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1966年に廃止された全長2.7kmの地下トンネルをマツダのレーシングカー、RT24-Pが200km/hで走る!見ているこっちのほうがちょっと怖い【動画】

2022/09/05

1966年に廃止された全長2.7kmの地下トンネルをマツダのレーシングカー、RT24-Pが200km/hで走る!見ているこっちのほうがちょっと怖い【動画】

| 今後、この「地下トンネル」の活用は風洞実験に代わる手法として一般化するかもしれない |

この環境を「快適」と言って走れるのはさすがにプロのドライバー

さて、レーシングカーコンストラクター、マルチマチックがマツダのレーシングカー、RT24-Pを用いて地下トンネルを約200km/hの速度で走らせる動画をYoutubeへと公開。

マルチマチックはLMDh規定に対応するシャシーを作る4つのコンストラクターのうちのひとつであり、ポルシェがル・マン24時間レース、IMSAを走るレーシングカー「963」のシャシーを担当することでも知られます。

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なぜ地下トンネルを走行?

マツダは2021年かぎりにてマツダのIMSA・DPiから撤退しており、よってこのレーシングカー「RT24-P」が登場するのはひさしぶり。

しかし現役を退いたといえども今回は重要な役割を担っており、それは「風洞実験にかわる新たなテスト手段の検証」なのだそう。

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そして今回走るのは1966年に閉鎖されたケイツビー・トンネルだとされますが、かつては蒸気機関車が走っており、そこを今回マツダRT24-Pが走行するわけですね。

レーシングカーを開発するには通常「風洞実験」を用いますが、マルチマチック社のモータースポーツ責任者を務めるラリー・ホルト氏によると、実物大のクルマ(実車)を持ち込んでテストを行う「ムービンググラウンドプレーン風洞では、クルマは静止しており、巨大なファンとフローコンディショニングのセットアップによって風を吹き付け、ベルトを配置してクルマの下を協調速度で移動させることができるのです。非常に洗練された構成ですが、クルマはまだ止まっているので、完全な本物ではありません」。

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よって風洞実験ではできなかったことを今回の地下トンネルにて行うということになり、前出のラリー・ホルト氏は「従来の風洞に比べ、これは本物だから良いのです。ケイツビーでは、矢印のようにまっすぐ伸びたトンネル内を、クルマがスピードを出して走ることが許されている。つまり、管理された環境でありながら、より実生活に近い形でクルマに負荷をかけることができるのです。加えて、天候に左右されない現実の世界を提供してくれることも大きなメリットです。動くクルマ、本物の路面、管理された環境、そして季節に関係なく24時間走れます。2.7kmの完璧にコントロールされた環境です。これこそ、段階的な進歩を追い求めるときに必要な一貫性です」とコメント。

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トンネルの中を走るのはちょっと怖そうだが

なお、動画ではアンディ・プリオール氏のドライブによって193km/hの定速走行を行う様子が収録されていますが、見ている方としてはけっこう恐怖であり、両側そして天井を壁に囲まれた環境において猛スピードを出すのはけっこう恐ろしそう。

というのも、エスケープゾーンがまったくなく、なんらかの理由にて壁に激突すれば「最悪の事態」も想定できるためですが、アンディ・プリオール氏によると「非常に快適であり、もっと速い速度で走行することも可能」。

さらには「スタート時、レーシングカーに飛び乗り、2.7kmのトンネルをフラットアウトで走るのは少し奇妙に感じましたが、すぐにケイツビートンネルは素晴らしい施設であることを感じ取りました」とコメントしています。

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なお、マルチマチックはこれまでにもRT24-Pを何度も風洞実験に送り込んで多数のデータを保有しており、それらのデータと今回のトンネル内で得られたデータとは「一致」しているうえ、しかも上述のように「実際の環境にて、負荷をかけてクルマを走らせることができる」ため、”より有用”だとも。

風洞実験のための設備を建設するのには相当な費用がかかり、そのためこれを所有する自動車メーカーやコンストラクターは意外に少ないといい、よって多くのメーカーやチームは「風洞実験設備を借りる」ことになりますが、こういったトンネルがあれば風洞実験よりも安く、しかしより現実に近いテストを行うことができ、マルチマチックは今後このトンネルを活用してレーシングカーの開発を行う機会が増えそうですね。

マツダRT24-Pが時速200キロで地下トンネルを走る動画はこちら

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参照:Multimatic Inc.

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