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韓国キアが元BMW / ベントレーのデザイナー、ジョン・バッキンガムを獲得!なぜ著名デザイナーは韓国や中国の自動車メーカーへと移るのか?

2023/06/15

韓国キアが元BMW / ベントレーのデザイナー、ジョン・バッキンガムを獲得!なぜ著名デザイナーは韓国や中国の自動車メーカーへと移るのか?

| ヒョンデとキアの「フォルクスワーゲングループとBMW出身者比率」はハンパない |

それだけフォルクスワーゲングループとBMWでは「活躍の場が少ない」のかも

さて、韓国の自動車メーカー、ヒョンデとキアは多数の大物デザイナーを引き抜くことでも知られており、ランボルギーニやベントレーでチーフデザイナーを務めたルク・ドンカーヴォルケ、ブガッティ・シロンをデザインしたサシャ・セリパノフ、ランボルギーニ・アヴェンタドールとウラカンをデザインしたフィリッポ・ペリーニ、その他アウディやBMWからもトップレベルのデザイナーを獲得しています。

なお、とくにフォルクスワーゲングループとBMWグループからは多数のデザイナーを引き抜いており、BMW Mのチーフ・エンジニアであるアルバート・ビアーマンや、デザイナーのヨッヘン・パエセン、ウォン・キュ・カン、カリム・ハビブ、ピエール・レクラルクといった面々もヒョンデもしくはキアへと移っていますね。

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今回はBMW、ベントレーに在籍したジョン・バッキンガムを獲得

そして今回報じられているのが、BMW デザインワークス USAのクリエイティブ・ディレクターを務めていたジョン・バッキンガム氏がキアのエクステリア・デザイン部門に加わるということ。

ジョン・バッキンガム氏はキャリアの約半分に相当する13年をBMWで過ごしていますが、2017年のコンセプト8シリーズをデザインしたことでも知られており、しかし2018年にはベントレーへと移り、その後2022年にはファラデー・フューチャーへと活躍の場を求めていますが、キアでは「キア・ネクスト・デザイン・エクステリア・グループ」のヘッドとして、キアの「新世代」モデルのアウターデザインを担当すると報じられています。

なお、ジョン・バッキンガム氏はファラデー・フューチャーでの手腕を買われたのか、キアがこれから電動化へと向かうに際しての新世代デザインを担当することになるもよう。

今回の移籍に関し、同氏は「私は、キア・ネクスト・デザイン・エクステリアグループに参加することを大変光栄に思い、興奮しています。私は、キアの優秀なデザインチームと協力して、ブランドの先進的なデザイン哲学である”Opposites United”をさらに明確化し、このアプローチを次世代のキアのクルマのエクステリアに適用することを楽しみにしています。私たちは、非常に印象的な現行製品をベースに、次世代のデザイン表現に取り組んでゆくことになります」とコメントしており、近いうちに同氏がデザインしたクルマを見ることができるかもしれませんね。

なぜ大物デザイナーが次々韓国や中国の自動車メーカーへと移るのか

なお、ヒョンデやキアといった韓国の自動車メーカーに加え、中国の自動車メーカーもまた大物デザイナーの獲得に注力しており、たとえば紅旗はロールス・ロイスのチーフデザイナー、ジャイルズ・テイラー氏を獲得済み。

そのほかにも様々なデザイナーが様々な中国の自動車メーカーへと移っていますが、常識的に考えると「欧州の有名自動車メーカーにて築いたポジションを捨ててまで中国の自動車メーカーに移る理由」はあまりないようにも感じられます。

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もちろん大金を積まれているのだとは思われますが、いつ放出されるかもわからず、その(中国の)自動車メーカーもいつなくなるとも限らない中で、いったん中国へ移ると、そこからまた(何かあったときに)欧州の大手自動車メーカーへと戻ることは叶わないかもしれません。

ただ、それでも彼らが韓国や中国の自動車メーカーへと移るのは「自由にデザインをやらせてもらえるから」だといわれていて、たとえば欧州の自動車メーカーは「伝統」がありデザイン的制約が多いとされ、なかなか新しいチャレンジができないといった事情があるもよう。

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加えて、自動車開発においてはコストが非常に重要視され、「あれもできない、これもできない」ということが多かったり、さらには世界各地の(そのメーカーの)デザインオフィスとの共同作業によってどんどん自分のアイデアが希薄化したりすることもあり、つまりは自分の存在意義に疑問をいだくことも多いのかもしれません。

反面、韓国や中国の自動車メーカーだと、伝統といった縛りもなく(伝統そのものがないので)、そして「デザイン」をもっとも重要な武器だと考えているために(中国の自動車メーカーからすると、機能で日米欧の自動車メーカーの製品を越せることはできず、そこに投資するよりも、デザインに投資したほうが競争に勝てる可能性が高い)新しいことに挑戦させてくれるといった環境があり、自分の腕を試したいデザイナーにとって、中国の自動車メーカーからのお誘いは「渡りに船」である可能性が高いのだとも思われます。

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参照:Ansa.it

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