
| 多くの顧客は25年ルール対象外となる数年前から「青田買い」をはじめ、数年間ここに寝かせているそうだ |
なんだかんだ言ってGT-Rも「あるところにはある」ようだ
さて、日産R32〜R34世代のスカイラインGT-Rは(国際的に)非常に高値で取引されることで知られますが、その理由の一つが「ほとんど海外に輸出されなかったから」。
これには様々な理由があって、左ハンドル化を想定していないレイアウトで直6エンジンを載せていたり、輸出先での衝突安全試験等をクリアしていなかったりという事情があったとされていますが、とにかく「ほとんど海外に出なかかった」のがこの世代です。
にもかかわらずR32 GT-Rはレースで圧倒的な強さを誇ったり、R33/R34 GT-Rは映画「ワイルド・スピード」に登場することで海外での知名度がぐんぐん向上し、しかし「手に入らない」ために飢餓感が募ってしまったわけですね。
海外には「GT-Rの買い付け」を専門とするショップがいくつか存在する
なお、ワイルド・スピードに登場するクルマの多くは大きく値上がりしており、それは80スープラやRX-7(FD3S)も同様なのですが、これらは海外市場でも流通しているのでまだ入手しやすく、しかしGT-Rは海外市場では手に入れることが非常に難しいという事情があり、よってワイルド・スピードシリーズに登場したほかのクルマに比較してもその値上がり幅が一層大きくなっています。
そして値上がりするのはもちろん「買う人がいるから」ですが、GT-Rを購入しているのは投機筋のほか、若かりし日にワイルド・スピードを観てGT-Rに憧れ、しかし当時はお金がなくて手に入れることができず、しかし今は成功して「子供の頃に欲しかったものを手に入れるのに大金を注ぎ込めるようになった大人たち」。

よってアメリカにはそういった人々を対象にGT-Rを買い付けることを専門とするショップがいくつかあるそうで、今回紹介するのもその一つ。
このショップの本拠地は米国にあるそうですが、ここで紹介する画像は日本の「倉庫」で撮影されたもので、つまりは日本国内にこれだけのGT-Rがストックされているということになります。

もっとも長くGT-Rを保管している例は「7年」
このショップの顧客は主に裕福なアメリカ人たちで、彼らはこのショップに買い付けを依頼し、R32やR33世代のスカイラインGT-Rのように「25年ルール」対象外となるクルマはそのまま米国へと輸入することになるのですが、R34 GT-Rのように25年ルールによってアメリカに持ち込めない(今年から解禁になった)場合は25年ルール対象外となるまでここに保管していたといい、もっとも長く保管している顧客だとなんと「7年」。

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多くの(ここに長期間自身のGT-Rを保管している)顧客は「我が子恋しさに」日本にまでときどきやってくることもあるそうで、もちろん保管するのにも移動するのにもお金がかかり、それでも「GT-Rを確保しておきたい」と考える人が多いということになりそうです。
そしてもちろん機が熟し25年が経過すればすぐにアメリカへと自身のGT-Rを輸送することになるわけですが、ここまでしてもGT-Rが欲しいという人たちの想いが現在のGT-Rの高値相場を形成していると考えていいのかもしれません。

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参照:Motor1, Carrarabooks