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米アナリスト「テスラはただちにサイバートラックの製造をキャンセルすべきだ。利益を失うばかりである」。さらには目標株価を210ドルに引き下げ

2023/11/26

テスラ・サイバートラック

| ただしテスラは昔から常人には理解できないことを行なってここまでの成長を成し遂げた |

それにボクは「すでにサイバートラックの元は取れている」と認識している

さて、テスラは11月30日にサイバートラックの納車イベントを控えていますが、当初サイバートラックは「非常に儲かる」商材となる予定であったものの、そのステンレス製ボディが災いして「極度に製造が困難な」クルマとなり、それによって製造単価が上がってしまい、かつ量産が難しくなったために利益を得ることが難しくなっています。

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そしてイーロン・マスクCEOはサイバートラックで利益を出すことは当面の間難しく、採算が取れるようになるまでは18ヶ月を要すること、そして「我々は墓穴を掘った。ここまで見事に墓穴を掘るのは我々くらいのものだろう」とも。

テスラ・サイバートラックの納車開始日が11月30日に決定。ただしイーロン・マスクCEOは「開発や製造があまりに難しく、自ら墓穴を掘った」と自虐
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一部アナリストは「サイバートラックは製造すべきでは無い」と指摘

そこで今回、一部アナリストが行なった指摘がクローズアップされており、それは「今からでも、テスラはサイバートラックの製造を中止すべきである」というもの。

これはいかにも大胆な発言ですが、ジェフリーズのアナリスト、フィリップ・フーショワ氏は「利益の減少とフリーキャッシュフローの見積もり」を理由に、テスラの目標株価を1株当たり210ドルに引き下げ、さらにはサイバートラックがテスラの利益を吹き飛ばしてしまうであろうことにも触れ、加えて「欧州の既存自動車メーカーが2万5000ドル/ユーロのEVを発売し、中国の自動車メーカーが製品サイクルの短縮という新たなペースを打ち出す中、テスラはそれに追いつけず、あと12~18カ月はスローレーンに行き詰まりそうだ」とも。

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EV市場は現在「価格重視」へ

これはたしかに理解ができるところでもあり、テスラがサイバートラックにかかりっきりとなっている間にEV市場は大きく変わってしまい、力をつけた中国の振興EVメーカーが安価なEVをもって世界中の市場に進出する状態となっています。

一方テスラはサイバートラックの開発に掛かりっきりとなっていて、これに大量のリソースを費やしたために「出遅れることになり、現在のEVレースに対して遅れを取っているために「安価な、しかし利益が出る」EVの開発や既存EVのコストを下げることが緊急の課題であるというのがフィリップ・フーショワ氏の主張です。

たしかに競合他社に目を移すと、トヨタはEVのコストを圧縮することに注力してギガキャストを導入するとアナウンスしていて、フォルクスワーゲンも「20,000〜25,000ユーロのEVを発売する」とコメントしています。

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ただ、フォルクスワーゲンは最近になり「格安EVを発売できるかわからない」と弱腰になっていて、さらにBYDは現在のEVよりも安価な「シーガル」を発売したばかり、

この状況の中では既存自動車メーカーが中国のEVメーカーにキャッチアップすることは難しく、価格ばかりを追求するのは「危険」かもしれません。

そしてテスラはこういった状況を予測しており、よって早い段階から「25,000ドルのEVを発売する」と(他社がそれを思いつかなかった時代から)発表していて、むしろその時代にはその意味を皆理解できずに「利益を失うだけだ」と批判されたことも。

テスラ
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しかし今では「格安EVを作るべきである」という意見が大きくなっており、そう考えると「アナリストは無責任な発言を繰り返すだけ」なのかもしれません。

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そんな中でサイバートラックはテスラの株価を(1台も作っていなうちから)大きく押し上げることになり、かつテスラを独自のポジションへと誘導することに成功していて、その意味では「すでにサイバートラックの元は取れてるんじゃないか」と考えることも。

つまり、テスラがサイバートラックを発表しなければ今のようなテスラは存在せず、今だにマイナーな振興自動車メーカーのひとつにとどまり、既存自動車メーカーからも軽んじられるままだっただろう、というわけですね。

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参照:InsideEVs

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