| マセラティの限定モデルはいつの時代も非常に高い人気と価値を誇っている |
MC20エクストリーマはまさにエクストリームな「究極」モデル
さて、マセラティが予告していたとおりにサーキット走行専用スーパーカーMCXtrema(MCエクストリーマ)を発表。
これはMC20をベースとし、全く新しいスタイリング、アグレッシブなエアロダイナミクスパッケージ、そして3リッターV6”ネットゥーノ”エンジンを730馬力にまでチューンし搭載したクルマで、わずか63台のみが限定にて販売される予定です(実際には完売済み)。
公道での走行ができないクルマではあるものの、2000年代半ばに登場したMC12コルサと同等、もしくはそれ以上の価値を永続的に誇るモデルとして高い人気を獲得するのは間違いないものと考えられます。
マセラティ MCエクストリーマはこんなクルマ
このマセラティMC20エクストリーマは「サーキット走行専用」とすることで大胆なボディワークを可能としており、より長く低いフロントエンドにはカーボンファイバー製フロントスプリッターとエアカーテンが組み込まれ、これによって車体下部と周囲のエアの流れを最適化。
1959年の伝説的なマセラティ・ティーポ61 "バードケージ "を彷彿とさせるピークドフロントフェンダーと、クラムシェルに設けられたトライデントシェイプのエアベントもまたダウンフォースを高めるのに貢献することになりますが、先進的かつレトロ、つまりタイムレスな雰囲気も感じさせるように思います。
Bピラー以降の処理はリアウィングとミッドマウントエンジン冷却用ラジエーターベントの両方に向けて効率的に空気を流す役割を果たしており、ルーフに設置されたエアインテークは、シャークフィンによって「スプリット」されるという珍しい構造。
このシャークフィンは直進安定性を向上させ、巨大なリアウィングに向けて空気を送ることになりますが、下の方が貫通するといった、やはり他にあまり例を見ないデザインを持っています。
リアエンドには大きなウイング、そして放熱性を考慮したと思われる大きなグリル、新デザインのテールランプが設けられていますが、このテールランプは「三股の銛」つまりマセラティのエンブレム(トライデント)を意識しているのかもしれません(マセラティはこのトライデント、そして3という数字を非常に重視している)。
もちろんアンダーボディはフラットボトム、そしてディフューザーは特大です。
真上から見るとエアの流れがよく分かるように思います。
3.0リッターV6ツインターボのパワーアップは主にMCエクストリーマ専用のターボチャージャーによって達成されており、トランスミッションはガレージクラッチ付き6速シーケンシャルギアボックス、そして機械式リミテッドスリップディファレンシャルを介して後輪のみを駆動します。
サスペンションもまたMCエクストリーマ専用にチューンされた4輪ダブルウィッシュボーンが装着され、4ウェイ・アジャスタブル機構を採用したレーシングダンパー、スプリング、アンチロールバーによって特定のサーキットや路面に合わせた調整が容易になり、ブレーキシステムにはカーボンファイバーローターを採用することで耐フェード性を高めることに。
マセラティMCエクストレマのインテリアは顧客ごとにカスタマイズ可能
MCエクストレマのインテリアは、軽量化、そしてドライバーが目の前のタスクに集中できるよう、余計なものはすべて排除されており、つまり、従来のダッシュボードがなくなり、"コマンドセンター "を格納するための専用構造クロスビームだけが残るという特殊なもの(乗降時にはこの左側クロスビームがじゃまになりそうだが、ドアと一緒に開くのかもしれない)。
ステアリングホイールには5.0インチディスプレイ、そしてボタンと回転式セレクターが内蔵され、カーボンファイバーとアルミニウム構造を採用したスクエアオフグリップ形状を持っています。
なお、マセラティによるとステアリングホイール、ペダルボックス、各種コントローラーの位置などは顧客ごとにカスタマイズが可能だと紹介されています。
その他の装備としては6点式レーシングハーネスとフルインテリアケージが挙げられ、さらにはコマンドセンターとステアリングホイール上のコントローラーによってドライバーはステアリングとトラクションコントロールのキャリブレーション、ラップタイム、ピットスピードリミッター、通信システムにアクセスできる、とのこと。
見ての通り助手席は存在しませんが、オプションにて装備が可能である、ともアナウンスされています。
MCエクストリーマの価格は公表されていないものの、マセラティは62台すべてが(1億5000万円を超える価格で)販売されたことを認めており、2024年から納車が始まることにも言及しています。
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参照:Maserati