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中国よりトヨタ FJクルーザーとランドローバー・ディフェンダーのマッシュアップのような「iCAR V23」発表。若い世代にアピールするオフロード特化型電気自動車

中国よりトヨタ FJクルーザーとランドローバー・ディフェンダーのマッシュアップのような「iCAR V23」発表。若い世代にアピールするオフロード特化型電気自動車

| 多くの中国の自動車メーカーは「パクリ」から脱しているが、一部はまだ他社製品の模倣を平気で行っているようだ |

そして一部自動車メーカーの「パクリをアレンジするスキル」も大きく向上しているもよう

さて、中国の奇瑞汽車(Chery)が「iCar V23」なるクルマを先行公開。

これはCheryとZhimi テクノロジーとが共同にて開発した最初のクルマで、iCar 03に続く「iCarとして2番目の」量産モデルですが、若い消費者をターゲットとしたピュアエレクトリックSUVとして位置付けられており、4月12日に正式発表され、2024年後半から納車が開始される予定となっています。

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見た感じはトヨタ FJクルーザー+ランドローバー・ディフェンダー

画像を見ても分かる通り、このiCar V23はトヨタ FJクルーザーとランドローバー・ディフェンダーとのマッシュアップといった感じですが(i CARというネーミングなど、突っ込みどころが多い)、この奇瑞汽車は創業時から日米欧の自動車メーカーのデザインを模倣することで知られており、それを指摘されると「クルマはタイヤが4つついているという構造上、どれも似たようなデザインになるのは当然である」と開き直ったことも。

ただ、そういった「コピーあるいはパクリ」については中国市場でも敬遠されるようになり、現在では多くの中国の自動車メーカーが独自デザインを採用するようになっているのですが、比較的大手の中ではこの奇瑞汽車、そして長城汽車と北京汽車がいまだに「模倣」を行うことが多いように思えます。

Chery_iCar_V23 (3)

もう一方のZhimiテクノロジーについては、スマート家電を設計・開発するハードウェア会社として2014年6月に設立され、シャオミのエコロジーチェーン企業の1つとして機能しており(「Xiaomi エコロジカル チェーン」は、親会社シャオミが所有する企業の集合体)、Zhimi テクノロジーは、エアコン、空気清浄機システム、加湿器、電気ヒーター、ファン、空気検知器、スモッグ防止マスクなど幅広い製品を供給しています。

2021年頃にはGMアジア地域の電気自動車プロジェクト元責任者がZhimiテクノロジーに参加したと報じられ、ここで”小規模な”車両事業部が結成されることとなりますが、さらに北京汽車が加わったのちに車両開発が加速することになり、Zhimiテクノロジーは製品定義、計画、エンジニアリングを担当し、奇瑞汽車は製造、サプライ チェーン、販売、配送、アフターセールスを担当しているとも報じられ、両社は今後もこのパートナーシップによる製品の開発を継続し、3年間で6~8台の車両を発売する予定なのだそう。

Chery_iCar_V23 (4)

このiCar v23 はオフロードを念頭に置いて設計されており、シングルモーター(後輪駆動)とデュアルモーター(四輪駆動)というラインアップを持ち、バッテリーパックはCATLからの供給、そして一回の満充電あたり航続距離は400km~500km。

なお、中国製EVが「安価」に提供される理由としては、国から支給される補助金のほか、「車両製造にかかわるパーツのほとんどすべてを自国内のサプライチェーンでまかなえる」ことが大きく関係しているものと思われ、中国の自動車メーカーが「仲間内から安くパーツを仕入れることができる」のに対し、日米欧の自動車メーカーはそのサプライチェーンから締め出しを受け、「割高な価格で仕入れざるを得ない」という実情も。

ここがフォルクスワーゲンやステランティスが「欧州の自動車メーカーは手を組んで、自前のサプライチェーンを構築する必要がある」と語る理由でもあり、そしてそれ以前の対策として「中国の自動車メーカーと手を組む(中国のサプライチェーンの中に組み込まれることを意図している)」ワケであるとも考えられます。

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Chery_iCar_V23 (2)

そのほか、このiCar V23に関する情報だと、ボディサイズは全長4,220ミリ、全幅1,915ミリ、全高1,845ミリ、ホイールベースは2,730ミリ、アプローチアングル43度、デパーチャーアングルは41度、最低地上高は(4WD版で)212ミリだという数字が公開済み。

インテリアでは、四角と円とを組みあせたユニークなデザインを採用し、インフォテイメントシステムにはクアルコム製スナップドラゴン8155 チップの採用、先進運転支援システムの搭載など、(当然ながら)中国で好まれる要素を多数盛り込み、消費者にアピールしているようですね(他社人気モデルの外観を取り入れてアレンジし、さらにそこへ中国市場が求める要素を付加しているので、事実として魅力的な製品に仕上がっていることは間違いない)。

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参照:Car News China

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