多くの人が好む「新車の匂い」は実はヤバいらしい！最新の研究だと「ドライバーと同乗者の生涯がんリスク（ILCR）や骨髄性白血病、そのほかの健康リスクが高まる」

｜　たしかに新車の匂いについてはたびたび議論の的になっていたが　｜

一部自動車メーカーは、匂いに対して非常に高い注意を払っていることも明らかになっている

さて、色々と話題になる「新車の匂い」。

これを支持する人はけっこう多く、しかし最近の研究にて、この臭いはベンゼン、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドを含む複数の化学物質の混合物であることがわかり、「乗員に対して健康リスクがある」ということが判明しています。

今回の研究結果を発表したのは北京理工学院の研究チームで、しかし研究対象となったクルマは明かされておらず、よって研究結果をどう受け止めるかは非常に「微妙」。

ちなみに中国ではこの「新車の匂い」が非常に嫌がられる傾向があるといい、一部自動車メーカーは新車の匂いを消すための対策を行っているとも報じられます。

なぜ新車には「あの独特の匂い」があるのか？

そしてこの新車の匂いについてですが、これは「製造されたばかりのプラスチック、レザー、カーペット、インテリアの張り材、そしてそれらを貼り合わせるための接着剤などのブレンド」によって生じるもので、時間の経過とともにそれらが気化してしまい、結果的に匂わなくなるというメカニズムを持っています（そしてこれを再度もたらすための”新車の匂い”なるフレグランスもあるほど）。

今回の研究については、上述の北京理工学院の研究チームが行ったとものだとされ、科学者たちは12日間、中型のプラグインハイブリッドSUV（新車）の匂いをチェックすることになりますが、期間中は様々な環境にて実際に乗車・走行しながら分析されたのだそう。

そしてこの試験を行った結果として、研究者たちは車内で発生した20種類の化学物質を特定することになるのですが、その結果はかなり憂慮すべきものであり、まずは車内に高濃度のホルムアルデヒドとアセトアルデヒドが存在することが判明し、さらにこれら化学物質はいずれも中国の国家安全基準で定められた制限値を超えていたといいます。

さらにはベンゼンも検出され、研究チームは「30分乗車するだけで、ドライバーと同乗者の生涯がんリスク（ILCR）や骨髄性白血病、そのほかの健康リスクが高まる」という驚くべき結論を出したことが世界中で大きな注目を集めたわけですね。

今まで新車の匂いについてはさほど問題にならかなったように記憶しているが

そしてこの報道を見たオーストラリア・メルボルンの化学教授であるオリバー・ジョーンズ教授は、「この研究が徹底的に、かつ正確に行われたことを信じている」とサイエンス・メディア誌にてコメントしており、さらには「新車の匂いが、一部の人にとって、めまい、吐き気、息切れなどの健康上の問題を引き起こす可能性があることは、これまでの研究からわかっています。健康という観点からすると、最高の新車の匂いというものは、おそらく無臭だということになり、そのクルマの価格の高低や、匂いの質ではないでしょうね」とも。

加えてエミッション・アナリティクス社は「そもそも新車の匂いを構成する化学物質は吸い込むべきものではない」と警告していますが、同社によると「これらの匂いは、車室内に蒸発し、夕方になって冷えると、表面に再吸収されるるのです。VOC（揮発性有機化合物）スープのようなものを作り、それを太陽光に当てると、VOCの生物圏ができあがり、かなり長い時間持続することになります。その結果、めまいや吐き気、頭痛などを感じる人が増えています。そのため、法律家たちは、これらの化学物質の使用について、より厳しい規制を設けることを検討しています」とコメントしており、こういったコメントを聞くとちょっと心配になってしまい、くれぐれもエアコンは「車内循環」にしないようにしたほうがいいのかもしれません。

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参照：CARBUZZ