ロックの殿堂入りを果たしたジョン・オーツはポルシェを愛する人だった。かつて手に入れ、そして手放してしまった911を探し続け、ついにネットオークションで再開する

｜　このポルシェ911を手放した後に後悔して探し続けるも長い間行方が分からず、しかしついに再開を果たす　｜

そしてこのポルシェ911は家宝として息子に受け継がれるという

さて、ぼくの人生の一部でもある「ダリル・ホール＆ジョン・オーツ」。

長身で白人そしてブロンドというダリル・ホールの影に隠れることも多かったのがジョン・オーツで、実際に「ヒットしてもまったくモテなかった」と語ったことも。

ただしライナーノーツによれば（ぼくはライナーノーツを読むのが大好きである）、年齢を重ねるごとに顔の輪郭がシャープになってモテるようになったといい、顔にコンプレックスのある男性に対して「顔は変わるから心配するな。そのうちモテるようになる」というエールを送ったことが記憶に残ります。

ジョン・オーツはポルシェの愛好家でもあった

そんなジョン・オーツですが、実はポルシェの愛好家でもあり、今回ポルシェが公式コンテンツとして「ジョン・オーツと一台のポルシェの物語」を公開することに。

まず、ポルシェによれば「ジョン・オーツとポルシェとの間には強いつながりがある」。

それはジョン・オーツが生を受けた1948年にポルシェ初のスポーツカーである356が誕生していることにはじまり、ジョン・オーツが5歳の時にはじめて見たポルシェ356によってポルシェに魅入られたこと、そしてその後の人生も常にポルシェとともにあったこと。

なお、今回のストーリーはポルシェが「美談になるよう」脚色したものではないと思われ、というのもかねてよりジョン・オーツは数々のポルシェ、とくに356のカスタムカーを披露しているから。

ただし幼少の頃目にして憧れていたポルシェを手にすることが出来たのはミュージシャンとして成功した後であり、その時に購入したのは911ターボだと語っています（ジョン・オーツは全米ツアーの際にもこのポルシェ911ターボに乗って移動し、アメリカを2周回ることになる）。

その後ジョン・オーツはポルシェ本社を訪れて911カレラ3.2を特別仕様にてオーダーすることになりますが、この際の仕様は「パールホワイトのボディカラーにブラックのフックスホイール、ダブグレーの内装」というもので、そのクルマでは将来の妻であるエイミーとドライブしたりと様々な思い出が作られることになります。

ただ、コレクションが増えてきた段階でジョン・オーツはその911カレラ3.2を手放してしまい、すぐさまそのことを後悔して買い戻そうとするものの、すでにその911カレラ3.2は行方がわからなくなってしまっており、しかし比較的最近になってオークションサイトにて自身の乗っていた911と思われるクルマを発見し、「匿名で」入札してみごと落札に成功したのだそう。

そして驚くべきは、この911カレラ3.2を所有していた人物が「殆ど乗らず、大事にガレージにしまっていた」ということで、そのためコンディションは非常に良く、ごくわずかなメカニズム的な修復のみで当時の性能を取り残すことに成功します。

現在このポルシェ911カレラ3.2はジョン・オーツとその妻であるエイミーにとって「私達の歴史そのもの」そして「家宝」だと表現されていますが、この他にも夫妻は1967年製ポルシェ911、そして964世代の911ターボ、最新のマカンを所有しており、これらのポルシェに乗ってポルシェのイベントに参加することがあるといい、50年の間で4,000万枚以上のアルバムを販売し、2014年にロックの殿堂入りを果たしたスターがひょっこりイベントにやってくると誰もが驚くことになりそうです（アメリカ人だと、まずジョン・オーツを知らない人はいないと思う）。

ジョン・オーツは「私にとって運転はセラピーなのです。 朝早く出て頭をすっきりさせます。 ラジオはなく、クルマのエンジンサウンドだけが聞こえる環境で運転するのがたまらなく気持ちいい」と語っていて、本当にポルシェ、そして運転が好きであるということがよくわかりますね。

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参照：Porsche