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現存するのは世界に2台。打倒フェラーリのために作られた、フォードGT”ロードスター”が競売に登場

2019/01/01

実際に1965年のル・マンに出場し、なんとその後2オーナー

5台のみが製造され、そのうち現存するのは2台のみと言われるフォードGTロードスター。
今回、その二台のうちの一台がオークションに登場する、と発表されています。

このクルマの正式名称は「フォードGTコンペティション・プロトタイプ・ロードスター」で、製造は1965年。

フォードGTは「打倒フェラーリ」のためだけに作られた

なお、フォードGTの歴史は1964年に始まりますが、これは「打倒フェラーリ」がそのきっかけ。
当時フォードはアメリカ国内での販売を有利にするためにスポーツイメージを強めたいと考えていて、そのためにフェラーリの買収を画策。

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当時フェラーリはちょうど財政状態が芳しく無く、創業者のエンツォ・フェラーリもこの話に乗って買収の段取りを進めることになりますが、なぜか契約の土壇場でこれを撤回(いまだもってその理由はわからない。エンツォ死した今、これは永遠の謎)。
これに怒ったフォードはル・マンにてフェラーリを打ち負かすべく、「フォードGT計画」を発動させることに。

ただ、フォードは当時レーシングカー製造に慣れていなかったのか、1964年の「マークⅠ」はポテンシャルが高かったものの結果を残せず、1965年からシェルビーがこの開発を引き継ぐことに。
このあたりの流れはマット・デイモン主演で映画化されるようですが、とりあえず1965年には全車リタイヤを喫しています。

この「シャシーナンバーGT/109」もル・マンに参加した一台だとされ、しかし11周を走ったところでギアボックス不調によってリタイヤすることになった、という記録が残っているようですね。

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翌1966年にはフォードGTが歴史的な1-2-3フィニッシュを果たしてフェラーリを下していますが、フォードは1968年にはル・マンから引き上げ、このシャシーナンバーGT/109ロードスターはハリウッドのスタントマンにしてカスタムビルダーであるディーン・ジェフリーズ氏へと売却されることに。

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その後2013年に売却されるまではずっと同氏とその家族の管理下にあり、コンクールレベルのコンディションを維持したとされ、しかし今回の出品に際して「予想落札価格」の発表はなく、もしかすると「想像ができない」レベルなのかもしれませんね。

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なお、過去には「もう一台の」フォードGTロードスターがオークションに登場したことも。

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オリジナルのまま現存する「最後の1台」となるフォードGTロードスターが競売に。その価格やいかに

わずか5台のみが製造されたフォードGTロードスターですが、そのうちオリジナルを保つ「唯一の」個体がオークションに登場。
この個体はテストのために実際にキャロル・シェルビー、ジム・クラークといった名ドライバーがラグナセカ、デイトナを走行させたという「ハク」を持っており、文句なく「5台のうち最も価値が高い」1台と言えそうです。

もともとフォードGTは「打倒フェラーリ」を目標に掲げ、ル・マンでフェラーリを制することのみを考えて開発された車。
1964年に初期型が登場しており、4.7リッターV8(350馬力)エンジンを搭載し最高速度は時速330キロ。

1964/1965年は不発ながらも1966年で1-2-3フィニッシュ、1967年でも優勝を記録し二連覇を達成するなど華々しい戦績を残しています。
1968年からフォードはワークス活動から撤退するものの、プライベーターが1968/1969年とこれまた優勝を記録しており、フォードの一つの歴史を作った車でもありますね。

なおフォードGTのプロトタイプは全11台あるとされますが、これらはいずれもクラッシュしたり改造が施され、「ロードスター」のうち5台はルーフが与えられるなどやはり手が加えられている、とのこと。

逆になぜ今回の個体のみが「オリジナルのまま」なのかは不明ですが、「世界にもはや一台しかない」大変貴重な車ではありますね。

初代フォードGTについて、1965-1971年にかけて31台のロードバージョンが発売され、二代目フォードGTは「フォード100週年記念」の2003年に発表、2005年に1500台限定にて発売。
2016年にはルマン優勝40周年を記念して「三代目」がやはり限定にて発売されていますね。

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