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紹介制フレンチ「スガラボ ヴィー(SUGALABO V)」へ!閉鎖的なのかと思いきや圧倒的な多様性とフレンドリーさを持つレストランだった

2021/08/16

紹介制フレンチ「スガラボ ヴィー(SUGALABO V)」へ!閉鎖的なのかと思いきや圧倒的な多様性とフレンドリーさを持つレストランだった

| 訪問する前は「紹介制」「メニューは一つ」「料理提供開始時刻は全者一斉」と聞いて堅苦しいレストランかと考えていたが |

料理、サービス、レストンランの雰囲気すべてが「想像を超える」

さて、会員制(紹介制)の高級レストラン、「スガラボ ヴィー(SUGALBO V)」へ。

これは同じく会員制の「SUGALABO」の大阪店という位置づけで、SUGALABOでは須賀洋介氏がシェフを務めるのに対し、SUGALABO Vでは永浜良シェフが腕をふるいます。

両シェフともジョエル・ロブション氏のもとで経験を積んでおり、その道では知らぬ者のいない実力者でもありますね。

そしてSUGALABO / SUGALABO Vともに紹介制となっていて、よって一見さんの予約はいっさい受け付けておらず、一見さんが入るには有力者の紹介が必要です。

そこには厳しい条件や審査等があると思われ、ただその内容は知らされておらず、予約の方法や紹介者情報については一切口外できない約束となっています。

スガラボ ヴィー(SUGALAVO V)はこんなレストラン

そしてスガラボ ヴィーについて、所在地は大阪・心斎橋のルイ・ヴィトン7F、そしてそこにある「ル・カフェV」の隠された扉の奥に「SUGALABO」が存在します。

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こちらが入店方法。

まずはル カフェVの奥にトランクがドドンと積まれており、一見すると何もないように見えるのですが、スタッフがその(トランクに見える)扉を開けてくれるとその奥が「スガラボ ヴィー」。

V

店内はこんな感じ。

オープンキッチンにカウンター、テーブル席が2つ。

最大でも20名程度しか入れない小規模なお店で、「LABO」の名の通り、実験設備のような機器も見えます(試験管のようなものや様々なチューブ、ゴポゴポいっているガラス容器のようなものがある)。

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およそ通常のフレンチレストランとは異なるイメージを持っており、この時点で「なにか楽しそうな料理が出てきそうだ」と非常に期待が高まりますね。

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スガラボ ヴィーのメニューは「ひとつ」のみ

そしてスガラボ ヴィーのメニューはたったひとつ(あらかじめ席の上にメニューが置かれている)。

つまりはシェフのおまかせコースのみで、いわゆる単品は「ナシ」。

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もちろんアルコール、ソフトドリンクについては選択ができますが、ワインについては銘柄の指定ではなく、ワインディレクターの方が好みを聞き、さらには何杯くらい飲むのか等ペースを聞いてくれ、それにマッチしたものを選んでくれます。

ただしメニューそのもの、ワインの価格については提示がないので、それは会計時のお楽しみとなっており、ちょっとした恐怖でもありますね(ここでは価格なぞ野暮なことを基にしてはならないのだと思う)。

ちなみにぼくはアルコールを一切摂らないのでソフトドリンクを選択しています(水、お茶、オレンジジュース、ジンジャーエールなど各種ある)。

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お皿はルイ・ヴィトンのモノグラムをあしらったもの。

カトラリーは基本的にクリストフルです。

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ナプキンホルダーはヴィヴィエンヌ!

ちなみにスガラボ ヴィーではレザー製を採用しており、しかしル カフェ ヴィーでは「紙製」です。

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スガラボ ヴィーではこんな料理を頂いた

そしてここからはスガラボ ヴィーの料理編。

まずは「松岡さんの八尾えだまめ グジェール」。

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「北海道 小笠原農園のミルキースイーツと徳島の雲丹」。

残念ながら、ぼくは料理に関してうまく表現する語彙を持ち合わせていませんが、素材の味がモロに感じられる料理であり、その中の素材が頭の中に浮かんでくるようなしっかりした味です。

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こちらは「フィレカツサンド」。

いずれの料理に関しても永浜シェフが料理や食べかた、そしてどういったコンセプトなのかを説明してくれます。

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「多田さんの24ヶ月熟成 ベルシュウ」。

何層にもなった極薄の生ハムが、水分多めにて炊かれたご飯の上に乗っています。

生ハムは向こうが透けて見えるほどの薄さにカットされ、そのために口の中に入れると「ほどける」かのような食感を実現していますが、こちらについては「ハムを丸めるのではなく、手で摘んで持ち上げ、そのまま口に入れるように食べると美味しい」という食べ方をシェフが教えてくれます。

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そしてその下にあるお米はスガラボ専用、「SUGALABO米」。

こんな感じで、使用している素材についても目の前に出して見せてくれるというインタラクティブな試みを行ってくれます。

完全紹介制ということでかなり厳粛な雰囲気のお店かと考えていたものの、実際はそうではなく、かなりオープンかつフランクな雰囲気を持っており、ほかに来店していた食通のお客さんは素材や産地についてもシェフとの話に花を咲かせていた模様(来店客とシェフやスタッフとのコミュニケーションが非常に多く、シェフがこれだけ前に出てくるお店も珍しい)。

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こちらは「函館 毛蟹 高知 オクラ」。

メニューには「キャビア」と書かれていないものの、ドカンとキャビアが乗っています。

この時点でぼくが思うのは、味はもちろんですが、温度や食感にもものすごく配慮されている、ということ。

スガラボ Vのメニューが「たったひとつのコースのみ」であることには触れましたが、料理提供の開始時刻も「一斉」。

つまり来店者に対して同時刻に、同じタイミングで料理が出されることになり、よっていずれも最適なタイミングで調理や温度管理がなされているわけですね。

料理が出てきたと同時に食べ方についても説明してくれるのも上述の通りですが、それについてもタイミングがぴったりマッチしているので、来店者は「最適な状態で」料理をいただくことが可能です(もちろん、注意深く来店者全員のペースを見ながら調理を進めており、早く食べ終わった客に対しては、スタッフが話しかけるなどの気遣いがさりげなく行われている)。

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「天然インドマグロ 森脇さんのじゃがいも」。

マグロは手前から奥にかけ、「赤みから霜降り(トロ)」へと向かっており”グラデーション”に。

こちらもマグロとじゃがいもを同時に食べると美味しい、とのこと。

一般に、欧米では一度に複数のものを口に入れ、それを口の中で混ぜ合わせる文化はあまりないと言われ、しかし日本だと寿司のように「口の中でネタとシャリとを混ぜ合わせることで、その調和を楽しむ」という食べ方があるように思います。

そしてスガラボ ヴィーでは、欧州の技術に対し、こういった日本の食べ方をうまくミックスし、「温度」「食感」「味」という要素を、コントラストをもって際立たせているのかもしれません。

全体的には、素材の味を生かした「ダイナミックな」料理だと思います。

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「長崎 五島列島 アオリイカ アリッサ」。

柔らかいアオリイカの下にあるのは、表面がカリっとした豚足。

こちらもまた食感のコントラストが際立つ一品であり、長丁場を飽きさせないような新鮮な驚きに満ちています。

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「フランス オマールブルー 岡山 長茄子」。

ソースにココナッツオイルを使用しており、濃厚でまろやかな風味。

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ここでも使用されたオマール海老をドドンとカウンターの上において見せてくれるという演出がなされ、来客者たちを楽しませてくれます。

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「鹿児島 黒毛和牛フィレ おかもとさんちのとまと」。

最初の方に出てきたフィレカツサンドと同じ和牛ですが、肉を叩いて「ハンバーグっぽく」仕上げており、そろそろ限界に達しそうな胃袋であっても食べやすいように配慮されている模様。

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なお、いずれの料理も非常に手際よく作られており、スタッフの動きにも無駄はなく、そこにはある種の美しさが感じられるほど。

このレベルに至るまでにはそうとうな訓練が積まれ、そして当日の料理についても完璧な下準備が出来ているということになりますね。

そして一斉に食事を開始するということは、ぼくら顧客には「遅刻が許されない」ということになるものの、お店側にとっては同時に「(料理を出すタイミングがずれるなど)顧客の期待に背いてはならない」ということを意味しており、みごとその期待に(実際にはそれ以上に)応えてくれています。

まだまだ続く、スガラボ ヴィーの驚異

そしてこちらはメニュー外の「カレー」。

シェフやスタッフが「どれくらい食べることができそうか」を聞いてくれ、その人の「残りキャパ」にあわせた量を振る舞ってくれます。

カレーといえどもメニュー外でわざわざ出してくれるほどなのでこれを「食べない」手はなく、せっかくなのでいただくことに。

なお、らっきょうなどを使用して「うさぎ」のように盛り付けられており、ここもスガラボ ヴィーが他のお店とは全く異なるところです。

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そしてここからはデザート。

まずは使用されるマスカットをドドンと置いて来客の注意を惹き・・・。

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「岡山 シャインマスカット 金木犀」。

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そして次は桃!

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これを使った白桃のソフトクリーム。

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そしてミントティー。

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ただしこれだけで終わりではなく、マドレーヌと「シメ」のたこ焼き!

たこ焼きは「たこやき風」に仕上げられたチョコレート菓子で、「外はカリッ、中はトロッ」というところまでたこ焼きにそっくり。

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全部で12品や13品といった胃袋クラッシャー的なボリュームではありましたが、コースの組み立てが素晴らしく、味のメリハリ、食感や温度のメリハリが効いており、飽きることなく最後まで食べることができたと思います。

「紹介制、メニューは1つのみ、開始時刻は一斉」と聞いていたので、最初は「お店の側の主張が強いんじゃないか」と考えていたものの、実際のところ、それらはすべて「食べる人にとってもっともいい環境」を作るためという顧客目線であったことにも気付かされます。

客数を絞るということについても、「最適なサービスを提供する」ということを目的としたもので、スタッフの細やかな気遣いによってぼくら来客の満足も満たされるわけですね。

加えて食材の説明や食べ方の説明、「写真タイム」を設けるなど顧客への気遣いやエンターテイメント性も非常に高く、「また来よう」と思った次第(その場で次の予約を取っている人もいた)。

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上述の通り、SUGALABO、SUGALABO Vのシェフともにジョエル・ロブション氏のもとで修行を積んだといいますが、ジョエル・ロブション氏もまた日本から多くを取り入れたシェフであり、そして実際にジョエル・ロブションのお店に何度か足を運んだことがある身として、そしてジョエル・ロブションの「食を通じて文化を理解する」という姿勢を体感した経験上(食はその土地の文化や歴史と深く根付いており、それらを理解することでより楽しめるとも考えていて、かつ否定ではなく受け入れるところから理解が始まると考えている)、やはりSUGALABO Vにもその多様性がしっかり伝わっているんだなあ、と感じます。

ちなみに帰り際にいただいた「おみやげ」がこちら。

パン、コンフィチュール、マドレーヌがセットになっていますが、これもまたラトリエ ドゥ ジョエル ロブションとも通じるところで、「ちょっとうれしい」顧客へのサービスですね(レストランへ行った翌日以降も余韻に浸れる)。

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なお、スガラボ ヴィーにはドレスコードがあり、今日はマリオ・ムスカリエッロのシャツにPT01のノータックパンツ(スーパースリム)、シューズはサントーニという「ちょっとリゾートっぽいスタイル(パナマ帽があれば完璧ったな)」で、腕時計はオメガ・シーマスター・ダイバー300M 007エディションという組み合わせです。

スガラボ Vへ行ってきた際の動画はこちら

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