
| 欧州では規制によって続々とスポーツカーが姿を消している |
欧州で終焉を迎えるホンダのFWDホットハッチ、シビックタイプR
2022年に発表され、北米では2023年モデルとして登場した現行型シビック タイプR(型式:FL5)。
そのパフォーマンスと完成度で多くのファンを魅了してきましたが、早くも「最後の特別仕様」が登場し、今回ホンダが欧州市場向けとして「シビック タイプR アルティメットエディション(Ultimate Edition)」を発表。
わずか40台のみが限定にて生産され、2026年の販売終了に向け有終の美を飾ります。
なぜ今、終わりの始まり?──規制と戦略の変化が背景に
ホンダは現時点で、日本およびアメリカ市場向けに同様の最終モデルを導入する計画を明かしておらず、通常ホンダのモデルライフサイクルは約5年であり、現行FL5型は少なくとも2027年モデルまでは販売が続く見通しです。
一方、欧州では2025年末までにハイブリッドおよびEVのみを販売する方針を掲げており、シビック タイプRのような内燃機関のみのスポーツモデルは姿を消すことになり、よってこの「2026年にFL5が終了する」のは欧州市場に限ってだと考えて良いかと思います。
「ヨーロッパにおけるホンダの象徴ともいえるタイプRに別れを告げるこのタイミングで、特別なモデルを用意するのは自然な流れでした。自動車業界は変化しており、我々のモデルラインアップもそれに適応していきます。」
— ホンダモーター・ヨーロッパ 戦略・商品責任者 ハンナ・スウィフト
ホンダ・シビック タイプR アルティメットエディションの特別装備一覧
限定生産されるこのモデルには、内外装ともに以下のような魅力的な専用仕様が用いられていますが、「キーボックス」が用意されるあたり、まさに”コレクターズアイテム”となることを意識しているようですね。
外装(エクステリア)
- 専用ホワイト塗装
- ブラックルーフ&レッドストライプ(ボンネットとドア)
- カーボンファイバー製リアウイング
内装(インテリア)
- カーボン調センターコンソールパネル
- 専用ドアシルプレート
- タイプRロゴ入りウェルカムライト
- シリアルナンバー入りギフトボックス&カーボン製キーリング
パワートレインに変更なし──FWD最速の称号を持つスペックを維持
なお、このタイプR アルティメットエディションにつき、機械的な変更は一切なく、現行のFL5型と同様に以下の(ニュルブルクリンク市販FF車最速タイム~7分43秒8~を記録しま)スペックとなっています。
- 2.0L 直列4気筒ターボエンジン
- 最高出力:315馬力 / 6500rpm
- 最大トルク:310 lb-ft
- 6速マニュアルトランスミッション
- 前輪駆動
次世代タイプRはハイブリッド化が濃厚
タイプRの欧州市場撤退が発表されたとはいえ、それは完全消滅を意味するわけではなく、ホンダの幹部は、電動化された次世代シビック タイプRの可能性をすでに示唆。
- 完全EVではなく、ガソリンエンジン+電動モーターのハイブリッドが有力
- 2027年から導入予定の次世代ハイブリッドシステム搭載車13モデルの中に含まれる可能性あり
内燃機関スポーツカーの象徴とも言えるシビックタイプRが、欧州ではひとまずの終幕を迎えます。しかし、そのドライビングプレジャーへの情熱はこれからも引き継がれていくことは間違いなく、「タイプR アルティメットエディション」は、その過去と未来をつなぐ“橋渡し”となる1台です。
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ホンダ シビック タイプR アルティメットエディションの公式プロモーション動画はこちら
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参照:Honda