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EVの購入傾向にはジェンダーギャップあり?EV購入男女比は67:33、男性は「新しいおもちゃ」としてEVを購入、しかし女性の多くは「EVはコスパが悪い」と判断

2023/09/13

EV

| 簡単に「男だから」「女だから」と断じることはできない問題ではあるが、なかなかに面白い調査だと思う |

この調査結果からは、自動車メーカーが「やるべきこと」が少し見えてくるようにも思われる

さて、EVの購入については様々な調査結果が出されていますが、今回は「男女によって、EVの購買において鮮明な差がある」という報道。

以前にも同様の調査結果が示されたことがあるものの、今回は「より踏み込んだ」内容となっています。

この調査は米国市場に限ったものではありますが、最新のレポートによるとEV購入者の3分の2強が男性(67%)、3分の1が女性(33%)となっており、その理由についても推論がなされています。

男性の方が「新しいもの好き」?

まず、米国市場における「(EVだけではなく)自動車全体の男女購買比率は59:41だといい、それに比較するとEVの購買比率である「67:33」はやはり特筆に値する数字です。

そしてこの「男性の方がEVを購入する比率が高い」ことについて、1つ目の理由は(アンケートの結果から)男性はEVという「新しいおもちゃ」にただただ興奮し、しかし女性はEVを「実用品」として捉えていて、この技術が一般的になるのかどうかを注視する傾向があることについて言及しています。

これは調査対象の半数以上(54%)の男性がEVが”好き”だと答えたのに対し、同じように堪えた女性はわずか22%だったといい、さらに調査対象となった女性全体の4分の1近く(24%)が、意見を持つほどEVについて知らないと回答することに。

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さらにこの調査では「男性は、最新技術をいち早く手に入れようとしてEVを購入する傾向が強い」という傾向が鮮明になり、男性ほどアーリーアダプター傾向が強く、これは男性の31%が新しい技術をいち早く手に入れることが重要だと答えたのに対し、女性は同じ指標で13%だったことからもわかります。

要は男性の方が新しい玩具を速く試してみたいと思う傾向が強く、女性はある程度それが一般的にならなければ興味を持たないということなのかもしれませんが、クルマの購入は感情に左右されるプロセスでもあり、潜在顧客にとって、EVについて中立的であったり、意見を持たないことは危険な領域であるとも考えられます。

よって、自動車メーカーは「EVがより普遍的で、確立された技術である」ことを広く女性層にに伝える必要があるのかもしれません(インフルエンサーを活用するといいのかもしれない)。

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男性の方が「モノに愛着」を感じる?

そしてもうひとつ「男性の方がEVを購入する比率が高い」ことにつき、調査では「男性は特定のブランドを好む傾向が強い」ことも明らかに。

男性は長期にわたってそのブランドに固執する傾向があり(これはぼくも同じである)、これはクルマの好みに内在する部族主義を示すことを示していて、実際に「EVの最も重要な特性は車のブランドである」と考える男性は42%であるのに対し、同じ問いにイエスと答えた女性は22%。

一方、女性はEVの航続距離に関心が高く、女性の41%が最も重要な属性として挙げたのに対し、男性は28%だったこともわかっています。

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つまり、男性は「BMWがEVを発売した」となると、「BMWのEVだから」と考えて(その他のことはあまり機にせず)EVを購入する可能性があり、しかし女性は「どこのEVであるかは重要ではなく、どれだけ実用的であるかが重要である」と考えて購入するの可能性がありそうです。

さらにこの「実用性で選ぶ」という傾向は”コストパフォーマンス”にも現れており、女性はEVを「コストパフォーマンスに優れる乗り物ではない」と判断し、EVではなくPHEVを購入する傾向が強いことにも触れられています。

加えて、私見ではありますが、男性はクルマに対して趣味性を求める傾向もまた強く、よって多少の価格的非合理性があったとしても、好きなブランドの製品であったり、興味を惹く技術やデザインを持っていたりすれば、そこは目をつぶって購入に踏み切るのかもしれませんね。※もちろんこれは「男女」というくくりで語られるべきではないし、一つの傾向でしかない

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参照:Edmunds

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