| NISMOだけあって最高レベルのレストアを行ってくれそう |
さて、日産とNISMOは共同にて、スカイラインGT-Rのパーツを復刻する「NISMOヘリテージプログラム」を2017年より展開していましたが、今回はパーツ提供にとどまらず、車両のレストア、そしてレストアした車両(コンプリートカー扱い)の販売も行なうと発表。
このサービスの名称は「NISMO Restored car」と銘打たれ、レストアにあたっては「ニスモの考えるレストア車」を新たに定義した上で展開する、と述べています(名称からすると、スカイラインGT-Rにとどまらず、他車種にも展開がなされるものと思われる)。
ニスモが定義する「レストア車」とは?
そこでニスモが定義するレストア車ですが、さすがにニスモだけあって「見た目を新車時同様に戻す」という範疇を超えて「性能もレストアする」。
そして性能のレストアにあたっては基準値を設け、つまり数字にてレストア後の性能を判断できるようになる、とのこと。
加えて、その車両を構成する全てのパーツについて履歴を記録する、としています。
ニスモによるスカイラインGT-Rのレストアはどのように行われる?
ニスモによると、レストア工程は大きく分けて4段階(それぞれを細分化すると12段階となる)。
その流れは下記のとおりです。
1.ボディ:
日産自動車の実績もベースにしたニスモ基準で「ホワイトボディねじり剛性測定」と「ボディ寸法測定」を含めた修復を行い、劣化値修正がされた良好なバランスを維持した総合的な性能を確認します。劣化したシーリングの再塗付後、車体全てを希望色で再塗装します。(オプション:電着塗装・メルシート交換)2.エンジン:
全分解でのオーバーホールとバランス取り後、ベンチ台上での性能測定とラッピングを行い、新車時レベルの性能が出ることを確認します。(オプション:NISMOチューニング仕様へアップデート)
駆動系 - 作動確認・点検・分解洗浄・オーバーホール・消耗劣化部品の交換・塗装
制動系 - (オプション:希望の部位構成部品の追加交換)3.内装:
クリーニング
(オプション:NISSAN GT-R(R35)の表皮を使い、インテリアをトータルコーディネートした張替え。プラスティック部位の塗装リペア)
電装系 - 導通作動確認・点検・消耗劣化部品の交換4. 完成検査:
NISMO
シャシダイナモメータでの性能測定後、ニスモのテストドライバーまたはプロドライバーによるチェック走行で、性能の最終確認を行います。
その目的は「完全なる復元」
基本的に「もとの状態に戻す」ことが目的となるようですが、せっかくゼロベースで再度組み立てるのであれば、「ちょっと補強をプラスしたり」「灯火類をLED化したり」「軽量パーツを組み込んだり」「開きやすいブレーキキャリパーをモノブロックにしたり」というカスタムも行いたいもので、しかしそのあたりについては対応してくれるのかどうかは不明です(管理が難しくなり、保証の問題もあるので対応は難しそう)。
気になる日産GT-Rのレストア費用は?
そこで気になるのはこのNISMOによるスカイラインのレストアにかかる費用。
なんとこれは「基本価格が4500万円」だと報じられており、たしかにそれにかかる手間を考えると致し方ないのかも。
R32 GT-R発売当時の新車価格に比較して約10倍、そしてR35 GT-Rの4倍、フェラーリF8トリブートやランボルギーニ・ウラカンEVOやマクラーレン720Sといったスーパーカーも余裕で買えてしまう金額となりますが、将来的な価値を(理論的に)考えると、R32 GT-Rに4500万円をつぎ込んだほうが「賢い」のかもしれませんね。
レストアのメニューは複数用意
なお、「フルレストア(NISMO Restored car)」のほか、「フルオーバーホール(Complete refresh & overhaul)」「部位ごとのリフレッシュ(Section refresh & overhaul)」といったメニューも用意され、幅広いユーザーのニーズに対応が可能となっています。
ただし、おそらく持ち込みによるレストアについては制限があるものと思われ、マツダの手掛ける「NAロードスターのレストア」同様、改造車や(サビなどで)穴の空いているクルマは不可なのかもしれず、色々な意味でハードルの高いプログラムとなるのかもしれません(だからこそ、条件をクリアしレストアした車両の価値が高くなる)。
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参照:NISMO