
Image:Lotus
| ロータスはF1にてライバルに勝るとも劣らない歴史を持っている |
EV戦略で苦戦するロータス、原点回帰のガソリンスポーツで“伝説の男”を称える
電動化に舵を切ったものの、販売不振で厳しい状況にあるロータス。
親会社のGeely(ジーリー)から株式の過半数を買い戻すという異例の動きを経て、同社は再び内燃機関スポーツカーの価値を見直す方向に舵を切っていますが、その第一弾として登場したのが伝説のF1王者ジム・クラークへとオマージュを捧げる特別仕様車「ロータス・エミーラ・クラーク・エディション」です。
Image:Lotus
-
-
ロータスが「F1での輝かしい功績」にインスパイアされたエミーラの限定モデル「5種」を公開。タイプ25からアイルトン・セナがドライブしたマシンまで、その歴史を華やかに彩る
Image:LOTUS | いずれも劣らぬ魅力を放つものの、残念ながら欧州市場以外では入手ができない | ロータスはかつて、F1チャンピオンシップをリードする存在であった さて、ロータスが先日予告した ...
続きを見る
【ジム・クラークとは】F1とインディ500を同年制覇した唯一のドライバー
ジム・クラーク(James "Jim" Clark Jr. OBE、1936年3月4日 - 1968年4月7日)は、1960年代に活躍したスコットランド出身のF1ドライバーであり、史上最高のドライバーの一人として名高い人物。
1965年にはロータスのマシンをもって「その1年だけで」未曾有の偉業を成し遂げたことでも知られ、今回の限定エミーラはまさに「この1年」に焦点を当て、そこからの60周年を記念したモデルです。
- F1ワールドチャンピオン
- インディ500優勝
- フォーミュラ2優勝
- タスマンシリーズ制覇
- ロータス・コルティナで耐久レースにも参戦
Image:Lotus
ジム・クラークの人物像とキャリア:
- 生い立ち: 羊農家の息子として生まれ、内気で控えめな性格であったものの、ステアリングを握ると驚異的な才能を発揮
- F1デビューとロータス: 1960年にロータスからF1デビュー。以後、ロータス一筋にキャリアを捧げる
- 2度のワールドチャンピオン: 1963年と1965年の2回、F1ワールドチャンピオンを獲得。特に1963年は、10戦中7勝という圧倒的な強さを見せつける
- インディ500制覇: F1だけでなく、1965年にはインディ500でも優勝。F1ワールドチャンピオンとインディ500の両方を制覇した初のドライバーとなる
- 驚異的な記録: 通算72戦に出走し、25勝、33回のポールポジション、28回のファステストラップを記録。特に、ポールポジションからファステストラップ、優勝、そして全ラップリードという「グランド・スラム」を8回も達成し、これは他のどのドライバーよりも多い記録
- 多様な才能: F1以外にも、ツーリングカーレースやタスマンシリーズなど、様々なカテゴリーで才能を発揮
Image:Lotus
ジム・クラークのプレイスタイル:
- スムーズで正確なドライビング: 無駄のない、非常にスムーズで正確なドライビングが特徴。マシンへの負担が少なく、メカニカルなトラブルが少なかったことも彼の強みであったとされる
- 高いアベレージスピード: 予選での速さはもちろんのこと、決勝レースでのアベレージスピードが非常に高く、安定した速さでライバルを圧倒
- 繊細なマシンコントロール: マシンの限界を熟知し、非常に繊細なコントロールで速さを引き出した
ジム・クラークの早すぎる死と後世への影響:
1968年4月7日、ジム・クラークはF1シーズンオフに参加したドイツのホッケンハイムリンクでのF2レース中に32歳という若さで事故死。
彼の死はモータースポーツ界に大きな衝撃を与え、多くの人々がその才能を惜しみましたが、その卓越したドライビングテクニックと数々の記録により、今なお多くのファンや専門家から史上最高のドライバーの一人として尊敬され、彼の功績は、(死せどなお)モータースポーツの歴史に深く刻まれています。
Image:Lotus
【限定仕様】デザインは1965年のインディ制覇マシン「ロータス タイプ38」をオマージュ
今回の「ロータス・エミーラ・クラーク・エディション」のカラーリングはロータス・タイプ38(1965年インディ優勝車)をモチーフにしたもので、以下のような特徴を持っています。
Image:Lotus
- クラーク・レーシング・グリーン(ブリティッシュレーシンググリーンの特別バージョン)
- ブラックルーフ
- シルバーミラー
- イエローストライプ
- イエローのテールパイプ
- ブルーのアルマイト加工が施されたアルミ製フューエルキャップ
Image:Lotus
とくにこのイエローのテールパイプは非常に大きなインパクトを放っており、「ここまでやるか」といった感じですね。
Image:Lotus
ロータス・エミーラ・クラーク・エディションのインテリア
このロータス・エミーラ・クラーク・エディションは非常に特別なエクステリアだけではなく「ジム・クラークの名にふさわしい」インテリアを持っており、これらももちろんロータス・タイプ38を忠実に再現したもので、シングルシーター風の仕上がりがなんともナイス。
- シートは左右で非対称(運転席:赤、助手席:黒)
- 素材はレザーとアルカンターラ
- 木目調のシフトノブ
- スコットランド・ロッカロン製のクラーク家タータン柄バッジ
- カーボン製スカッフプレートにはシリアルナンバー
【スペック】中身はそのまま“ピュア・ドライビング・マシン”
機械的な部分は通常の高出力仕様エミーラ(V6・MT)と同じで、というアナログなドライビング体験を重視した構成を持ち、当然ながら現在のエレクトリック・モデル群(エメヤ/エレトレ/エヴァイヤ)とは一線を画します。
- 3.5Lスーパーチャージャー付きV6
- 最高出力:400馬力
- 6速マニュアルトランスミッション
- 後輪駆動
Image:Lotus
【まとめ】ロータスが原点に立ち返る“魂の60台”
ロータス・エミーラ・クラーク・エディションはロータスの原点に回帰する仕様を持つとともに「これからのロータス」を示す一種のステートメントであるとも受け取ることができ、昨今のロータスの「電動化」に一抹の寂しさを感じていたファンにとっての朗報と言えそうですね。
- ✔ ジム・クラークの伝説に捧げる限定仕様
- ✔ クラシカルかつ上質なディテール満載
- ✔ V6×MT×後輪駆動の「運転を楽しむ」スポーツカー
Image:Lotus
合わせて読みたい、ロータス関連投稿
-
-
ロータスが2024年第3四半期の決算を発表、「販売台数は伸びるも利益はさほど伸びず」。一方で「ガソリンエンジンで走行する」ハイパーハイブリッドの導入が明らかに
| ロータスは大きく方向性を転換、ガソリンエンジンの存続をアナウンス | 現在はEV需要が一服し新車効果が希薄になっている段階でもある さて、ロータスが第三四半期の決算報告を通じ、これまでの”ピュアE ...
続きを見る
-
-
え?「ロータスがロータスを買収」?その真相と今後の展望を考えてみる
| ロータスが「自社で自社」を買収するとはこれいかに。その複雑な構造とは | マクラーレンも同様に「たくさんのマクラーレン」が存在する イギリスの名門スポーツカーメーカー「ロータス」が自社の一部を買収 ...
続きを見る
-
-
ロータスが「中国側で5年、英国側で20年以上にわたる法的闘争の結果、中国で”ロータス”の商標をついに奪還」。これで晴れて「ロータスNYO」から「ロータスへ」
| さらにロータスは2024年12月に販売面における新記録を樹立 | 加えて2025年はF1チーム創設75周年、エスプリの50周年である さて、ロータスが中国においてブランド名、ロゴ、および中国での商 ...
続きを見る
参照:Lotus