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やはりケーニグセグのクルマは非常識の塊だった。創業者自らがジェメラの機能について紹介するも、その内容は驚きの連続でしかない【動画】

2023/08/27

やはりケーニグセグのクルマは非常識の塊だった。創業者自らがジェメラの機能について紹介するも、その内容は驚きの連続でしかない【動画】

| ケーニグセグのクルマも速いが、その開発スピードもとんでもなく速かった |

そして思いつきを実行ししてしまう行動力がまたスゴい

さて、自動車業界初の「4人乗りハイパーカー(ケーニグセグは”メガ・カー”と呼ぶが)」ジェメラの詳細レビューがYoutube上へと公開。

これは英国のイケメンユーチューバー、Mr JWW氏がケーニグセグ創業者、クリスチャン・フォン・ケーニグセグとともに車両を紹介するもので、知られざる開発秘話も含まれています。

ケーニグセグ・ジェメラそのものは2020年に発表されており、開発が完了した後の今年7月に「発売」されていますが、その際には当初の計画になかった「V8エンジン搭載」というオプションが追加されています。

ケーニグセグ・ジェメラの生産工場が完成しいよいよ製造開始。なんと1,700馬力を2,300馬力にパワーアップするOPを5700万円で提供、エンジンは3気筒からV8へ
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ケーニグセグ・ジェメラはもともと「3気筒エンジン」搭載が前提だった

このジェメラはもともと3気筒エンジン+ハイブリッドというパッケージングにてデビューしており、リアミッドに積まれる3気筒エンジンは(プロペラシャフト経由で)フロントタイヤを駆動し、エレクトリックモーターは後輪へとトルクを送るという非常に珍しい構造を持っていますが、この時点での出力は「1,700馬力」。

【動画】ケーニグセグ・ジェメラは「ミッドエンジン・フロントドライブ」!エンジンは後ろにあるのに後輪を駆動するのは電気モーター

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ただ、その後(ちょうど12ヶ月前)クリスチャン・フォン・ケーニグセグはこのジェメラにV8が入らないかどうかと”ふと”思いつき、そこでまずコンピューター解析にて「なんとか収まりそう」という答えが出たことから実際にこの難題の解決にチャレンジすることに。

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しかし「ツインターボ」がリアのサブフレームに鑑賞することが判明し、そこでターボチャージャーをVバンク内側に収めるホットVレイアウトに変更したほか、新しいシリンダーヘッドを鋳造し、新設計のインテーク、インタークーラー、そして排気システムを開発することになったのだそう。

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さらにはクォークeモーターの発展形であり、自動車業界初の6相エレクトリックモーター「ダークマター」を完成させることでエレクトリックシステム全体のコンパクト化に成功しており、さらにこのモーターは重量わずか38kgしかないにもかかわらず800馬力を発生すると説明されています(このエネルギー効率はガソリンエンジンではとうてい実現できない)。

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加えてトランスミッションについても見直され、もともと搭載が検討されていたライトスピード・トランスミッションは「ライトスピード”トゥールビヨン”トランスミッション」へと進化することになり、こちらもその形状が変更されることでドライブトレーンのコンパクト化に成功することに。

つまり2リッター3気筒エンジンから5リッターV8ツインターボへと置き換えたほうが圧倒的に省スペース化が実現できたうえ、空いたスペースを利用して115リットルサイズの大きなガソリンタンクを搭載したことにより1,000キロの航続距離を達成できたという”おまけ”までもがついてきたわけですね。

さらに驚くべきは、システム合計出力が1,700馬力から2,300馬力 / 2,750Nmへとアップして量産車最強スペックを達成したという事実であり、とんでもないクルマがここに誕生することとなっています。

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さらにはトランクスペースまでもが拡大される

ただしクリスチャン・フォン・ケーニグセグのクリエイティビティはここでとどまらず、リアのラゲッジスペースにまでも改良の手が入るのですが、もともとジェメラには「4人分の」つまり4つのスーツケースを積むことを前提に(3気筒エンジン時代から)設計されており、V8以前のレイアウトだと「フロントに1つ、リアに3つ」。

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ただしV8エンジンを積むジェメラでは「リアに4つ」のスーツケースを積むことが可能となっていて、これを実現したのは「リアクラッシュ構造をカーボンファイバーで製造する」という手法。

これによって(おそらくはレインフォースメンバーなどが不要になったため)大幅にスペースの節約ができ、さらには衝突によるエネルギーを分散させることが可能になったといいますが、たった1年でエンジン、エレクトリックモーター、車体構造まで変更してきたことには驚かされます。

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兎にも角にも、こんな感じでリアのトランクスペース内にはスーツケースが4つ収まることとなったわけですね。

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なお、開口部は(ボディ剛性確保のためか)結構狭いのですが、その奥がかなり広くなっているもよう。

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実際のところ、Mr JWW氏の体もすっぽり収まり、ハッチを閉じることもできるほど(まるで手品を見ているかのようだ)。

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ちなみにスーツケースのキャスターはジェメラのホイールと同じデザインを持っています(コマの中央にはラバーが巻かれて静音仕様となっている)。

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こちらがジェメラのホイール(かなり肉抜きされている)。

参考までに、ホイールをオプションのカーボンファイバーへと変更すると、スーツケースのキャスターもカーボンファイバーホイールと同じ仕様となるのだそう。

こういったところを見るに、クリスチャン・フォン・ケーニグセグ自身も楽しみながらクルマを作っているということがわかり、だからこそここまで「こだわる」ことができるのかもしれません(以前、ケーニグセグが求人をかけたとき、”自分の手を油で真っ黒に汚すようなやつが欲しい”と言っていた)。

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そしてリアにスーツケースを4つ収めることができるようになったため、フロントにスーツケースを収める必要がなくなり、そのフロントを有効活用すべくSダクトを追加してダウンフォースを稼ぐなど、とにかく「1ミリたりとも無駄にしない」のがクリスチャン・フォン・ケーニグセグ流。

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もしこれだけの収納スペースをもってしても「不足」がある場合、(今回の動画では実物の紹介はありませんが)ルーフに専用ラックを装着することもできるといい、このラック(おそらくジェットパック)は時速300キロまで耐えることができる、とのこと。

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そのほか今回の動画では6度から50度まで温度を変更できるカップホルダーや・・・。

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さらに快適性が増したインテリアも紹介。

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とにかく今回の動画は見どころ満載で、こういった細部に至るまでの配慮がケーニグセグのクルマを特別なものとし、そして非常に高い流通相場を形成する理由たりうるのだということがわかりますが、よくこんな奇想天外な発想ができるものだとも改めて思わされます(ケーニグセグのクルマは常識外れの塊である)。

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クリスチャン・フォン・ケーニグセグによれば「今後6−8ヶ月かけてプリプロダクションモデルを製造し、最終のテストを行った後、顧客への納車が2025年から開始される」とのこと。

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クリスチャン・フォン・ケーニグセグが自らジェメラを紹介する動画はこちら

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参照:Mr JWW

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