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どうしてこんなことに・・・マクラーレンが業績悪化のため「本社を売りに出す」。売れても売れなくても今後の計画に影響が出そう

2020/09/12

| たとえ売れたとしてもマクラーレンの思惑通りにコトは進まないだろう |

マクラーレンが本社を売りに出した、との報道。

マクラーレンはコロナウイルスの影響にて一気に業績が悪化し、これまでの好調ぶりから一転し倒産の危機が囁かれるまでに。

そしてマクラーレンは倒産回避のために従業員1,200人を解雇し、さらにはバーレーン国立銀行から1億5000万ポンドの得たばかりです(この裏には、マンスール・オジェほか株主の協力があったという)。

なお、マクラーレンは本社にF1マシン他多数の(価値が高い)車両を保有しており、これらを担保にお金を借りるという計画もあったようですが、これらはすでに2017年に証券化されており「担保価値はない」と判断されてお金を引き出すことが不可能となっています。

本社を売却した後はどうなる?

そして気になるのが「本社を売ってしまったら、これからどうするんよ・・・」ということですが、マクラーレンの計画は「本社をどこかに買ってもらい、その買い主から土地や設備を借り、その利用料を支払う」というもの。

現時点での売却金額は2億ポンドつまり日本円にして273億円ほどで、この金額と引き換えに、土地を保有したままでいれば払わなくていい「家賃」を支払う必要が出てきます。

なお、先日の融資は「1億5000万ポンド」という相当な額であったものの、全くこれでは足りず今回「本社を売る」という決断を行ったということになりますが、とにかくマクラーレンは「(テナントに成り下がってでも)目先のお金」が欲しいのだと考えられます。

ちなみにこのマクラーレン本社(マクラーレン・テクノロジー・センター=MTC)は2004年にオープンしており、総工費は420億円とも報じられ、広大な人工池を保有することでも有名。

そしてこの人工池は、マクラーレン本社内のウインドトンネル等を稼働させる際には循環させることで「冷却水」としても機能し、その維持費もまた「破格」だと考えられそう。

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マクラーレンとしては、本社売却によって得たお金を当面の資金として活動を行い、「家賃を支払いながらも会社を維持してゆくことは可能であり、今後のニューモデル投入計画や(残った)従業員には影響がない」としていますが、もし「家主」が賃料を値上げしたり、施設を切り売りしたり、他のテナントにこれを貸してしまうとマクラーレンはこれまたピンチとなりそう。

さらに、新しくマクラーレン本社を購入する人なり組織なりは「273億円を支払えば」マクラーレンから安定的な収入を得ることができるとも考えられますが、マクラーレンはコストを抑えることを考えるはずで、そうなると「全部の敷地を借りない」もしくは「設備は使用するときだけ利用料を払う」といった事も考えられ、仮に売却できたとしても、マクラーレン側、家主側両方にリスクがあると考えざるを得ません(となると、売却と賃貸契約はセットにしなくてはならない)。

どうしてマクラーレンはこんなことに

なお、マクラーレンはこれまで業績好調と伝えられるものの、コロナウイルスの影響にて一気に業績が悪化。

これはアストンマーティンも同様ではありますが、一方でポルシェ、フェラーリ、ランボルギーニは「好調」だとも伝えられており、「どこでこんな差が出てしまったんだろうな」と考えたりするわけですね。

ちなみにアストンマーティンは新オーナー、ローレンス・ストロール氏から700億円程度の融資を受け、それでも「まだまだ足りない」模様。

ただしアストンマーティンが「マクラーレンとは異なる」のは、ブランド初となるSUV、”DBX”を発売したということ。

もしこれでアストンマーティンの業績が急回復するようなことがあれば、そしてランボルギーニがウルスによってさらなる成長を遂げたことを鑑みるに、マクラーレンに出資した株主たちが「SUVを作れ」といい出すのは間違いなく(ぼくが発言権のある株主だったら絶対にそう言う)、仮に今回危機を回避できたとして、今後の計画については大きな変更が待ち受けているのかもしれません。

参照:Road & Track

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