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ホンダS660に試乗。「軽」とは思えない抜群の安定感とコーナリング速度がいい感じ

投稿日:2015/06/14 更新日:

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ホンダS660に試乗。
現在S660は大変な人気で試乗車の配備も追いつかず、長いウエイティングリストに名を連ね、ようやく順番が回ってきたわけですね。

さて、実車ですが「小さい」の一言。
幅や長さは通常の軽自動車とさほど変わりませんが(軽自動車の規格は1475×3395ミリ)、車高が低く、それがいっそうこの車を小さく見せています。

なお、S660の全幅は3395ミリ、全長は1475ミリと軽規格ギリギリ、そして全高は1180ミリ。
参考までにウラカンはS660の全高よりもさらに15ミリ低く、どれだけウラカンが低いかが分かります。
(実際に駐車場にてウラカンとS660を並べましたが、横に幅があるぶん、やはりウラカンのほうが”平べったい”印象はある)

S660の外観についてはフロントにもう少し凝った造形がほしいと思いますが、衝突安全基準、そして軽自動車の規格を考えると、これが「できるギリギリ」なのかもしれません。
もうちょっとフロント先端が低く、もうちょっとフロントウインドウが前に出て、かつ寝ていると(つまりウインドウの前後が長く)素晴らしいスタイリングになったのに、とは思います。

反面、シートから後ろは非常に素晴らしく、ヘッドレスト後方の盛り上がり(リアフード)、テールランプ等のデザインはスポーツカーを通り越して「スーパーカー」と言えるほどの斬新さ、排他性を感じさせます。
タイヤもけっこう外に出ていて、日本車らしからぬ「ツライチ」度も気分を盛り上げますね。

S660は典型的なミドシップカー的デザインといえますが、ホンダは昔から(プレリュードやインテグラなど)「ウエッジシェイプ」に強いこだわりを見せており、S660においてもそのこだわりが再現されているということになります。

室内についてはほぼ収納スペースがなく、シート後方にも何も載らないと考えて良いでしょう。
ここはポルシェ981ボクスターと似たようなものですね。
インテリアは最近のホンダが得意とする未来を感じさせるもので、メーターはデジタルとアナログとを組み合わせたもの。
メーター指針がメーターの外側を移動するのもホンダの得意技で、PCXにも採用されている手法です。

なお、試乗車はMT。
軽自動車という比較的非力な部類に属する車なのでやはりMTが好ましいと考えており、開発陣がこだわったのがシフトフィーリングということなので、ぼくとしてもMTの試乗車を探し、試乗を申し込んだという経緯があります。

シートは見るからにすわり心地が良さそうな肉厚タイプ。
最近の国産車はどれもそうですが、座面の肉厚を大きく取り、体が沈み込むように作っているものが多いですね(トヨタ、マツダにその傾向が強い)。
シート表皮はこれもホンダがよく採用するラックススエード(アルカンタラのような人工スウェード)。

ルーフは「巻取り式」という珍しいもので、左右から巻きずしのようにルーフを巻いて行く、というもの。
かなり割りきったルーフ(トップ)と言ってよく、このあたりはさすがホンダと喝采を送りたいところ。これを開閉式にしていたらこのS660のシルエットは実現しなかったでしょうし、重量も嵩んでいたと思います。
そしてその畳んだルーフはフロントフード内に収まりますが、これを入れるとフロントフード内には「何も入らなくなる」と考えて良さそうです。
※このルーフは非常に簡素なもので、いたずらには気をつける必要があるかもしれない

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さて、室内乗り込みますが、もちろん相当にタイト。
それでも足元はさほど窮屈ではなく、問題なくペダルを操作できる空間があります。

クラッチを踏み、プッシュボタンを押してエンジンをスタートさせますが、これは思いのほか静か。
嫌なエンジンの振動もなく、快適と言えるでしょう。
さっそくスタートさせますが、非常に厚いトルクのおかげで、エンストの心配もなくスルスルと車を動かすことが可能(エンストが怖くてアイドリングスタートは試していませんが、このぶんだと問題なくできるかもしれない)。

クラッチはけっこう手応えがあり、先日試乗したマツダNDロードスターよりも重く、ストロークも深い印象。
以前に乗っていたグランドシビックよりも重く、深いように思います。
クラッチがつながる範囲がけっこうシビアなように思われ(ストロークが長いのにクラッチとミートする幅が狭い)、多少の慣れが必要っぽいですね。
シフトフィールもけっこう重く、「操作している」感があります(手首だけで決まるという感じではなく、腕ごと動かさないと入らないほどの重さ)。

このあたりホンダの「真剣さ」を感じさせるもので、適当に操作して適当に車を走らせるというイージーさは感じられず、MTの場合はしっかりドライビングポジションを合わせる、もしくはもっとホールド性の高いシートがあったほうが良いかもしれません(車がわりと本気の操作を求めているように思う)。

内装については特に目新しさはないのですが、一旦走り出すと運転が面白くてメーターや室内を見る暇がないので、ここにお金をかけなくて正解だったのかもしれません(シビック・タイプRもそうですが、走り出すと内装をほぼ見る間もなく運転に集中してしまう)。

アクセルを踏み込むと、660ccとは思えない加速を見せ、直進性も問題はなく、車体サイズからすると想像できないほどの安定性がありますね。
加速していってもエンジンの音がうるさく響くこともなく、不快な振動が発生することもなく、このあたりいかにスポーツカーといえどもしっかりと快適性は確保できているようです。
トップはいささか心もとないように感じていましたが、実際に走ってみても十分な遮音性を持っているようですね。

ステアリングもちょっと重めで、S660の操作系はすべからく「重め」になっているという、現代の車(操作系が軽い)の方向性とは反するところもありますが、そこがホンダの考える「スポーツ」なのだと思います。

しばらく走行しましたが、加速や減速、ハンドリング共に非常に優れたものを持っており、それは軽という枠を大きく超えるように思います。
不整路での路面追従性やショックの吸収、安定した挙動などは高く評価できると思います。
サスペンションもダンピング、スプリングレートともバランスの優れたもので、乗り心地が良いと言って良いでしょうね。
気持ち悪い挙動や不自然な挙動はなく、極めて人の感覚に近い自然でスムーズな動きができるという印象を受けました。

おもいっきり加速しても、ある程度の速度でカーブに侵入しても挙動は安定しており、余分なことに気を遣わずにアクセル、ブレーキ、ステアリングの操作に集中でき、それらの操作=入力に対して適切な出力を行える車であり、「まったく不足のない」車といえますね。

なお、S660にはAHA=アジャイルハンドリングアシストが装備されます。
これはどういったものかというと、コーナリング時に内輪にブレーキを掛け、相対的に外側の車輪に伝わるトルクを大きくするもの。
レジェンドや新型NSXに搭載されるSH-4WDは前後のみではなく左右にもアクティブにトルクを配分しますが、S660のそれはパッシブ型とも言えます。
なお、これは最近の欧州車によく見られ、とくにVWアウディの車によく見られる装備でもあります。
作動しているという印象は受けませんが、あのコーナリングスピードを考えると、おそらくドライバーが気づかないレベルで動作しているのでしょうね。

ただし標準装備タイヤであるADVANネオバのグリップによるところもけっこう大きいと思われ、タイヤが擦り減ってきたとき、そしてウエットでの走行でどのような挙動を示すのかはちょっと興味のあるところ。
ホンダの車は一般に、タイヤに性能を依存しているところが大きく、過去のスポーツモデルに比べてどう進化したのか、は知りたいと思います。

エンジンについて、多くの試乗レポートでも触れられていますが、軽自動車の出力自主規制枠(64馬力)に納めるため、意図的に高回転域が制限されており、4000回転以上はなんとなく「詰まった」ような吹け上がりです(これは法的規制ではなく自主規制なので、ホンダには規制を超えるだけの気概を見せて欲しかったのが正直なところです)。
ただ、これはリミッターを解除すれば良いだけと思うので、すぐにどこかのアフターパーツメーカーがこれを解除するとともにブーストアップし、100馬力程度は簡単に出してしまうと推測します。

車格的には異なりますが、ちょうど良い比較対象はマツダNDロードスター。
ホンダS660は軽、NDロードスターは1.5Lと差はありますが、S660はオプション価格が高いので、なんだかんだオプションをつけているとNDロードスターに近い価格にまで上がります。
かつ、国産のオープンスポーツというと、やはりこの2台は競合するところかもしれません。

ドライブのイージーさ、おおらかさではNDロードスターに軍配が上がります。
操作系が軽く、神経質なところがないので、気兼ねなく乗りやすいのはやはりNDロードスター。
対してホンダS660はスイートスポットが狭く操作系が重いので、ある程度「今日は運転する」というある種の気合が必要であるように思います(ただしS660のATに乗ったことはないのでATはどんな感じなのかわからない)。
また、軽自動車自体にもあまり親しんでいないので、S660を正しく評価するには、ダイハツ・コペン等の軽自動車にも乗ってみる必要がありそうです。

最後にS660の気になったところ。
多くの試乗レポート、レビューはS660についてベタボメで、ほぼ否定的な意見を見かけません。
各メディアはホンダから記載内容について制限を受けていることが容易に想像できますね。

まずぼくが気になったのはボディ剛性で、踏切など連続する段差を越えると大きくシェイクされる印象があり、車内のあちこちが盛大に音を立てることに。
フロアが捩れているのが確実にわかり、ステアリングもシェイクされる印象があります。
完全に車の前半分と後ろ半分が別々に動いているのがわかり、ここは問題ですね。
現在はまだ発売されていないようですが、このあたり、いずれ出てくる補強パーツは必須かもしれない、と感じました(できればフロアをX状に補強するもの)。

ホンダとしてはボディ剛性については相当な注意を払ったとしており、前後V字ブレースの採用等によってS2000以上の剛性を確保としていますが、双方乗った感じでは到底S2000には及ばないように思います(S2000はセンタートンネルが異常に太く高いが、S660のスケルトンを見ると結構細く低い)。
フロントバルクヘッドもやや剛性が不足しており、ハンドルが根本から揺すられるような印象も。
軽自動車そしてそのエンジンパワー(大きすぎないということ)を考慮しても、ぼくにとって許容できないところではあります(一部メディアはこれでサーキットを走行しても十分なボディ剛性が感じられたとしているが、それは提灯記事か、試乗した車がメディ向けのスペシャル仕様であったかのどちらか)。

次いで収納スペースで、これは「割り切り」しか解決方法が無いのですが、2名乗るとバッグを置く場所すら無く、冬場に分厚い服を着ていてもそれを脱いでどこかへ置くこともできないので、ここは購入前に(自分のライフスタイルに合うのか)シミュレーションが必要ですね。

その他気になるのは「ヒルスタートアシストがついていない」こと。
軟弱だと言われるかもしれませんが、余計な心配事無く、楽しく運転するには必須だと思うのですね。
よって坂道でストレスを溜めたくない場合はATを選択するしかなさそうです(これはNDロードスターも同じ)。

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<ホンダS66のスペック>

ボディーサイズ:全長×全幅×全高=3395×1475×1180mm
ホイールベース:2285mm
車重:830kg
駆動方式:MR
エンジン:0.66リッター直3 DOHC 12バルブ ターボ
トランスミッション:6段MT
最高出力:64ps(47kW)/6000rpm
最大トルク:10.6kgm(104Nm)/2600rpm
タイヤ:(前)165/55R15 75V/(後)195/45R16 80W(ヨコハマ・アドバンネオバAD08R)
燃費:21.2km/リッター(JC08モード)
価格:218万円/テスト車=218万円
オプション装備:なしテスト車の年式:2015年型
テスト開始時の走行距離:1381km
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(2)/高速道路(5)/山岳路(3)
テスト距離:446.3km
使用燃料:31.8リッター
参考燃費:14.0km/リッター(満タン法)/15.3km/リッター(車載燃費計計測値)

これまでの試乗レポートは下記のとおり。
最新の試乗レポートはこちらにあります。

関連投稿:ホンダS660の試乗予定について。5月~6月上旬は予約いっぱい

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ホンダS660の試乗予定。
現在ディーラーと調整中ですが、土日のいい時間帯は予約がいっぱいで、なかなか予定が合いません。
今のところ6月第二週までは試乗予約がびっしり入っているとのことで、それ以降の試乗になりそうです(納期もかなり長いということで、S660には関わりたくない、という消極的な態度)。

なお、実車は展示されているので見ることが出来るのですが、「小さい」と最初からわかっているものの、実車を見るとそのコンパクトさには驚かされます。
デザインどうこう、というよりもその小ささは非常に衝撃的で、(デザイン、サイズなど)車を見て驚いたのは久しぶりですね。

S660の全高は1180ミリで1200を切っており、フェラーリ458イタリアよりも低い車高で、さらにマクラーレン650Sの1199ミリよりも低い数値。
ちなみにランボルギーニ・ウラカンは1165ミリなので、S660よりも15ミリ低い車高ということになります。

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  • この記事を書いた人

JUN

興味の範囲が広く、猫、小説、映画、音楽、腕時計、クルマなど。 酒、タバコ、ギャンブルは一切しません(ある意味では自分の人生そのものがギャンブル)。 いま欲しいクルマはアルピーヌA110。

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