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ホンダNSXが米にて名実ともに「もっとも売れないスポーツカー」に!年央で販売終了となったBMW i8よりも売れず、"これでいいのかホンダ?"

ブルーのホンダNSX

| ただしホンダは「これでも問題ない」というか「想定通り」と捉えているようだ |

さて、2020年は自動車メーカーにとってタフな年であり、これまで肩を並べてきた自動車メーカーにとっても大きな差が生じた年でもあったと思います。

たとえばスーパーカーメーカーだと、フェラーリ、ランボルギーニ、マクラーレン、アストンマーティンといったブランドがありますが、これらは2019年まで同じように成長しており、しかしコロナウイルスが世界を揺るがし始めるやマクラーレンそしてアストンマーティンは一気に業績が悪化。

コロナウイルスは各ブランドの「本当の需要」を丸裸にしてしまった

もちろんフェラーリやランボルギーニとて影響は皆無ではなかったものの、コロナウイルスの影響にて停止させていた工場を再稼働させてからは「昨年同期比以上の」受注を獲得し、かつ昨年同期比以上のデリバリーを実現させているわけですね。

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一方のマクラーレン、アストンマーティンというと販売が一気に落ち込み、両者とも経営危機に陥ったほど。

マクラーレンは本社売却を検討したと言われ、アストンマーティンは「在庫」が積み上がったとも報じられています。

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この差は一体何なのかということですが、フェラーリやランボルギーニは「本当に欲しい人が」注文していたということになり(そのためキャンセルも少ない)、マクラーレンやアストンマーティンはプロモーションによって販売が構築されていた可能性、もしくはなんらかの「代替品」とし購入する人が少なからずいた、ということなのかもしれません。

要は「指名買い」なのかそうでないのか、代替性のない個性やブランド価値を持つのかそうでないのか、競争相手の存在しない排他性を持つのかどうかといったところに集約されるとも考えられます。

「普及価格帯」でも同じ現象が発生している

そして面白いのは、普及価格帯のクルマや、一般に「移動手段」として乗られるクルマでもほぼ同様の現象が発生している、ということ。

つまりはトヨタとスバルが売れ、ホンダはそこそこ、しかし日産、マツダ、三菱の需要が減速したということですが、トヨタやスバルは代替性のない個性を持っていて、しかしマツダや日産はそうではなかったのかもしれません。

そう考えると、こういった「不況(と呼ぶべきかどうかはわからないものの)に強い」のは個性であり、排他性がなかったり、代替性がない商品は魅力を失ってしまうのでしょうね。

これは「人」においても同様で、苦しい環境、厳しい状況において強みを発揮するのは、確固たる信念を持つ人であり、中庸な人でないのと同様だとも考えています。

ホンダNSX(オレンジ)

ホンダNSXはなぜ売れないクルマになったのか

そこで本題ですが、2020年において、北米におけるホンダNSXのデリバリーは「わずか」128台。

一方、2020年6月に生産が終了したBMW i8は192台が販売されています。

BMW i8はコロナ真っ盛りの次期に販売が終了し、世界的にコロナからの回復に向かった2020年後半には「そもその売っていなかった」ということになるものの、この状況を鑑みるに、i8のセールスはかなり立派ということにもなりそうですね。

ちなみに2019年だとホンダNSXは238台、BMW i8は約1,000台が販売されていて、相当に大きな差があることもわかります。

参考までに、ガソリン車だとアウディR8は2020年に538台、メルセデスAMG GTは2,400台を販売しており、この数字を見るに、BMW i8は「何も(バリエーション追加やプロモーションなど)していない割に」よく売れているとも言えそう。

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話をホンダNSXとBMW i8に戻すと、両者ともプレミアムセグメントに属し、そして似たような価格帯の車。

先代の印象もあって「レジェンド」としてはNSXのほうが圧倒的に上なのかもしれず、しかしNSXは出力がずっと低いi8の後塵を拝することとなっていますが、これについてもやはり「i8は代替性のないクルマだが、NSXはそうではない」ということなのかもしれません。

BMW i8が生産終了

言い換えれば、BMW i8は将来的にコレクターズアイテムになりうるとも考えられ、しかしホンダNSXはそうではない、ということですね。

ただ、NSXの販売台数についてはホンダの「姿勢」も影響していて、そもそもNSXについて「そんなに売れる」とは考えておらず、この台数でも問題はないと考えていること。※日本での割当台数しかり、プロモーション然り

現在NSXについては「タイプR」のウワサ(希望的観測)があるものの、ある意味でNSXは「もっとも売れてないないスポーツカー」であり、この状況でタイプRを開発し販売することはビジネス上「許されない」とも認識しています(北米では値引きに頼ったり、オーストラリアでの販売を終了させている時点で、テコ入れの意思はないとも判断できる)。

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