| おそらくは中国市場のほうがスマートにマッチしているのだろう |
さて、日本では販売がほぼゼロにまで落ち込んでしまったスマート。※2020年12月はゼロだった
これはおそらくメルセデス・ベンツ(ダイムラー)がスマートの株式の半数を中国・吉利汽車(ジーリー)へと売却したことに関連しているものと思われ、日本ではもう扱いが無くなってしまうのかも。
なお、両社は昨年、スマートに関してパートナーシップ契約を結んだと発表しており、ニューモデルの発売に向けて動いている、とも報じられています。※画像はSmart FourStarsコンセプト
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メルセデス・ベンツが「スマート」の株式過半数を中国・吉利汽車に譲渡したとの報道。これはおそらく「誰もが得をする」取引だ
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「新スマート」はコンパクトSUVに?
そして今回出てきたウワサが「新型スマートは、吉利汽車の持つサステイナブル・エクスペリエンス・アーキテクチャーを使用し、コンパクトSUVとして生まれ変わる」というもの。
実際のところ、スマートが都市型SUVへとスイッチするというウワサはたびたび聞かれており、これがついに実現するということになるのかもしれません。
スマートを統括するダニエル・レスコー氏によると、「新生スマートはメルセデス・ベンツのラインアップとは被らない」としており、これはサイズそして価格の両面からなのかも。
加えて、最初に投入するコンパクトSUVに加え、「もうちょっと大きな」バリエーションも追加するとコメントしていますが、当面は「欧州市場と中国市場に注力し、北米では販売しない」とも語っています。
吉利汽車はなんとかメルセデス・ベンツを関わりを持ちたかった?
なお、吉利汽車とその持株会社を率いるのは利書福という人物で、1986年に冷蔵庫メーカーとして事業をスタート。
その後にバクイク、自動車へと手を広げ、製造した自動車第一号が「メルセデス・ベンツEクラスのコピー」。
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つまり同氏はメルセデス・ベンツに対し相当なあこがれがあったものと思われ、中国有数の自動車メーカーに成長した後にはメルセデス・ベンツとパートナーシップ契約を結ぶべくコンタクトを取るものの、「誰だお前」という扱いを受けたと言われます。
ただし利書福氏はそこでめげることはなく、個人の資金1兆円あまりを用いてメルセデス・ベンツ(ダイムラー)株を9.7%取得してなんと同社の「最大株主」へ。
こうなるともうメルセデス・ベンツは利書福氏を無視できなくなるわけですが、メルセデス・ベンツは中国における合弁企業数の上限「2社」を使い切っているので吉利汽車とは(中国内で)提携できず、そこで出てきたのが「メルセデス・ベンツではなくスマートの」合弁事業ということになりそうです。
中国ではスマートの人気が非常に高い
なお、中国においてはスマートの人気が非常に高く、実際に多くのコピーが走っているほど。
よって利書福氏はこの人気を活用して新しくスマートを生まれ変わらせようということになるのだと思われ、しかしガラっと雰囲気を変えてしまうとせっかくこれまで築いた人気も意味がなくなってしまい、よってこれまでのスマートのイメージを生かした新型車が登場することになるのだろう、と考えています。
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参照: Automotive News