| 期待されていたパワートレインのアップデートは実施されなかった |
スマートがフェイスリフト版となる、新型「EQ ForTwo(フォーツー)」「EQ ForFour(フォーフォー)」を発表。
前後の表情を変え、細部を調整することで大きなイメージチェンジを行っており、とくにEQフォーツーは刺激的なスタイリングに仕上がっているように思います。
なお、実車の公開は9月10日より開催されるフランクフルト・モーターショーにおいて行われる、とのこと。
スマートEQフォーツー”1st Edition”は「アバルト595風?」
公開されたオフィシャルフォトを見るに、ボディカラーにグレー、そしてアクセントにレッドとブラックを使用しているためか「アバルト595」っぽいという印象を受けますが、実際にスマートはこれを意識した可能性もありそうです(サイドのグラフィックもよく似ている)。※こちらは初年度限定モデルの”エディション1”
フロントだとグリル形状、ヘッドライト、バンパーが変更され、バンパーはフロントからサイドにエアが抜けるという「最新の」構造を持っています。
そしてホイールやルーフスポイラー、ドアミラー、リアディフューザー、エンブレムにグロスブラックが用いられるのも「イマ風」ですね。
テールランプの発光形状も大きく変更に。
透過光と直接光とを組み合わせた、ユニークな構造ですね。
こちらはEQカブリオ。
外観の変更内容はEQフォーツーに準じます。
ホイールデザイン、そしてキャンバストップのせいか、フォーツーよりも「優雅で高級」に見えるように思います。
なお、スマートEQシリーズのパワートレインについては従来モデルと変わらず、バッテリーは17.6kWh、エレクトリックモーターは82PS。
一回の満充電あたり走行可能距離は159kmにとどまり、この短さは常々指摘される部分ではあるものの、メルセデス・ベンツいわく「日常の移動手段としては平均的」。
ただし意図せぬ渋滞(とくに炎天下や冬場だとエアコンを使う)に巻き込まれると「電欠」に陥ることにもなりそうです。
スマートEQフォーフォーの走行可能距離は更に短い
そしてこちらは4人乗り、5ドアハッチバックのEQフォーフォー。
パワートレインはEQフォーツーと同じですが、重量が重い分航続可能距離は短くなり、137-155km程度に収まります。
なお、0-100km/h加速は12.7秒。とのこと。
頻繁に充電を行うことになるのは間違いなさそうではあるものの、少しでもその充電時間を短くするため、スマートは急速充電対応チャージャーをオプション設定しており、これを使用すれば「残量10%から」80%までを40分で充電できるようですね(これがなければ、充電には3時間半ほどかかる)。
ヘッドライトのデザインは「メルセデス・ベンツっぽく」変更されています。
スマートEQのインテリアはこう変わった
こちらは新型スマートEQの内装。
基本的には多くを従来型から引き継いでおり、しかし8インチサイズのタッチ式インフォテイメント・ディスプレイを装備したことがトピック。
もちろんスマートフォンとの連携が可能です。
そのためか、シフトレバー前には「スマートフォンを入れておける」小物入れスペースも出現しています。
そして専用アプリを使用すれば、オーナーと車両とは様々な連携が可能に。
アプリを開くとクルマから「やあベン。今日は日差しが強いようだけど、サングラスは持ったかい?」とメッセージ。
加えて充電状態なども知らせてくれます。
なお、(以前に乗っていた)BMW i3にも似たようなアプリがあり、意外と便利に使えた記憶も。
たとえば空港についたときにアプリ経由でクルマのエアコンを起動しておけば、駐車場に停めてあるクルマに着く頃には車内が快適温度になっているわけですね(寒冷時だと、航続距離を伸ばすためにバッテリーを温めておくこともできる)。
そしてこのアプリはアップルウォッチでもコントロール可能(BMW i3もそうだった)。
なお、メルセデス・ベンツはスマートの株式50%を中国の吉利汽車に売却しており、今後スマートは中国側でコントロールされる可能性が大きそう。
もともとメルセデス・ベンツ側はスマートに対して利益が期待できない状況が続いており、「中国側に任せっきり」となるのかもしれません。