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GRスープラのMT比率は当初予測の倍、およそ50%にも迫っていた。参考までにマスタングのMT比率は25%、ポルシェ911GT3のMT比率は70%

GRスープラのMT比率は当初予測の倍、およそ50%にも迫っていた。参考までにマスタングのMT比率は25%、ポルシェ911GT3のMT比率は70%

| 様々なクルマのMT比率を見てみると、「本物」と認められたスポーツカーほどその比率が高いようだ |

当然ながら、GRスープラは多くの人から「本物」と認識されているようだ

さて、トヨタの北米法人の広報担当者によれば「2023年モデルのGRスープラの約半数(正確には47%)がマニュアル・トランスミッションを選んでいる」とのこと。

参考までに、トヨタはGRスープラにMTを設定する際、「せいぜい25%だろう」と考えたものの、この予想が大きく外れたということになり、MT導入は「成功であった」という結果になるのかもしれません。

なお、台数にすると2023年モデルのGRスープラ「MT」は1,216台が販売されており、導入前の販売台数に対してどういった影響があるのか(総販売台数が増加したのかどうか)にはちょっと興味があるところですね。

トヨタはGRスープラのマニュアル・トランスミッション比率をわずか25%に見積もっている!しかし「MTという選択肢を提供することが重要なのです」
トヨタはGRスープラのマニュアル・トランスミッション比率をわずか25%に見積もっている!しかし「MTという選択肢を提供することが重要なのです」

| 実際のところ、これよりもずっと多く売れるかもしれないし、すっと少ないかもしれない | おそらく、日本では北米よりも多くの人がマニュアル・トランスミッションを選びそうだ さて、先日GRスープラにマニ ...

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もともとGRスープラには「マニュアル・トランスミッション」設定の予定がなかったが

なお、GRスープラはもともと「ATオンリー」で発売されており、その理由としては「GRスープラのパフォーマンスを引き出そうとなるとAT以外の選択肢は無いから」。

そしてこの8段AT(ZF製)はたしかに優れた性能を持っていて、高い入力に耐えることができ、段飛びシフトダウンができ、かつ軽量コンパクト。

BMWはこれを「最強のトランスミッション」だと表現し、これまでのDCTを廃止してまでM3/M4にも搭載しています(現行M3/M4はトルコン式ATを積む最初の世代である)。

ただしそこから状況がちょっと変わってしまい、というのも「ガソリンエンジンが(規制によって)思ったよりも早く消滅する」ことが誰の目にも明らかになり、MTに乗るなら今しかないという風潮が強くなったため。

トヨタはGRスープラのマニュアル・トランスミッション比率をわずか25%に見積もっている!しかし「MTという選択肢を提供することが重要なのです」

それに伴いスープラのファンからもMTの導入希望が日に日に高まり、そういった動きを受けてついにトヨタが動いたわけですが(新型フェアレディZにMTが設定されたことも大きく影響していると思われる)、当初「売れないだろう」と考えつつも「MTといった選択肢を提供することが重要である」と判断してMT導入に踏み切ったトヨタには喝采を送るべきかと思います。

なお、スープラにマニュアル・トランスミッションを設定するのは技術的にそう難しくなく、というのも共同開発されたBMW Z4にはMTが設定されていたためで、実際にトヨタはBMW 3シリーズのケーシングとM3のギアを使用し、しかしファイナルギア比を3.15から3.46に引き上げたえうで自社開発によるi-MTレブマッチング・ソフトウェアをインストールしています。

ただしなんでもマニュアルを設定すればいいというものではない

しかしながら「マニュアルを設定すれば売れる」かというとそうではなく、たとえばアメリカンマッスルの代表格であるマスタングのMT比率は25%だといい、ヒョンデ・エラントラNだと30%。

ヒュンダイ・エラントラNの購入検討者は「ホンダ・シビック・タイプR、スバルWRX STI、ゴルフGTIとの購入を迷っている」。なおMT比率は30%
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一方でパガーニ・ユートピアだと60%の顧客がMTを選び、北米市場に限るとポルシェ911GT3の70%がマニュアル・トランスミッションを持つと言われています。

パガーニ・ユートピアの注文のうち「60%以上」がMT!このクルマでマニュアル・トランスミッションを選ばずして何を選ぼうか
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こういった傾向を見るに、消費者が「本物のスポーツカー」だと認めれば認めるほどMT比率が上がると考えてよく、つまりスープラは北米のエンスージアストに「認められたクルマ」だと考えていいのかもしれません。

たしかに「速く走る」ことだけを考慮するとMTはAT(DCT含む)に敵わないことは間違いがなく、しかしぼくらはタイムを削るためにクルマに乗るわけではなく、とくにスポーツカーの場合は「楽しむ」ために乗ることがほとんどだと思います。

そしてそれは、フェラーリ創業者、エンツォ・フェラーリのこの言葉に端的に現れているのかもしれません。

事実、私はA地点からB地点に行くためにクルマを運転するのではない。クルマの反応を感じ、クルマの一部となることを楽しんでいるんだよ。

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参照:Road and Track

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