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スーパーカー史上もっともロマンあふれるストーリーを持つ「ブガッティEB110」。24時間以内に2台連続で予想を超える2億円以上にて落札される

スーパーカー史上もっともロマンあふれるストーリーを持つ「ブガッティEB110」。24時間以内に2台連続で予想を超える2億円以上にて落札される

| むしろブガッティEB110は今まで過小評価されていたとも考えられる |

将来的にはフェラーリF40を超える価格で取引される可能性も指摘

さて、ブガッティEB110GTがボナムズの開催したオークションにて、予想を上回る208万ドルにて落札されて話題に。

予想での最高落札価格は150万ドルだったので大幅に予想を超えたということになり、さらに驚くのはそこから24時間もしないうちに別の(RMサザビーズの開催する)オークションにて別のブガッティEB110GTが203万ドルにて落札されたこと。

1件であればまだしも、2件立て続けとなると、もはやブガッティEB110GTの価値が「ここまで上昇している」ということが明確に証明されたと考えていいのかもしれません。

208万ドルで落札されたブガッティEB110GTは初期型

なお、このブガッティEB110は現在のブガッティとは異なるイタリアのアウトモビリ・ブガッティが発売していたクルマです。

アウトモビリ・ブガッティは自動車好きの実業家、ロマーノ・アルティオーリ氏(ロータスを所有し、エリーゼを送り出したことで知られる)がブガッティの商標権を獲得して創業した会社ですが、このEB110を送り出した後に会社が倒産してしまい、その後商標権がフォルクスワーゲンに渡って現在のブガッティ・オトモビル(フランス)が設立、という流れとなっています。

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ただ、EB110と現在のブガッティの車は無関係とはいえず、というのも「カーボンコンポジットシャシー、ミドシップ、クワッドターボ、4WD」という共通点があるため。

これは明らかに現在のブガッティがEB110を意識したと思われる部分で、実際のところ、のちにEB110へのオマージュである「チェントディエチ」を発売しています。

そしてこのEB110はパオロ・スタンツァーニ、マルチェロ・ガンディーニというカウンタックを作り出したメンバーが関わっていたことにも大きな意味があり、ランボルギーニで技術主任を務めてきたマウリッツォ・レッジャーニ氏もここへ参加していたようですね(そしてアウトモビリ・ブガッティ倒産後に、その主要開発メンバーにてパガーニが設立されており、参加メンバーは現在に至るまでスーパーカー業界のキーパーソンとなっている)。

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なお、このブルーの個体は「初期型」で、クーリングに悩まされることが多かったといい、走行は少ないものの、たびたびオーナーが入れ替わっているもよう。

ただ、それでもこの高額落札に至ったということを考慮するに、やはり現代になってその存在が正しく評価されるようになったと考えていいのかもしれません。

Bugatti-EB110-GT-Blue-Bonhams-Paris-3

もう一台のブガッティEB110は後期型

そしてもう一台、203万ドルで落札されたブガッティEB110GTは後期型。

ボディカラーはシルバーで、走行距離は多いもののオーナー数が少ないことが高く評価されたようですね。

車体構造は初期型と変わらずカーボンファイバー製モノコック、そしてエンジンは3.5リッター・クワッドターボ(553馬力)、最高速はじつに340km/hをマークします。

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今回200万ドルを超える価格で落札されたものの、EB110は「まだまだ価格が上がる」という見方が多く、現在のブガッティがチェントディエチを発表したことで更にその価値を上げ続けるだろうと言われています。

なお、同世代のスーパーカーで高い評価を受けているのはフェラーリF40ですが、こちらの相場は300万ドルにも達していて、「ほぼ限界」とも。

対するブガッティEB110はフェラーリF40の生産台数である1,311台の1/10程度(154台)しか製造されておらず、将来的にはフェラーリF40を超えるんじゃないかという意見が多いようですね。

Bugatti-EB110-GT-RM-Auctions-2

加えて、それまでずっと歴史の影に埋もれていたブガッティブランドを復活させたこと、さらには実際に発売し路上を走らせたこと、そして悲劇の経営破綻、あまりに「先を行っていた」設計思想(実際にその多くを現代のスーパーカーやハイパーカーが採用している)といった語り尽くせないストーリー、そして関わった人たちのその後の活躍を考慮するに、これ以上無い豊富なロマンを抱えているスーパーカーなのかもしれません。

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参照:Bonhams

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