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シャオミが前BMWの伝説的デザイナー、クリス・バングルを雇い入れる。なぜ多くの実力あるデザイナーが中国を目指すのか

2024/01/19

シャオミが前BMWの伝説的デザイナー、クリス・バングルを雇い入れる。なぜ多くの実力あるデザイナーが中国を目指すのか

Image:X

| シャオミはBMWの「破壊的なデザイン」を好み、それを取り入れたいと願っているようだ |

中国の自動車メーカーはデザインによって「未来」を作ってゆこうという考え方を持っている

さて、BMWのデザインを大きく変革し、その後の(現在にまで続く)成功に導いたことでも知られるデザイナー、クリス・バングル氏。

同氏はBMWを離れた後に自身のデザインオフィスを構え、自動車以外にも様々な分野にて活躍を見せていますが、今回シャオミが公開した動画にも登場し、シャオミの車両デザインにも関わっていることが明らかに。

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つまりシャオミはBMWのデザイナーを招き入れて最初のクルマをデザインしたということになり、BMWの中でもとりわけ個性的な車両をデザインした李天元氏を獲得したこと、そしてさらには今回クリス・バングル氏を起用したところを見ると、シャオミのCEO、レイ・ジュン氏はBMWの中でも「奇抜な」部類のデザインに魅力を感じているのかもしれません。

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そして今回、レイ・ジュンCEOは「クリス・バングルがシャオミに加わる」という驚きの発表を行っているわけですが、クリス・バングル氏は今後、自身のデザインカンパニーを通じてシャオミへと様々な協力を行うことになりそうですね。

クリス・バングル氏は1980年代にオペルとフィアットにてデザイナーとして働いた後の1992年にBMWのチーフデザイナーへと就任し、7シリーズ(E65)や6シリーズ(E63)に代表される「バングルバット(バングル・アス)」を導入したことでも知られます。

「非常に」個性的なデザインを取り入れるために賛否両論が分かれた人物ではありますが、実際に販売が伸びたことは間違いなく、そしてこの路線が現在のBMWの「議論を呼ぶデザインを行う」という方針に繋がっているのだとも考えられます。

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なぜ多くのデザイナーは中国を目指すのか?

なお、シャオミに限らず、中国の自動車メーカー、そしてヒョンデやキアなど韓国の自動車メーカーは多数の(欧州州自動車メーカーで活躍する)デザイナーを引き抜いており、ミニのマーティン・ヒルデブランド、ロールス・ロイスのジャイルズ・テイラー、アウディのペーター・シュライヤー、ベントレー / ランボルギーニのルク・ドンカーヴォルケ、BMW / メルセデス・ベンツ / インフィニティのカリム・ハビブなどその名をあげると枚挙にいとまがないほど。

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こういった背景にはもちろん「中国や韓国の自動車メーカーが(デザイナーに)お金を積む」といった理由もあるかとは思いますが、なによりもデザイナーにとっては「制約なく自由にデザインができる」という事情があるからだと思われます。

たとえば欧州の自動車メーカーに在籍していると、その伝統を重視する必要があるために「こうでなくてはならない」「この要素を盛り込むように」「これはダメ」といった”縛り”が多いものと思われ、しかし韓国や中国の自動車メーカーはそういった伝統にとらわれず「これから歴史を作ってゆく」ためにデザイナーとして制約なく自身のクリエイティビティを発揮することができ、”仕事に対するダイナミズム””やりがい”が大きいのかもしれませんね。

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