Image:Denza
| デンツァはD9を発売するまで「冴えないブランド」ではあったが、D9の登場によって一気に状況が覆る |
今後、中国社の主流は「ミニバン」へと移るのかも
さて、メルセデス・ベンツとBYDとのコラボレーションによって誕生した会社、騰勢汽車の展開するEVブランド「電座(Denza / デンザあるいはデンツァ)」。※当初両社の出資比率50:50にて誕生しているが、のちにメルセデス・ベンツはその比率を10%に下げている
これはBYDが他に展開するFang Cheng Bao(ファンチェンバオ / 方程豹)、Yang Wang(ヤンワン / 仰望)といったサブブランドの中ではもっとも「求めやすい」つまりエントリーレベルに位置します。
そしてこのデンツァからは「Z9GT」「N7」「N8」「D9」といったEVが展開されていますが(相変わらず中国車の車名はアルファベットと数字である)、このうちミニバンであるD9の売れ行きが非常に好調だといい、そのD9の納車台数が20万台を超えたとの報。
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これで中国人は見分けがつくのか・・・?最新の中国車はどれもデザインや車名が似すぎていてボクにはさっぱり区別がつかない。なぞそうなったのかを考えてみた
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20万台めのデンツァD9の納車を受けるのは中国の有名歌手
デンツァの販売部門にてゼネラル・マネージャーを務めるザオ・チャンジャン市によると「20万台目のD9の納車を受けるのは中国の有名歌手」。
現時点でその名は伏せられているものの、現地では「ビッグデビル」というニックネームで知られているそうなので、中国ではおおよその特定ができているのかもしれません。
それはともかくとして、このD9には「ピュアエレクトリック」「PHEV」バージョンが存在し、ピュアエレクトリック版だと230kWを発生させるエレクトリックモーターをフロントに積むシングルモーター版、後輪車軸に45kWの出力を持つモーターを追加したデュアルモーター版が用意され、一回の満充電あたり航続距離はシングルモーター バージョンで620km、デュアルモーター バージョンでは600km。
PHEVバージョンでは、ピーク出力102kWの1.5リッター・ターボ エンジンが使用され、こちらも「シングルモーター」あるいは「デュアルモーター」を選択可能。
ボディサイズは全長5,250ミリ、全幅1,960ミリ、全高1,920ミリ~1,920ミリ、ホイールベース3,110ミリという「かなり」大きなクルマであり、基本構成は7人乗り、しかしPHEV版にのみ4人乗りの高級バージョンが設定されています。
なお、気になる価格は7人乗りで339,800元(現在の為替レートだと685万円くらい)、4人乗りだと600,600元(1210万円)に設定されており、エントリーブランドといえど「かなり高価」なクルマではあるものの、その仕様や装備を見るに、以外と「割安」なのかもしれません。※一部グレードではディナウディオ製サウンドシステムも装備している
実際のところ、このD9の登場により、それまで販売が奮わなかったデンツァが一気に「人気ブランド」へと押し上げられたといい、現在このD9は「中国でもっとも売れているミニバンのひとつ」にまで成長しています。
そしてこの「20万台」というマイルストーンは「10万台めからわずか1年」で達成されており、デンツァはこの勢いを持続させるべくD9の右ハンドル仕様を投入し、まずは香港へと販路を拡げるとアナウンスしていますが(今月後半から販売が開始)、これによって現在「アルファードだらけ」といった香港の風景に変化が生じるのかもしれません。
そして「右ハンドル」仕様を開発したからには、もしかすると(BYDの販売チャネルを通じ)日本市場においても展開を行う可能性も考えられ、続報を待ちたいと思います。
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