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文字通り「テスラの墓場」?テスラの生産能力が需要を完全に上回り、いまや「衛星写真を用いて、宇宙からでも在庫を確認できるレベルに」膨れ上がっているもよう

テスラ

| 現在テスラは「第二の成長」に向けて大きく方向性を転換しているところである |

その効果が出るのはまだ数年先だと考えてよく、ここ数年は苦難のときが続くだろう

テスラCEO、イーロン・マスクCEOは、つい2年ほど前に「問題は需要ではなく生産能力である」と述べ、つまり「放っておいても注文は入ってくるが、その注文を消化するだけの台数を生産できるかどうかが問題である」と述べています。

しかしそこから半年もしないうちに需要が鈍化して「値引き」が始まり、しかし値引き開始当初はまだ”価格を引き下げることで”需要を喚起することができたものの、最近では”価格を下げても消費者の興味を惹くことができず”、生産した車両の在庫が積み上がっているという状況に陥っているとも報じられているわけですね。

まるで「テスラの墓場」?閉鎖された米ショッピングモールに大量のテスラ(新車)が駐車される様子が報じられる。生産がついに需要を上回り始めた予兆か【動画】
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テスラの「在庫」は加速度的に増えている

そして今回、シャーウッドニュースによる新たな報道では「在庫車の保管場所は宇宙から見えるほどの面積に広がっている」。※誇張ではなく、実際に衛星写真でも確認ができる

2024年第1四半期、テスラは433,371台の車両を製造したと報告したものの、そのうち実際に販売されたのは386,810台で、つまり販売できなかった車両が46,561台も存在するということになり(生産の10%以上が売れ残っている)、これが目に見える形で積み上がっているというわけですね。

この”在庫増”はテスラのみの問題ではなく、広く世界中で報じられるEV販売の全体的な減速あるいは停滞によるものですが、テスラの場合はもともとの生産台数が多かっただけに、その影響を他メーカーに比較してはるかに大きく受けているのだと思われます(さらにテスラは、どんどん出てくる他社製EVに押され、市場占有率そのものを下げている)。

テスラ
2024年3月の米国ではテスラが販売台数を12%失い、しかしテスラ以外では28%も成長。テスラの占有率は昨年の61.5%から今年では52.4%へと下落する

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ただ、テスラの最高財務責任者であるヴァイブハブ・タネジャ氏によれば、この在庫の増加の問題については「主な要因は、製造間のミスマッチによる在庫の増加でした」とのことで、2024年第1四半期はAIへの投資もあって、フリーキャッシュフローが25億ドル減少したことも触れつつも、「第2四半期には製造された在庫が反転し、(これが収入となることで)フリーキャッシュフローが再びプラスに戻ると予想しています」とも。

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テスラは今後輝きを取り戻せるのか

ちなみにですが、EV市場の拡大が鈍ってしまったのは「キャズムの壁を超えることができなかったからだ」とも言われており、つまりEVはキャズム理論でいう「アーリーアダプターまで」の商品であって、そこからアーリーマジョリティに移行することは難しいと見られています。

つまりEVは一部(キャズム理論でいうところの15.5%)の新しいモノ好きな人々が購入する製品だとされていて、そして仮にEVが「そういった」製品だとした場合、「ずっとモデルチェンジせず(ただし中身は大きく入れ替わっている)、グレードやボディカラーが限られる」テスラの製品は(次々と世界中の自動車メーカーから発表される)新型EVに対して魅力を維持できず、イノベーターそしてアーリーアダプターを惹きつけることが難しくなってくるだろうという意見もあるもよう。

EVがコモディティ化する未来が来れば、テスラが再び「天下」を取り戻すことになるであろうことも予想できますが、現在のEV市場を取り巻く環境下では、しばらく苦難の時代が続くのかもしれません。

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参照:Sherwood News

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