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トヨタが1万台超のタンドラとレクサスLXにリコール届け出、エンジン内部に異物が混入しており修理ができないため「全車のエンジンを無条件かつ無償で交換」

レクサス

| 異例中の異例となる対応ではあるが、トヨタとしてはほかに選択の余地がなかったのだと思われる |

トヨタにとっては大きな「金銭上の損失」となるものの、逆にお金では買えない信頼を勝ち取ることになるのかも

さて、先日北米にて「モデルイヤー2022〜2023のトヨタ・タンドラとレクサスLXとをあわせた102,092台に致命的なトラブルの可能性が存在し、改善の方法がない」と報じられていますが、今回ついにトヨタがその対策を発表。

これら102,092台はすでにリコールがなされていますが、内容としては「3.4リッターツインターボV35A-FTS V6エンジンの製造プロセス中に、適切に除去されなかった金属片が見られ、これらが引き金となってコネクティングロッドベアリングの不調、ひいてはノッキング、最悪の場合はパワーロスあるいはエンジン破損に至る」というシリアスなもの。

これまでトヨタはリコールを出したものの明確な対策を示すことができなかったが

この問題を改善しようとするならば、一旦エンジンを降ろしてエンジンを分解し、各パーツを洗浄したうえでエンジンを組み上げ、車両に再度組み込むというとんでもない手間を要することになり、これを102,092台分も作業することは非常に困難。

そして今回トヨタが発表した最終的な対策が「対象となるすべての車両のエンジンを新品に交換する」というもので、トラブル発生の有無にかかわらず、顧客は無償にてエンジンを新しいものへと交換してもらえる、ということに。

もちろんこれには莫大なコストがかかるものの、仮に高速道路走行中にエンジンが壊滅的な故障を起こした場合、回転アセンブリが突然停止して車両そのものが制御不能になる可能性があり、エンジンノックが長時間続くことで想定外の振動が発生し、ブッシングやその他のコンポーネントに悪影響を及ぼす可能性が非常に大。

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そうなれば乗員の身体や生命に危険が及ぶことも考えられ、そうならなくとも今回の件は確実に「製造上の欠陥」であるため、対応を渋れば集団訴訟となる可能性が火を見るよりも明らかで、よってトヨタには選択の余地がなかったのだと思われます。

参考までに、この対策が発表される前までだと、北米のトヨタディーラーは(該当のエンジンを搭載する)タンドラの下取りを拒否していたといい、これがトヨタの評判に悪影響を及ぼしているという報道も。

加えて最近の(北米における)トヨタは”リコール続き”であり、信頼性を常に基盤とする評判を持つトヨタにとっては残念なことに、2月には30万台を超える車両に影響する3つのリコールが発行され、その後6月にはグランドハイランダーとレクサスTXに対して別の大規模リコールが実施されています。

なお、リコールそのものは以前に報じたように「悪」ではなく、自動車メーカーが問題に対して真摯に向き合っている証拠でもあり、実際にホンダは大規模なリコールを利用してアメリカのバイヤーの心をつかみ、その過程で偏見による汚名を克服したことも。

そして今回のトヨタの対応は異例中の異例であり、トヨタに大きな損失を与えるものではありますが、ユーザーの観点からすると「これ以上ない」というレベルのものだと考えてよく、お金では買えない信頼を勝ち取ることになるのかもしれません。

トヨタ
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