| 2000年代はじめの「クリス・バングル期」はいったい何だったんだろうな |
とにかくこの頃のBMW製コンセプトカーは「突き抜けて」いた
さて、BMWは2000年代はじめに、チーフデザイナーとしてクリス・バングルを招き入れ、その結果として巻き起こったのがデザイン大論争。
現代のバーチカルキドニーどころの騒ぎではなかったと記憶していますが、今回BMWが自ら「2ドアのクーペスタイルを持つSUVコンセプトカー"ICE"」を公開しています。
これはX5をベースにクーペボディを組み合わせたものだそうで、ここでその内容を見てみましょう。
BMW施設内はなかなかに楽しそうだ
今回の動画ではBMWのスタッフ自らが車輌を紹介してくれることになり、しかしスタッフの後ろにある「BMWクラシック ボクサー・バー」という建物がたまらなく面白そうですね(行ってみたい!)。
その後は場所を移動し、カバーをかけられた2台のコンセプトカーが登場。
カバーを外すと奇妙なその姿を表します。
こちらのコンセプトカーは「新型7シリーズ」をイメージしたものだそうですが、今回はあまり触れられておらず、よって次の動画にて紹介されることになるのかも。
そして、この時点ですでに「バーチカルキドニーグリル」の面影があり、グリルが巨大化しつつあったということがわかります。
BMWは早い段階から「クーペSUV」を計画していた
そこで今回の主役はこのコンセプトカー。
とくに名は与えられておらず、しかし2004年に製造されたと紹介されています(おそらくこのデザインは6シリーズに継承されたようだ)。
横から見ると、サイドウインドウの面積がかなり小さく、スポーツカー的な印象すら受けることに。
このクーペSUV面白いところは、「(大きな車体にもかかわらず、ラグジュアリーではなく)アクティブなライフスタイル」をイメージしているということ。
たとえば、車体後部にはこんな感じでマウンテンバイクを搭載可能です。
ちなみにこの構造は「マルチアジャスタブル・リアウィンドウとドロップダウン・トランクリッド」というのだそう。
奇妙な形のウインカーも印象的ですが、ドアミラーに埋め込まれたライトは、アウトドアでの「ワークランプ」を意識しているのかも。
リアサイドウインドウには「ホフマイスターキンク」。
ボディは全体的に「フラッシュサーフェス化」されており、各パーツをボディに埋め込むというクリス・バングルの手法が発揮されています。
インテリアにはZ8的な雰囲気も。
BMWは2002年にも同様の雰囲気を持つコンセプトカーを製作していた
なお、BMWは2001年のデトロイト・モーターショーにて、このコンセプトカーに通じるデザインテイストを持つ「Xクーペ」を発表。
こちらは2002年に発売されたBMW Z4に強い影響を与えているようですね。
「Z9」でも同様でしたが、当時のクリス・バングルは「左右非対称」に強い興味を持っていたようにも思えます。
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もちろん今回動画に登場するコンセプトカーが実際に発売されることはなく、しかしBMWは2007年にクーペSUV「X6」を発表しているので、このコンセプトカーがなんらかの役割を果たしたことは間違いなさそう。
ただ、X6では「アウトドア風味」という要素が排除されてラグジュアリーカー的側面が強調されていますが、それがまた成功につながったのかもしれません。
BMWが奇妙なコンセプトカーを紹介する動画はこちら
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