| 地域によっても差がありそうだが、とくにMTを好むアメリカでは100%近くがMTかもしれない |
今後の残存価値を考慮すると、やはりマニュアル・トランスミッションのほうが圧倒的に有利だろう
さて、パガーニはウアイラ後継モデルとして「ユートピア」を発表していますが、この最大の特徴は864馬力を発生する6リッターV12ツインターボエンジンよりも「マニュアル・トランスミッションが選べること」。
それもケーニグセグCC850のような複雑な機構ではなく、昔ながらのシンプルな構造を持つマニュアル・トランスミッションであり、現在のハイパーカー市場においては非常に珍しい存在です。
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パガーニ・ユートピアでは「60%」以上の顧客がマニュアル・トランスミッションを選択
そして今回ハリーズ・ガレージが公開した動画によれば、「現段階で、顧客の60%以上がマニュアル・トランスミッションを選択している」。
この事実はパガーニ創業者であるオラチオ・パガーニ氏の息子、クリストファー・パガーニ氏が明かしたものですが、この数字を見る限りではマニュアル・トランスミッションに対し多くの人が期待を寄せているようにも思えます。
もっともマニュアル・トランスミッションが好まれるスポーツカーのひとつ、ポルシェ911GT3でもMT比率は40%だとされるので、パガーニ・ユートピアの60%というのはかなり大きな数字だと考えていいのかもしれません。
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なお、ユートピアには7速シーケンシャルギアボックスも用意されており、ユートピアを注文した顧客は両方の仕様に試乗したうえでどちらのトランスミッションを選ぶか決めることができるようですね(この60%という数字が、試乗の結果なのかどうかはわからない)。
ぼくはパガーニを運転したことがないので推測の範囲を出ないものの、サーキットにて速く走ろうと考えるならば当然7速シーケンシャル、楽しみながら走ろうと思えば6速マニュアルという選択になるのだとも思われ、そこは顧客の用途によって分かれるのだと思われます。
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ここ最近はマニュアル・トランスミッションが支持を集める
なお、スポーツカー、スーパーカーは「速く走る」という至上命題があったゆえ、ロボットクラッチやデュアルクラッチが登場した際に多くのスポーツカーメーカー、そしてモデルがマニュアル・トランスミッションを切り捨てています。
フェラーリ、ランボルギーニはマニュアル・トランスミッションを廃止して久しく、そしてマクラーレンはそもそもマニュアル・トランスミッションを持たず、アストンマーティンも今後はマニュアル・トランスミッションを(ごく一部の限定者を除き)ラインアップしないものと思われ、さらに多くのメーカーがMTに対して余命宣告を行っている状況。
よって、中古市場に存在する「マニュアル・トランスミッション搭載の」スポーツカーそしてスーパーカーの相場は大きく上がっており、新車でもMTを用意している場合には高い比率で選択されるといった状況が続くことに。
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よって、991世代のポルシェ911GT3、そしてGRスープラのように「MTを作る予定がなかったクルマ」であってもマニュアル・トランスミッション仕様が追加されたこともあるほどで、とにかく現在のスポーツカー市場ではMTに対する飢餓感が非常に強いようにも感じられます。
なお、MTに対する飢餓感の拡大については、「HV、EVになればそもそもマニュアル・トランスミッションを(構造的に)持ち得ないから」という認識、そして急速に進むエレクトリック化によるMTの生息地縮小が関係しているものと思われ、しかしトヨタ/レクサスはEV時代であってもMTを(フェイクですが)存続させようとしており、MTについては「思わぬ方向へと」シフトしているのかもしれません。
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