエーリは前倒しで登場しグラントゥーリズモ、グランカブリオはFMCも

今回の生産終了について、当然ながら新しいアルファロメオの戦略に沿ったものとなりますが、その戦略を見る限りだとアルファロメオはスモール~ミドルクラスのクルマ、とくにSUVに注力する傾向が強くなりそう。
もちろんそれらには、今後も「クアドリフォリオ」としてのスポーツバージョンが存在することになるとは思われるものの、生粋のスポーツカーがそのラインアップに加わることは期待できそうにありません。

アルファロメオ4Cのようなクルマは今後二度と作られることはない

アルファロメオ4Cは、1967年に発表された「アルファロメオ史上もっとも美しい」と評されたティーポ33/2ストラダーレの現代版とも言えるクルマで、そのルーツがレーシングカーであるというティーポ33/2ストラダーレ同様、その構造は”まんまレーシングカー”。

プラットフォームは専用開発のカーボンモノコックを採用し(外部での製造なのでコストがかかる)、これに1.85リッター4気筒ターボエンジン(240馬力)をミッドマウントし、トランスミッションは6速デュアルクラッチ、駆動輪は後輪のみ。※ アルファロメオ4Cのボディパネルはアルミよりも軽いSMC(強化ガラス繊維樹脂)
車体重量は1100キロと公表されており、これはアルピーヌA110の1080キロよりもちょっとだけ重い数字ですね(逆に、4CよりもアルピーヌA110が軽いのが驚きでしかない)。

全長は3990ミリ、全幅は1870ミリという「縦横比が正方形に近い」ディメンションを持ち、全高はわずか1185ミリ。
ちなみに市販車で全高1200ミリを切っているのはランボルギーニ・アヴェンタドール、ランボルギーニ・ウラカン、マクラーレン720Sくらいで(フェラーリはいずれも1200ミリを超える)、とにかく低いのがアルファロメオ4Cということになります。

そして実際に運転してみて驚かされるのは「レーシングカーなみのペダル剛性」。
アルファロメオ4Cはロードカーとしてはブッチギリのペダル剛性を持っていて、これに並ぶのはロータス・エキシージくらいかもしれません。※アストンマーティンも全般的にかなり高いペダル剛性を持っている

アルファロメオ4Cはバイクに例えるならばレース用のバイクといった感じで、そのほかポルシェ718ケイマンSは600ccくらいのスーパースポーツバイク、アルピーヌA110は250ccくらいのスーパースポーツバイクという印象を持っていますが、それくらい、ほかのクルマとは異なる次元にあるミドシップスポーツだと認識しています。

アルファロメオ4Cの車両本体価格は849万円に設定され、しかしこういった内容を考えると「安い」と言っていいクルマなのかもしれません。

今後のFCAそして社会情勢を鑑みるに、もう二度とこういったクルマが作られないであろうことは間違いなく、よって長期的に見て高い価値を維持するどころか、価格が上昇してゆくクルマの一台でもあるとも考えています。

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