
| コルベットZR1は完全に「スーパーカー」の領域に足を踏み入れている |
そのパフォーマンスはイタリアのスーパーカーメーカーであっても無視できない
さて、新型シボレー・コルベット(C8)はミドシップとして登場し、毎年バリエーションを拡大していますが、現在「発売」されている中でのトップレンジが「ZR1」。※ZR1Xは発表されたのみにとどまる
このZR1の価格は178,195ドル(約2,700万円)に設定されており、しかし「1,064馬力、0-400m加速9.6秒」という驚異的なスペックとパフォーマンスを考慮すると「大バーゲン」ともいえるクルマです。
シボレー・コルベットZR1とランボルギーニ・レヴエルトは「どちらが速い」のか?
そして気になるのが「このZR1がどこまでイタリアのスーパーカーに対して通用するのか」ということですが、その問いに応えたのがドラッグレース専門ユーチューバーの「ドラッグタイムス(DragTimes)」。
比較対象として持ち出したのはランボルギーニ・レヴエルトで、こちらは乗り出し約600,000ドル超(日本だと新車価格のみで6500万円)という超高額、しかし出力はZR1よりちょっと低めの1,015馬力。
さらにはプラグイン・ハイブリッドシステムを採用するため重量も約1,940kgと、ZR1(約1,738kg)より200kg以上も重くなっています。
実際にドラッグレースで対決。勝ったのは…
そして動画ではZR1とレヴエルトとの対決がなされることとなるのですが、ZR1は「ガソリンオンリー、軽量、後輪駆動」、対するレヴエルトは「ハイブリッド、4WD」。
セオリー通りであれば「4輪駆動とエレクトリックモーターの瞬発力」を持つレヴエルトの加速が勝り、しかしそこからは軽量なZR1が伸びてくるという結果が予想できます。
▼レース結果(※1/4マイル:約402m):
1回目:ZR1勝利(レヴエルトがホイールスピン)
2回目:レヴエルト勝利(路面再処理後)
3回目:レヴエルト勝利
つまり、最終的にはランボルギーニ・レヴエルトの勝利となったものの、初戦ではリア駆動のZR1がAWDのレヴエルトを圧倒するという衝撃の結果となっており、これはある意味での下剋上だといえ、C8世代のコルベットが持つポテンシャルを改めて見せつけた事例、そして下剋上だと考えていいのかもしれません。※一般に4WDがレース後半で伸びないのは、プロペラシャフトで動力をフロントに伝達するための駆動ロスのせいであるが、レヴエルトはフロントをモーターで駆動しプロペラシャフトを持たないため、駆動ロスの観点から言えばMRと同様である
コルベットZR1は“レヴエルト・キラー”か?
このレース後、多くのフォロワーがコメント欄で口にしたのが、「価格約3分の1にもかかわらず、レヴエルトと同等に戦えるZR1のコスパ」。
確かに、V8ツインターボ搭載のZR1は加速・重量・価格の3点でレヴエルトに対して強烈なアドバンテージを持っており、しかし、レヴエルトにはV12という唯一無二の魅力があるのもまた事実。
Image:Corvette
-
-
この性能は本物だ。コルベットZR1が発売前に続々と全米サーキットでの記録を更新、ポルシェ911GT2 RS / GT3 RSやマクラーレン・セナよりも速いタイムを記録する【動画】
| ZR1でこのタイムであれば、究極のモデル「Zora」ではさらに速いタイムを記録しそう | コストパフォーマンスという点において、このコルベットZR1の右に出るものはない さて、「コルベット史上はじ ...
続きを見る
実際のところレヴエルトは「音」「存在感」「伝統」といった点で数字に表れない価値を持っており、そこに言及する人も多いように見受けられます。※たしかに、日常のドライブにおいてはゼロヨンのタイムより、サウンドや存在感のほうが重要かもしれない
-
-
コルベットZR1の価格が「174,995ドル(約2760万円)から」と正式発表。同等の出力を持つフェラーリSF90、ランボルギーニ・レヴエルトの1/2〜1/3という驚愕のプライス
Image:Chevrolet | C8世代のコルベットそのものが「同等の性能を持つスポーツカーの1/3の価格」にてスタートしている | それにしても「1,000馬力のスーパーカー」が3,000万円以 ...
続きを見る
そしてZR1Xが全てを変える?
さらに驚くべきは、シボレーが発表したフラッグシップモデル「ZR1X」の存在で、ZR1に対して”レヴエルトのパワートレインのメリット”を付加したともいえるZR1Xが登場すれば、もはやレヴエルトでも太刀打ちできない可能性も出てきます。
とはいえ、レヴエルトのようなV12エンジン搭載車は今後どんどん減っていく中、「心で選ぶ」スーパーカーとしての価値が揺らぐことはなく、いかなるライバルが登場しようとも「王座に君臨し続ける」のがランボルギーニの魅力なのかもしれません。
合わせて読みたい、ドラッグレース関連投稿
-
-
まさかの「ブガッティ・シロンとケーニグセグ・ジェスコ」の対決動画が公開。それぞれオプション込みで約9億円、総額18億円のドラッグレースがここに実現【動画】
| やはりこれだけのパワーを路面に伝えるには4WDでないと難しい | 一方、「走り出してから」の加速は「軽量、後輪駆動」のほうが有利という事実も変わらない さて、これまでにも様々な企画を実現させてきた ...
続きを見る
-
-
フェラーリ 12チリンドリ vs AMG GT ブラックシリーズ:人気ユーチューバーが自身のクルマを用いてドラッグレース対決【動画】
| 納車されたばかりのフェラーリ12チリンドリにてドラッグレースに挑む | この組み合わせを自身のコレクションから引っ張り出せる人物はさほど多くはないだろう さて、人気YouTubeチャンネル「Shm ...
続きを見る
-
-
ハイパーカー御三家「ラフェラーリ、ポルシェ918スパイダー、マクラーレンP1」がついに一同に会しドラッグレースを走る。その結果はいかに【動画】
| 当時、これらハイパーカーは驚愕の高性能を誇っていたが | 現代ではこれら技術のフィードバックを受けたスーパーカーたちがさらなる進化を見せている さて、いつも希少なスーパーカーやハイパーカーを集めた ...
続きを見る
参照:DragTimes(Youtube)