| おそらくは世界で最も美しく、もっとも魅力的なオープンスポーツ |
さて、英国AutocarがフェラーリF8スパイダーの動画レビューを公開。
フェラーリF8スパイダーは昨年フェラーリが発表した「5つのニューモデル」のひとつで、F8トリブート、SF90ストラダーレ、F8スパイダー、812GTS、ローマという「発表された順番通りに」製造が開始されているようですね。
なお、F8トリブート/F8スパイダーはちょっと特殊なポジションにあるクルマで、「488GTB/488スパイダーの後継」扱いではあるものの、おそらくは非常に短命に終わりそうなクルマ。
というのも、488GTB/488スパイダー(2015-2019)は458イタリア/458スパイダー(2009/2015)の発展型で、これまでのセオリー通りだと488GTB/488スパイダーの後継モデルは「完全新設計」となるはずだったワケですね。
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フェラーリは「2019年以降に発売するクルマはすべてハイブリッド」と公言していた時期があった
2017年頃までだと、フェラーリは「2019年以降に発売するクルマはすべてハイブリッド」だと公言しており、実際に488GTB/488スパイダーの後継モデルも(F8トリブートではなく)全く新しい設計を持つハイブリッドとなる予定であったのだと思われます。
ただ、おそらくはバッテリー技術が思うように発達しなかったためか「納得できる」ハイブリッドを作ることが叶わず、したがってフェラーリは488GTB/488スパイダーからの「フルモデルチェンジ版」ではなく、それらの設計を引き継いだF8トリブート/F8スパイダーを2-3年の間発売し、その間に完全新設計となるハイブリッドモデルを開発することにしたかもしれません。
ただ、正確に言うならば、F8トリブート/F8スパイダーは「488GTB/488スパイダー」の設計を引き継いだというよりは「488ピスタ/488ピスタ・スパイダー」の発展版といったほうがよく、実際にエンジン、クーリング、エアロダイナミクスは488ピスタ系と高い類似性を持っています。
実際にフェラーリもF8トリブート発表時に「パフォーマンスを求めるものの、488ピスタほどハードな乗り心地は敬遠したいという人向け」だと語っており、「扱いやすい488ピスタ」と捉えたほうがいいのかも。
ちなみにF8トリブートのほうはすでに受注を(かなり前に)停止しているので、おそらくは早晩生産も終了し、新たなるハイブリッドモデルへと切り替わるのかもしれませんね(SF90ストラダーレは価格帯、パフォーマンスともに488系やF8系など、これまでのV8フェラーリとは異なるセグメントに位置している)。※生産台数が少なく、最後の「ノンハイブリッド、ミドシップV8」モデルなので希少価値が非常に高い
フェラーリF8スパイダーは「望みうるすべて」を持ったクルマ
そしてフェラーリF8スパイダーに搭載されるエンジンは、488ピスタと同じ3.9リッターV8ツインターボ、出力は720PS)。
0-100km/h加速は2.9秒をマークし、これはクーペ版のF8トリブートと同じタイムです。
なお、フェラーリとマクラーレンのオープンモデルは「ハードトップ」を採用しており、クーペと同じ加速性能やトップスピードを持つことが特徴で、オープン化によって失うものがないというのは嬉しい部分(ランボルギーニ、ポルシェのオープンモデルは、クーペに比較してややパフォーマンスで遅れを取る)。
動画では実際にフェラーリF8スパイダーをドライブし、様々な観点からレビューを述べていますが、ルーフを閉じているとクーペとは遜色がない運動性能を見せ、しかしルーフを開けると若干ボディ剛性的に気になる部分もあるようですね。※ぼくは基本的にオープン好きですが、スーパースポーツに関しては、剛性の問題でオープンモデルを選ぶ気になれない
しかしながらオープントップならではの「背後から轟くサウンド」、そしてフェラーリならではの美しいインテリアについては大きな感銘を受けており、マクラーレン720スパイダー、ランボルギーニ・ウラカンEVOスパイダーと比較しても「より魅力的だ」という判断を下しているのが印象的です。
参照:Autocar