
| 知る人ぞ知るチェコ製スーパーカー「プラガ・ボヘマ」とは? |
やはりスポーツカーにとって「軽さ」はとんでもない武器である
チェコのレーシングカーファクトリー兼自動車メーカー、プラガ(Praga)が開発したスーパーカーBohema(ボヘマ)。
2024年初頭に正式デビューしたばかりの新星でもあり、しかし 「プラガって聞いたことない?」そんな人も多いかもしれません。
しかし創業はなんと1907年で、歴史あるブランドが生んだこの最新スーパーカーが、世界の注目を集める快挙を成し遂げたというのが今回の話題です。
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プラガ・ボヘマがトップギア・テストトラックで前代未聞のラップタイムを記録
このプラガ・ボヘマは2024年末からデリバリーが始まっていますが、今回は英国のトップギア・テストトラックにて驚異的な走りを披露。
その記録はなんと1分9.8秒で、これは純ガソリン車として史上最速のタイムであり、あのアストンマーティン・ヴァルキリー(1分9.7秒、ハイブリッド)に迫る圧巻の数字です。
しかも使用された車両は市販状態そのまま、レース仕様ではなくナンバー付き・公道走行可能な状態でこの記録を叩き出したというので「驚き以外」のなにものでもありません。
日産GT-R由来の3.8LツインターボV6を搭載
パワーユニットは、日本が誇るスーパーカー日産GT-R(R35)に積まれる3.8リッターV6ツインターボエンジンがベースですが、 プラガ独自による、以下の改良が加えられています。
- 専用ターボチャージャー
- ドライサンプ潤滑システム
- チタン製エキゾースト
その結果、最高出力は700馬力、最大トルク725Nmへと向上し、これに6速シーケンシャルギアボックスを組み合わせることで0-100km/h加速は3秒未満、最高速度は317km/hにも達します。
圧倒的な軽さと空力性能が勝利の鍵
エンジンパワーや加速性能、トップスピードのみを見ると「近年のハイパーカーに比較して大したことない」ように見えますが、ボヘマの魅力はパワーだけではなく、注目すべきはその軽量ボディとダウンフォース性能。
- 車重:わずか1,043kg
- ダウンフォース:時速250kmで900kg
軽さと空力で圧倒的なコーナリング性能を実現しており、それが今回のラップタイムにも直結しています。
元「スティグ」、ベン・コリンズがステアリングを握る
ドライバーを務めたのは、あの「トップギアのスティグ」ことベン・コリンズ氏で、現在はプラガのテストドライバーを務めており、今回は以下の条件で走行している、とのこと。
- 公道用タイヤを装着
- 特別なセットアップなし
- 行動からそのままサーキットへ移動
- ウォームアップ後、即タイムアタック
すべて市販車仕様でこの記録を出したことが、ボヘマのポテンシャルを物語っていますね。
プラガ・ボヘマは世界限定89台、生産中&納車開始
プラガ・ボヘマは、全世界89台のみの限定生産。
すでに納車が始まっており、今年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでは3台が顧客に納車予定だとされ、その中には初のアメリカ人オーナーも含まれるということもアナウンスされています。
このプラガ・ボヘマは、伝統あるブランドが手がけた“レースカーとロードカーの融合”とも言える存在であり、「GT-Rの魂を宿し、軽量で美しく、そしてとんでもなく速い」ハイパーカー。
その性能は、パワーだけに頼らない本物のドライビングマシンとして、今後も世界中のカーガイたちを魅了し続けることになるのは間違いなさそうですね。
プラガ・ボヘマがトップギアのテストトラックを走る動画はこちら
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参照:DRIVETRIBE