| 英国では大金を投じ駐車場を改装するという決定がなされる |
さらには幅だけではなく重量も増加しており、クルマがインフラにかける負担は無視できない
さて、現代の車両はますます幅広くなり、その影響で駐車が困難になっているという声が世界中にて拡大しているという話をよく聞きますが、これに対応するため英国のある市議会が100万ポンド(約1億8700万円)をかけ駐車スペースの拡張を計画している、との報道。
現在のインフラの多くは「数十年前のクルマ」にあわせて設計されており、幅だけではなく、2トンを超える場合も珍しくはないEVの重量に耐えることができなくなっている、という話も聞かれます。
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英国にて「このままEVが増えると、一部の古い立体駐車場はその重さに耐えることができず倒壊の危機がある」ことが表面化。駐車場の構造設計が見直されるという事態に
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世界各地にて「駐車スペース問題」が浮上
クルマの大型化が進む中、特に幅が広い車両のオーナーは「狭い駐車スペース」に苦労することとなり、よってこの問題に対応するため、英国コルチェスター市議会は市内中心部の複数駐車場の改修に100万ポンドを投じる計画を発表したわけですが、ここまでの大金を投じる理由は「これらの駐車場は現代のクルマには小さすぎるため、市民が利用しようとしないから(その駐車場の存在が無駄になる一方、別の場所では駐車場不足が囁かれる)」。
よってコルチェスター市議会はスペースの拡張に加えて区画の整理、CCTV(監視カメラ)の照明改善などを行うこととしたそうですが、こういった問題は英国のみならず世界各国が抱えているはずで、EVの普及とともに「避けて通ることができない」課題なのかもしれません。
なぜ自動車の車幅は広くなってゆくのか
なお、車幅が拡大する主な理由は主に安全性向上にあるといい、、RAC(英国自動車協会)のスポークスマン、サイモン・ウィリアムズ氏によれば「特に側面衝突保護技術の導入が車幅を広げる要因となっている」。
「現代の車両は、側面衝突保護技術の導入によって幅広くなっています。これが駐車場運営者にとって難しい課題を生む原因となっています。そして駐車スペース拡充の際、限られたスペース内で駐車区画を再設計する必要性はあるものの、身体的に不自由な人々への配慮も重要であり、ますますスペースに対する要求が広まっています。」
参考までに、日本の場合だと「現代の道路の幅」は1971年に施行された「道路構造令」に基づくそうですが、その時代のクルマだとクラウン(3代目)の車幅がおおよそ1,960ミリ、しかし現代のクラウンだと「クロスオーバー」が1,840ミリ、「セダン」では1,890ミリ。
重量だと3代目クラウンが1,305kg、現行クラウン セダンが約2,000kgなので、もはや今のクルマは「道路の基準を定めた時代を大きく超えている」ことがわかると思います。
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