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トヨタはかつてレクサスLFAのサウンドを他のクルマでも再現しようと試み、そして「失敗」していた。今ではフェイクサウンドを用いず「その車両に合った音を採用するのが正しいアプローチです」

トヨタはかつてレクサスLFAのサウンドを他のクルマでも再現しようと試み、そして「失敗」していた。今ではフェイクサウンドを用いず「その車両に合った音を採用するのが正しいアプローチです」

| EVであればともかく、ガソリンエンジンにほかのエンジンのサウンドを被せるのは「難しい」 |

いずれにせよ、トヨタの新しい方針には「期待」である

さて、ここ最近トヨタが集中して公開しているコンテンツが「エンジンサウンド」。

少し前にもレクサスLFAのエンジンサウンドをあらためて公開したところですが、今回はそのサウンドを別の車両にもたらせようとしたものの「失敗に終わった」という秘話を紹介しています。

なぜ今になって?トヨタがレクサスLFAを紹介する3時間もの長編動画を公開、エンジンサウンドに焦点を当て「バンク角72度はもっとも美しいサウンドを実現するために採用された」【動画】
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レクサスLFAのサウンドは「天下一品」

レクサスLFAに積まれるエンジンは専用に開発された1LR-GUEと呼ばれるV10ですが、このエンジンの設計には(サウンドの観点から)ヤマハが参画しており、結果として比類ない美しさを誇るエキゾーストサウンドを実現しています。

この高回転型の自然吸気エンジンが生み出す独特の咆哮は、LFAのアイデンティティの一部ではありますが、トヨタはなんと過去に「それを通常の車に適用しようとした」ことがあるもよう。

レクサス車両性能開発部門 No.1アシスタントマネージャーによれば、「トヨタの技術者たちはLFAのサウンドを通常の車に再現しようと試みたものの、その結果は”滑稽なもの”に終わってしまいました」。

「LFAのサウンドを普通のクルマで再現する実験を行いましたが、結果はただただ笑えるものでした。高速なエンジン音に過剰な音圧が加わることで、遅いクルマがさらに遅く感じられるだけでした。LFAのトーンと音圧は、その加速性能があるからこそ成立するものだと気づいたのです。」

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確かにぼくらであっても、大きなエキゾーストサウンドを轟かせるにもかかわらず「遅い」クルマをを見かけた場合、実際の速度よりもさらに遅く感じることがあり、このマネージャー氏は「そういった例と同じような状況」を指しているのかもしれません。

さらにトヨタは「3気筒エンジンにサウンドを4気筒のように聞かせる」という興味深い試みも行ったそうで、これもまた失敗に終わった、と述べています。

「過去の失敗例を挙げると、3気筒エンジンを4気筒のように聞こえさせる試みがありました。しかし、3気筒と4気筒の音が干渉し合い、まともな音になりませんでした。これは単純に不可能なことだったのです。」

トヨタがそこまで「サウンド」にこだわっていたとは意外ではあるものの、これらの失敗を糧として「より自然なエンジンサウンドを生み出す新しい高性能エンジン」を開発中であるとも述べ、また別のレクサス車両性能開発部門担当者によれば「トヨタは本物のエンジンサウンドを生かすことに重点を置いており、人工的な音作りは避けている。」

現在トヨタが開発中のエンジン

  • 「G20E」 2.0L ターボ4気筒エンジン
    • 400馬力以上 を発揮
    • 復活予定のセリカ/MR2 への搭載が期待される
    • 東京オートサロンにてGRヤリス コンセプトMに搭載され展示済み
  • 新型V8エンジン
    • LFAの後継車となるであろう「LFR」に積まれる可能性が大
    • レクサスLFRはGT3レーシングカーの公道仕様モデル として開発中

つまるところトヨタは「フェイクサウンドを用いない」ということになりそうですが、ガソリンエンジン本来の響きを活かしたトヨタの次世代スポーツカーには存分に期待を寄せたいところですね。

「8気筒エンジンの車が3気筒のような音を出したり、その逆が起きたりするのは奇妙なことです。その車両に合った音を採用するのが正しいアプローチです。我々の基本的な方針は、そのクルマが持つエンジン本来の駆動力を感じさせる音を活かすことです。」

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