| iXはこれまでのiシリーズのイメージを引き継ぎつつ、うまく次世代につなげたようだ |
さて、BMWが予告通り「iNext改め」、新型iXを発表。
コンセプトモデルだったiNextに比較するとずいぶんシャープに、そして現実的なデザインを持つに至っており、カラーリングによってはこれまでのi3やi8につながるイメージも。
反面、ヘッドライト内部の発光グラフィックはi3やi8とは大きく異なり、しかしCピラーの「ストリームフローライン」については、iXにも継承されるに至っているようですね。
BMW iXのプラットフォームは新設計
なお、このiXのプラットフォームは新設計だとされ、しかしその構造や素材は不明。
i3/i8はサステイナブル素材としてカーボンファイバーを採用していましたが、それがコスト高にもつながっていたため、iXではアルミもしくはスチール、もしくはそれらの複合素材なのだと思われます。
そしてこのiXについては高いレベルの自動運転(現在は市販に向け開発を継続している段階で、詳細は明らかにされていない)、そしてデジタルサービステクノロジーをもち、搭載されるコンピューターの演算能力は既存BMWの約20倍を誇る、とのこと。
採用されるエレクトリックパワートレーンは「第五世代」となり、iXには2つのエレクトリックモーターが搭載され、あわせて500馬力を発生。
0-100km/h加速は5秒、そして一回の満充電あたり走行可能距離は600キロ(WLTP)にも達するとアナウンスされています(これら数値はいずれも開発段階のもので、市販時には向上が見込まれている)。※生産開始は2021年央以降を予定
iXのデザインは最新のデザイン言語を反映
iXのボディサイズはX5やX6に近いとアナウンスされており、つまりは相当に大柄なSUV。
ただしBMXのガソリンエンジン搭載モデルとは異なるイメージを演出するためか、丸みよりもシャープなラインを用いてデザインされているようですね。
BMWはこのiXについて、「我々がどのようにテクノロジー、そして情熱を視覚化できるかを体現している」と述べ、イメージとしてはクリーンそしてシンプルさを追求した、と語っています。
フロントグリル内部には自動運転関連デバイスを内蔵
フロントグリルはお馴染みの「巨大バーチカルキドニー」ですが、すでにこれに慣れてしまい、むしろ「このサイズのグリルがないと物足りない」と思える自分がいるのがちょっと恐ろしい、とも思います(内部にはカメラ、センダー、レーダー類を内蔵している)。
ヘッドライトは細く、これによってグリルの大きさをさらに強調しているように見えますね。
フロントバンパー内の左右エアインテークも独特の形状(ただしほかモデルとも共通する、縦に長い三角形をモチーフにしている)を持っており、「i」ブランドとしての主張を強めている模様。
そしてブラックのアクセントが多用され、フロント、サイド、リアアンダーにこれらが用いられていますが、このあたりは微妙にi3を連想させる部分です。
BMW iXのインテリアは「くつろげる」ことを優先
そしてこちらはBMW iXのインテリア。
エクステリア同様にシャープなデザインを持ち、効果的にゴールドのアクセントを用いることで高級感を演出しているように感じます。
正面の大型ディスプレイは「カーブ液晶」。
そしてこのディスプレイの保持方法はけっこう斬新。
ステアリング上部は水平にカットされていますが、これはBMWいわく「前方視界の確保と、ディスプレイを見やすくするため」。
そのほか、グラスエリアはかなり広く、見晴らしが良さそうですね。
見る角度によっては、ドアインナーパネルとセンターコンソールに設けられた「斜めの切り返し」がシンクロするという小ワザも見られます。
後席はなかなかに広そう。
インテリアの素材は環境に配慮
上述の通りシートはなかなかに斬新なカッティングを持っていますが、張り材はエコそして環境負荷の小さな素材を使用しているように見え、つまりレザーのように動物に負担をかけない自然由来の素材、そして再生素材を使用しているのだと思われます。
センターコンソールにはウッド、そしてスワロフスキーにゴールドアクセント。
自動車の内装において、高級感を演出する手法は主に「レザー」「メッキ」ではありますが、これらは地球にかける負荷が大きく、よってBMWはiブランド立ち上げ当初からこれらを極力排除しており、そのためか「(とくにi3では)内装が安っぽい」と言われたことも。
おそらく「スワロフスキー」「ゴールドアクセント」はその過去を踏まえた、最新の対策なのでしょうね。
参照:BMW