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| アメリカンV8の終焉?コルベットが“完全EV化”に向けて大きく舵を切る |
「C9」を超えて一気に「C10」へ
ゼネラルモーターズ(GM)が「公式」として新たな「コルベットC10コンセプト」を発表。
GMは少し前にも「未来のコルベット」を公開していますが、「C10」というと現行のC8から2世代先となり、つまりは「かなり未来の」クルマです。
そしてこれは、将来の市販車をそのまま示すものではなく、「もし今コルベットC10を設計したならば?」という問いに対するデザイナーのビジョンを具現化したものだといい、現在具体的に計画されているプロジェクトではない、と説明されています。
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「V8なしのコルベット」―それでも未来はここにある
この「C10コルベット」が誕生する舞台となったのはカリフォルニア州パサデナに新設されたGMのアドバンスド・デザイン・スタジオ。
この地から生まれたC10コンセプトは、従来のアメリカンスポーツカーの枠を超え、ケーニグセグやリマックのような次世代ハイパーカーを想起させる、極めて先鋭的なスタイリングを持っています。
そしてこのC10最大の特徴といえば、これまでのコルベット伝統であるV8エンジンを廃し、完全な電動パワートレインを採用したこと。
T字型プリズム型バッテリーパックを搭載し、重心を低く、エアフローを最適化するという、明確なパフォーマンス重視の設計を持っています。
なお、コルベットのチーフエンジニアは過去に「ピュアEVはまだSFの領域」と発言していますが、このコンセプトが“未来の可能性”として用意されたものであることを考えると、短い間に「SFが現実味を帯びてきた」のだとも考えられ、こういった状況を踏まえると「実際のC10世代のコルベットは、もう現代では想像できないほどの姿や構造、パワートレイン」を持つのかも。
空力で魅せる、未来的なディテールとインテリア
この「C10世代のコルベット」を見てみると、外観はC8のDNAを一部継承しつつ、F1マシンのようなカーボン製フロントウイングや、アストンマーティン・ヴァルキリーに通じるエアロボディ(空気を取り入れて車内を流し、そこから排出する構造)を採用。
サイドは空洞構造になっており、エアフローを車体後方の巨大なディフューザーへと導きます。
さらには可動式リアスポイラーとエアブレーキも装備し、ブガッティやマクラーレンに近い空力機構を搭載しているようですね。
そして注目すべきは、前方ヒンジで開閉するワンピースのキャノピー。
これは脱着が可能で、実際に取り外すと完全なオープンエア・サーキットウエポンとしても使用可能であり、車内にはデジタルメーター、ARヘッドアップディスプレイ、ヨーク型ステアリングに装着されたサブスクリーンなど、未来的な装備が並びます。
「C10コルベット」のサイズと仕様:まさに“ハイパーカー”
以下はC10コルベットのディメンションですが、C8よりもわずかに長く、わずかにワイドで、ルーフラインは劇的に低いという圧倒的な“ハイパーカー・プロポーション”を持っていることがわかります。
- 全長:4,669mm
- 全幅:2,184mm
- 全高:1,051mm
- ホイールベース:2,767mm
- ホイール:フロント21インチ/リア22インチ
「SoCal(南カリフォルニア)から世界へ」—デザイン哲学の裏側
GMアドバンスドデザイン・パサデナのデザインディレクターであるブライアン・スミス氏はこのC10コルベットについて次のように語り、そのコンセプトは「二面性」なのだそう。
「このコンセプトは、南カリフォルニアの文化的視点から生まれたものですが、同時にグローバルで未来的な視座も持たせています。デザイン戦略の核となるのは“二面性”。上部シェル全体を取り外し可能にしたことで、俊敏なスポーツカーから軽量なオープントラックカーへと変貌するのです。」
まとめ:この“SF的コルベット”は、未来の現実になるのか?
GMはこのC10コンセプトを、今後登場する3つのデザインスタディのうち2作目として位置づけており、1作目はイギリスのヨーロッパチームが手掛け(公開済み)、3作目もまた別のデザインチームによって公開される予定。
このコンセプトが直接市販モデルに反映されるとは限りませんが、「未来のコルベット像」に対する確かなビジョンであることは間違いなく、そしてその未来が電動であることもまた、避けがたい現実となりつつあるようですね。
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