| ポルシェは現在ラインアップが多様化しすぎており、サブブランド化によって差別化を図るものと思われる |
そして「ターボ」はいつの時代もポルシェにとって特別な存在だった
さて、ポルシェにとって「ターボ」は特別な称号です。
それは電動モデルであってターボチャージャーを有しないタイカンのトップグレードに「ターボ」グレードが設定されていること、(GT3を除いて)全車ターボ化された911においても依然として「ターボ」という名称がフラッグシップのために残されていることからも明らかです。
そして今回、ポルシェは史上初めて「ターボ専用」カラーを持つクレスト、そしてバッジを採用すると発表しており、そのカラーとは(名称がカッコいい)「ターボナイト」。
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ポルシェは「ターボ」を特別な地位にまで高める
ポルシェによると、「ほぼ50年にわたり、ターボ モデルはポルシェで高い地位を占めてきました。 これらは際立って高いパフォーマンスを表し、すべてのモデル シリーズの縮図を表しています。 独自性を強調するために、ポルシェはその外観を再び研ぎ澄まし、ターボ モデルには、ゴールドの代わりに新しいターボナイトの色調を持つ、現代化された特別なバージョンのクレストが与えられることになります」。
「ターボナイト」は一見するとマットなメタリックグレーの色調を持ち、「豊作」を示すゴールド、「忠誠や勝利」をあらわすレッドが用いられないモノトーン。※「冷静さ、決断力」を示すブラックは残されている
なお、このカラーはエンブレムの他バッジ、そして内外装のディティールにも採用されるといい、その第一号となるのは11月24日にワールドプレミアされる新型パナメーラであることもアナウンスされています。
そして今回の「ターボナイト」導入に際し、(ポルシェのデザイン部門である)スタイルポルシェ副社長のミヒャエル・マウアー氏は以下のようにコメント。
1974年に、当社は最初のターボチャージャー付き911を発表しました。それ以来、ターボは当社の高性能トップモデルの代名詞となり、現在では多かれ少なかれ独自のブランドとなっています。 私たちは現在、ターボをさらに目立つようにし、GTSなどの他の派生モデルに対し、より顕著に差別化したいと考えています。これが、私たちが独特のターボの美学を開発した理由です。 今後、ターボバージョンは、すべてのモデルシリーズにわたって一貫した外観を示し、エレガントで高品質、そして非常に特別なものになります。
実際のところ、ポルシェの歴史は「(ロードカー、レーシングカーともに)ターボ」とともに進化してきたと言っても過言ではなく、それはターボチャージャーの搭載のみではなく、ターボ化によってもたらされた大パワー/大トルクを制御するためのサスペンションやタイヤ、ブレーキ、さらには冷却システム、その他諸々の技術の”必然的な進歩”がポルシェの成長と成功を支え、各モデルにその技術が波及することで全体的な底上げがなされたと捉えることも可能です。
今後、「ターボナイト」はターボモデルのみの識別点に
今回公開された画像を見ると「(機械式高級腕時計に用いられるような)サテン仕上げ」が採用されており、つまりカラーだけではなくその「質感」までを含めての”ターボナイト”ということに。
そしてポルシェによれば、このターボナイトは当然ながらターボモデル専用として用いられ、外装だとクレスト(エンブレム)、リアのレタリング(おそらくPORSCHE文字やモデル名)、デイライトオープニング(DLO)、およびサイドウィンドウモールにも採用されてゆくとのことで、モデルによってはフロントエプロンのインレイ、スポーク、ホイールにもこのターボナイトが用いられることになるのだそう。
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一方のインテリアだとステアリングホイール上のエンブレム、トリム ストリップやベルト、ストラップなどのインテリアコンポーネント、モードスイッチやエアコンコントロールパネル、さらにはフロアマットのコントラストステッチなどにも使用されるといい(モデルによって部位は異なる)、塗装以外でも染色等によってこのターボナイトが再現されるということになりそうですね。
なお、このターボナイト導入については、もちろんポルシェの言うとおり「ターボモデルの神格化」が主な要素だとは思われますが、副次的要素として「ターボモデルの利益率を向上させるため、より高価格で販売し、その価格を顧客に納得してもらう」という意図もあるんじゃないかと考えています。
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参照:Porsche