| ただしテスラは最近品質を上げており、今回の統計方法はやや無理がある |
一方でトラブルが多いことで知られるミニ、メルセデス・ベンツの「リコールが少ない」という結果に
さて、なにかとリコールが報じられるテスラですが、実際に調査を行ってみると「本当にリコールが多い」ことが明らかに。
これはiSeeCarsが最近調査を行ったもので、同メディアによればモデル3、モデルY、モデルS、モデルXはもっともリコールが多く、なんとトップ5のうちの4つを占めているのだそう(のこる一つはポルシェ・パナメーラである)。
一方でレクサス、メルセデス・ベンツ、トヨタは「リコール件数が最も少ない」ブランドだということが明らかになっていて、これはちょっと意外なような、そうでない事実だと捉えています。
今回の調査結果は2014年から2023年までを参照
今回の調査においては、2014年から2023年までの期間にて、米国道路交通安全局(NHTSA)に届け出られたリコールをベースとし、「そのクルマが30年間走ったとしたら」どれくらいのリコールが発生するのかを”推測”したもの。
iSeeCarsのエグゼクティブ・アナリストであるカール・ブラウアー氏によれば、「NHTSAのリコールデータを見ると、リコールが多い車種と少ない車種の間に、幅広いリコール活動があることが確認できました。レクサスNX 300hや日産370Zのような車は、30年の寿命でリコールが1回未満になると予測されます。逆に、テスラの全4モデル、ポルシェ、フォルクスワーゲン2車種など、最もリコールが多い車は、20~62回のリコールがあると予測されています」。
iSeeCarsによると、平均的な自動車は30年の寿命の間に4回リコールされるとのことで、しかしテスラ・モデルYだと62回のリコールが予想されるため、これは「平均の15.6倍」。
ただしテスラの名誉のために補足しておくと、iSeeCarsは「テスラは無線ソフトウェアアップデート(OTA)によって多くの問題に対処する能力がある」と指摘しており、リコールが多くとも、その対応に消費者の時間を使用することは(他の自動車メーカーに比較して)少ないのかもしれません。
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さらに補足しておくならば、テスラの品質は年々向上しており、近年のみに絞るとむしろリコールが少ないということも(別の調査にて)判明していて、さらに米国道路交通安全局は、本来であればリコールとはならないような軽微なアップデートであってもリコール扱いとしているので、今回のiSeeCarsによる調査は”やや現実味を欠いている”のかも。
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リコールの多い車種、少ない車種はこうなっている
そしてこちらがiSeeCarsによる「リコールの多いクルマと少ないクルマ」。
上述のとおり2014年から2023年のデータをもとに、「もし30年乗ったら」という試算によるランキングです。
なお、ミニやメルセデス・ベンツが「リコールが少ないクルマ」としてランクされていますが、これらは品質調査では下位常連のブランドでもあり、「リコールとトラブル」はまた別モノだと認識しておく必要もありそうですね。
リコールの少ない車種のランキング
ランキング | 車種 | 想定リコール数 |
1 | ミニ・コンバーチブル | 0.2 |
2 | レクサスNX 300h | 0.3 |
3 | リンカーンMKZ ハイブリッド | 0.5 |
4 | メルセデス・ベンツ CLA | 0.5 |
5 | レクサスRX450h | 0.5 |
6 | 日産フェアレディZ(370Z) | 0.5 |
7 | ヒュンダイ・エラントラ GT | 0.6 |
8 | メルセデス・ベンツ GLA | 0.6 |
9 | メルセデス・ベンツ GLC | 0.7 |
10 | レクサス IS300 | 0.7 |
リコールの多いクルマのランキング
ランキング | 車種 | 想定リコール数 |
1 | テスラ・モデルY | 62.4 |
2 | ポルシェ・パナメーラ | 61.8 |
3 | テスラ・モデル3 | 56.8 |
4 | テスラ・モデルX | 27.3 |
5 | テスラ・モデルS | 26.4 |
6 | リンカーン・アビエイター | 23.0 |
7 | フォルクスワーゲン アトラス クロススポーツ | 22.4 |
8 | フォルクスワーゲン アトラス | 20.8 |
9 | ラム1500 | 20.5 |
10 | ラム1500クラシック | 20.5 |
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参照:iSeeCars