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2024年上半期の「リコール王」はフォードに決定。台数と件数ともに最高、2番目にリコール台数が多いのはテスラ、ホンダとトヨタはそれぞれ5位と6位

2024年上半期の「リコール王」はフォードに決定。台数と件数ともに最高、2番目にリコール台数が多いのはテスラ、ホンダとトヨタはそれぞれ5位と6位

Image:Ford

| フォードは販売台数も多いがリコール台数も多い |

ただし「リコール率」だとフォードより分が悪い自動車メーカーも

さて、アメリカの自動車市場において、2024年上半期に届け出られたリコールの数と対象となる台数が公表され、これによると件数 / 対象台数ともにフォードがナンバーワンを獲得して「リコール王」となったことが明らかに。

ちなみにフォードがリコール王なる不名誉な称号を授かるのは今年で4年目であり、2023年までは年間通じて3年連続、そして今年上半期にもリコール王に君臨していて、このままだと通年でも4年連続王者となる可能性が高そうです。

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けしてリコールすべてが「悪」ではないが

なお、リコールというとネガティブなイメージがあるものの、中には「メーカーが品質改良に積極的に取り組んだ結果」実施されるものもあり、すべてに問題があるわけではないことには留意する必要があります。

参考までに、フォードは2023年に5,692,135台の車両を対象とした54件のリコールを届け出たものの、今年はまだ6か月しか経っていないにもかかわらず3,660,752台車両に影響を与える31件のリコールを発表することに。

ただしここで注意を要するのは「販売した台数」つまり母数であり、2023年にフォードが米国で販売した台数は約190万台でどの自動車メーカーよりも多く(トヨタは189万台)、しかし「リコール率(販売した台数とリコール台数との比率)」に計算し直してもやはりフォードは他よりもちょっと「多め(ワーストではない)」。

フォード「EVが売れないのでEV工場をガソリン車用に転換しトラックを生産します。トラックの需要は非常に強く、これによって利益を最大化します」

Image:Ford

ランボルギーニ
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それほどフォードの品質が悪いという印象はないのですが、2023年だとその内容は「予期せず1速にシフトしてしまう」という50万台以上のF-150、電気系統の不具合により12ボルトバッテリーが過剰に消費する可能性があるとされたブロンコスポーツとマーベリックなど、人気モデルにリコールが出されたことが大きく影響していそうです。

なお、フォードの次にリコールが多いのはテスラですが、テスラは2023年に2,552,178台の車両に対して8回のリコールを出し、テスラの同年の販売台数がフォードに比べて少ないことを考えると、リコール率としてはフォードよりもすぐれないという結果に。

クライスラーはテスラよりも多いリコールを出したものの、対象となった車両の数は2,247,965台と(テスラよりも)少なく、そしてフィスカーやポールスターのリコール率は非常に高いと考えて良く、こうやって見てみると文字通りその状況は「各社各様」です。

2024年上半期における北米のリコール台数および件数はこうなっている(対象台数順)

メーカー(ブランド)リコール台数リコール件数
フォード 3,660,752台31件
テスラ2,552,178台8件
クライスラー1,120,958台28件
キア1,120,958台15件
ホンダ1,081,822台6件
トヨタ1,012,730台10件
フォルクスワーゲン725,620台10件
ゼネラルモーターズ655,867台13件
ヒョンデ489,998台12件
メルセデス・ベンツ330,345台14件
スバル118,723台1件
日産102,890台9件
ジャガー・ランドローバー90,809台12件
BMW90,121台11件
マツダ53,368台2件
ポルシェ42,069台6件
ポールスター25,825台1件
フィスカー21,932台3件
ボルボ17,409台1件
リビアン4,850台4件
アストンマーティン3,632台3件
ルシード2,231台2件
ランボルギーニ2,155台2件
ヴィンファスト284台1件
ブガッティ156台1件
モーガン62台1件
マセラティ58台1件
ファラデー・フューチャー11台1件

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