| ロータスは大きく方向性を転換、ガソリンエンジンの存続をアナウンス |
現在はEV需要が一服し新車効果が希薄になっている段階でもある
さて、ロータスが第三四半期の決算報告を通じ、これまでの”ピュアEV一本”であった「Vision 80」電動化戦略を変更して900VハイパーハイブリッドEV技術を導入することを公表し、このハイブリッドモデルは「電気自動車の利点に加え、ガソリン車のような航続距離を提供する」ことにも触れています。
ロータスのCEO、冯庆峰(フォン・チンフェン)氏は通訳を通じて、新しいハイブリッド車が単なる航続距離延長型EV(つまりレンジエクステンダー搭載EV=EREV)ではないことを強調し、特定のシナリオではガソリンエンジンだけで走行できることが示唆されています。※詳細については触れていないものの、高速道路を走行する際には、エンジンを使う方が効率的だと述べている
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ロータスのハイブリッドは「ロータスの名にふさわしい」
さらにフォン・チンフェン氏は(ロータスのEVは)従来の航続距離延長型EVとは異なって、常にロータスにふさわしい性能を発揮することを保証すると語っており、これを実現するため車両に搭載されるのが「デュアルハイパーチャージング技術」で、充電中および走行中の両方において超高速充電が可能だともコメント。
後者のシナリオでは、ガソリンエンジンが発電機の役割を果たし、バッテリーを「通常の走行時の5倍の速度」で充電するといい、これにより、「加速時の高速走行や極寒地でも途切れることのない電気性能が提供される」そうですが、さらにエレクトリックパワートレインとガソリンエンジンとの組み合わせにより、ロータスのハイパーハイブリッドパワートレインを搭載した車両は、1,110 km以上もの総走行距離を誇り、これはWLTP基準で409~600 kmの航続距離を持つ「エレトレ」よりも大幅に改善された数値なので、つまるところ「エレトレやエメヤは何だったんだ」ということになるのかも(このハイブリッド機構を搭載しても、BEVよりは安価なクルマになるであろう)。
ロータスは「販売が増えるも利益があまり増えていない」
そこでロータスが発表した決算内容に触れてみると、2024年1−9月において、まず「SUVとセダン」については3,983台を販売しており、これは昨年の1,762台に比較して2.26倍。
「スポーツカー」においては昨年の1,459台に比較して3,634台が売れ2.49倍となっていて、トータルでは3,221台から7,617台へと増加し2.36倍となっています。
ちなみにですが、この大幅増については「昨年はアメリカでの販売がなく、しかし今年はアメリカでは正規販売が開始された」ことも関係しており、2024年1-9月におけるアメリカのシェアはじつに22%にも上ります。
参考までに最大シェアはもちろん欧州の35%、中国が25%(意外と多い)、北米が上述の通り22%、そして「その他の残り」が18%。
2024年第3四半期のみに限ると「SUVとセダン」は昨年比1.79倍の1,594台、そしてスポーツカーは1,150台が売れて1.3倍という数字ですが、「1-9月」と比較すると販売ペースがやや鈍ってきていることもわかり、先行きはさほど明るくはないのかもしれません。
一方、利益を見てみると、2024年第3四半期では前年比18%しか伸びておらず(販売台数の伸長に比較するとその幅が小さい)、やはりEVの「モトを取ることは難しい」ということも推測できます(パワートレーン別の利益率が発表されていないのでナントモではあるが)。
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参照:LOTUS