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今話題の「合成燃料」!そのままガソリンエンジンに使用できカーボンフリーを実現できるものの「何が問題でなぜ普及しない」のか?

投稿日:2022/06/16 更新日:

今話題の「合成燃料」!そのままガソリンエンジンに使用できカーボンフリーを実現できるものの「何が問題でなぜ普及しない」のか?

| そもそも合成燃料に対する国際社会の理解が進まず、その有用性が理解されていない |

やはり普及させるには国際的な共通認識確立、各国政府の理解が必要

さて、昨今話題となっている合成燃料。

これは石油由来ではなく、化学的に合成した燃料をもって従来のガソリンエンジンを動かし、既存のガソリンエンジンの活用、ひいては存続が可能になるというもので、主にはポルシェ、ベントレー、ランボルギーニといったフォルクスワーゲングループのブランドがここに未来を見出しています。

加えてトヨタは合成燃料を使用したモータースポーツへの参戦を行っており、日本では最も合成燃料に対して熱心な自動車メーカーだといえ、今回自ら「保存版」と題した合成燃料関連コンテンツを公開しており、ここでその概要を紹介したいと思います。

合成燃料とはなんぞや

そこでまずは合成燃料とは「正確にいうとどんなものか」についてですが、簡潔に言うと「CO2と水素を合成してつくる液体燃料」。

この液体燃料をガソリンのかわりにタンクへと注入し、それを燃やしてガソリンエンジンを動かすことになるので、もちろん「燃焼」が発生するためCO2が発生します。

ただ、この合成燃料の原料であるCO2につき、さまざまな経済活動によって排出されたCO2を利用するため、「燃焼によってCO2が発生しても、回収も行っているのでチャラ」という理論が成り立ち、よって「合成燃料=カーボンニュートラル」というわけですね。

なお、現段階ではこのCO2の回収にコストがかかるようで、「CO2を含むガスに吸着液や吸着物質を接触せさてCO2を分離・回収」せねばならず、しかし将来的には大気中のCO2を分離するDAC=ダイレクト・エアー・キャプチャー技術を利用することも視野に入れている、とのこと。

そしてもうひとつの原料である「水素」について、再生エネルギー由来の水素を使用してつくった合成燃料を「e-fuel」と呼称するといい、これは特定の会社が提供する商標ではなく、一般的な名称として使用されるようですね。

参考までに、合成燃料のほかに期待されているのが「バイオフューエル」で、こちらは植物の糖を発酵させたり、植物油をアルコールと反応させて精製するカーボンニュートラルな燃料だと定義されています。

こちらも燃やすとCO2が発生するものの、植物はその成長過程にてCO2を吸収しており、よってその植物を使用することで、これも「燃焼時のCO2排出が相殺される」という考え方です。

ちなみに現在でもバイオフューエル対応のエンジンがいくつかありますが、バイオフューエルに対応していないエンジンにこの燃料を入れると、金属部(とくにアルミ)が酸化してトラブルの原因になるといった報告もあり、「ガソリンの代替」として使用することは難しいのかもしれません。

加えて、植物を使用するということはバイオマスを減少させるということを意味し、さらに「伐採したり刈り取ったりした植物のぶんだけ、CO2吸収量が減ってしまう」ため、この意味でも根本的なガソリンの代替にはならないかもしれませんね。※ただ、これ単体で使用されるわけではなく、ガソリンに混合して使用される

合成燃料のメリット/デメリットは?

そしてこの合成燃料のメリットとデメリットについてですが、まずメリットとしては既存のガソリンエンジン搭載車であっても脱炭素化が可能となること。

これはけっこう大きい利点だとも考えていて、EVに使用されるエレクトリックモーターやバッテリー製造のために希少希土類を採掘したり精製しなくてもよくなるので環境負荷が小さく、それに使用されるエネルギーも不要に。

もともとEVは製造や廃棄に関する環境負荷が大きいと言われ、よって新規にEVを製造せずに既存のガソリン車を使用することができるのは環境にとっても優しく、クルマを使用する人にとっても(EVに買い換えなくてもいいので)優しいと言えそうです。

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さらに、そもそも「電化できない」モビリティも存在し、たとえば長距離を走る大型トラックやジェット機などは(現在の技術の)バッテリーだとすぐに電欠になってしまうのでエレクトリック化ができず、こういった乗り物に合成燃料を使用することで大きくCO2排出量を下げることも可能となりそう。

加えて既存のガソリンスタンドを使用できるので、これも様々な観点から合理的だと捉えてよく、EVで問題となる「充電インフラ不足」に悩まされることがないというわけですね。

このほかにも「工業的に大量に生産できる」「備蓄が可能」「輸送ができる」というメリットも紹介されており、その有用性はかなり高いと考えられます。

反面、デメリットとしては製造技術や設備が確立されていないこと(国として進めてゆく等の保護がなければ、企業としては先行きに不安を感じ、ここに投資できない)、そして製造コスト。

今回公開された資料によれば、仮に「水素を日本で生産し、さらに日本で燃料を合成」するとそのコストはなんとリッター700円。

ただし水素を海外で製造し、燃料製造も海外で行えばリッター300円、そして水素価格が将来的に下がった場合だとリッター200円くらいになる、とのこと。

現在は原油価格が上昇しているといえど、リッター200円であってもまだまだガソリンとの差が大きく、ここはさらなるコスト引き下げを期待したいところです(ここに政府が税金を乗せてくるとけっこうキツい)。

ちなみにポルシェは人件費の安いメキシコに「合成燃料製造工場」を建設していますが、これは少しでもコストを下げたいという思惑からなのでしょうね。

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なお、現在この合成燃料については国際的な統一された評価がなされておらず、「燃やす」ことでCO2が出るのでNGとする場合もあり(合成燃料生産時のCO2削減はカウントされていない)、つまりエコでサステイナブルな燃料だとは認められておらず、よってきちんと「合成燃料はカーボンフリー」という評価を世界的に確立させない限りは本腰を入れてどこも動くことが出来ず、そのため「すでに国際的にエコだという認識が定着している」「政府が後押しする」エレクトリック化に走るしか道がないのかも。

ぼくとしては、「ガソリンエンジンを残したい」という想いを除いたとしても、「既存のインフラを活用できる(設備投資によるCO2発生を防ぐことができ、利用者にも混乱が少ない)」「既存の産業構造を無理に変えない(失業も最小限に留められる)」「資源の枯渇を招かない」「製造が容易で輸送が可能であるため、発展途上国で生産を行えば世界的な経済発展が期待できる」「原油のように中東に依存しない(国際的な勢力の均衡が保たれる)」「EVに必要なバッテリー生産をに中国に依存しない(中国の過度な発言力の増大を抑制できる)」という意味において、この合成燃料の普及を進めて欲しいと考えています。

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参照:Toyota

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