
| それでもレクサスは過去最高の販売台数を記録 |
これは「所得が高くなくとも欲しいと思わせる」、つまり憧れの存在であることの証左なのかも
一般に「ラグジュアリーブランド」というと、若くて高収入なエリート層がターゲットであると思いがちですが、どうやらレクサスの場合、ちょっと事情が違うようです。
S&Pグローバル・モビリティの新しいレポート(2024年10月〜2025年1月のデータに基づく)によると、レクサスの購入者の平均年齢は57.6歳。
これは、BMW(54.3歳)やメルセデス・ベンツ(55.7歳)と比べても最も高齢な購買層であり、ラグジュアリー市場全体での平均は54歳なので、レクサスの購入者は明らかに“シニア層”に偏っているとも言えます。
レクサスの購入者は“平均的なラグジュアリー層”よりも所得が低い
また、レクサスの客層において興味深いのは年収の違い。
レポートによると、レクサスの購入者の約47%が年収15万ドル未満(現在の為替レートだと約2,250万円)とされています。
これはBMWやメルセデス・ベンツに比べて“裕福層”の割合が低いということを意味しますが、ちなみにBMWでは、65%近くが年収15万ドル以上という結果になっていて、レクサスの客層はそのライバルと目されるBMWとは大きな違いがあることが浮き彫りになっているわけですね。
それでも売れているレクサス、2024年は過去最高の販売実績
購買層の年齢や収入は他ブランドより低めではあるものの、レクサスの販売自体は絶好調。
2025年の第一四半期は前年比5.8%の成長を記録して過去最高の第一四半期販売台数を達成し、2024年もレクサス史上最高の販売年となっています。
「高齢」や「中所得層」だから売れない――そんな固定観念をレクサスは見事に打ち破っているのですが、もう一つ注目すべきは女性の購入比率。
レポートによると、レクサス購入者の50.4%が女性という結果を示していて、ラグジュアリーブランド全体の平均では40.6%だという結果が出ていることを鑑みるに、レクサスは女性人気が非常に高いことがわかります。※参考までに、BMWの購入者は61%以上が男性で、ラグジュアリーブランドのみではなく業界平均(59.1%)をも超える数値である
つまり、「ラグジュアリー=若くて金持ちな男性が乗るクルマ」というステレオタイプなイメージを見事に覆しているのが今のレクサスではありますが、レクサスのこの現状は「本当に価値があるクルマは、年齢や収入に関係なく選ばれる」ということの証なのかもしれません。
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参照:Motor1