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BMWのジャンボキドニー装着車はやはり売れていた。4シリーズはメルセデスとアウディを圧倒し、XMはランボルギーニ・ウルスの販売を上回る

2023/11/13

BMW

| 4シリーズはBMWで6番目に売れているシリーズに、そしてXMは5番目に売れているMモデルに |

一方、ジャンボキドニー装着車で成功しなかったのは7シリーズである

さて、BMWがはじめて「バーチカルキドニー(あるいはビーバートゥース、ジャンボキドニー)」グリルを登場させたのは2019年のフランクフルト・モーターショーにおいてですが、その際(そして今でも)圧倒的に否定派のほうが賛成派を上回る状況となったのは記憶に新しいところ。

そして2019年になると、物議を醸した「コンセプト4」からほぼ変わらぬ姿にて(あれだけ批判されたにも関わらずデザインの調整を行わないまま)2020年6月には市販モデルとしての4シリーズが登場したわけですね。

断っておくがこれは公式だ。BMWが超巨大キドニーグリルを持つ「コンセプト4」発表。次期4シリーズはこんな顔になるらしい

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BMW 4シリーズは商業的に失敗したのか?

大きな批判にもかかわらずBMWが巨大なキドニーグリルを装着したまま4シリーズを登場させたことには驚かされますが、BMWは(クリス・バングルのデザインが端的にその姿勢を表しているように)過去にも大きなデザイン的チャレンジを行っており、その理由は「成功しているときこそ、将来を見据えて変わらなければならないから」。

BMWのデザイナー「成功しているときこそ変わるのだ。我々は前に進む必要があり、巨大キドニーグリルは変革の象徴である」。BMWは一歩も引く気はないらしい

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つまり成功したとしてもそのデザインに固執することはなく、世の中の流行にも日和ることはなく、自身で新たな流行そしてトレンドを作ってゆくことをヨシとしているのがBMWということになりますが、「大きなキドニーグリルに反発する」という世論を見る限りでは4シリーズの失敗は目に見えているようにも思えます。

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そして4シリーズが市場に投入されてからおよそ2年が経過した今、ライバル含めてその販売状況を集計したレポートが公表されているのですが、結果をみるに「4シリーズの圧勝」。

その集計結果によると、BMWは1年で146,200台の4シリーズを販売しており、これはメルセデス・ベンツCクラスの約10万台、アウディA5の約6万台に比較すると「圧倒的」な数字となっています。

これは世間一般的にいうところの「炎上商法」に近く、大きな批判が巻き起こることで本来その製品に興味がない人がその製品の存在を知ることになり、そしてその中のいくばくかは「知った途端にそれが欲しくなってしまう」という現象ではないかと考えられていて、そしてもちろんBMWもこれを狙ったと見え、「話題にならなかったら負け」とまで言及しており、つまりは「消費者に好まれる(であろう)デザインを採用したほうが売れる」というのは幻想に過ぎないということもわかります。

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BMWの巨大グリルは話題作りのための炎上商法だった!「発売されて、議論の対象にならないようであれば我々の負けです。議論によって新しい顧客を呼び込めるのです」
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参考までに、これと同様の現象が起きているのは「トヨタ」であり、比較的クリーンで無難なデザインを採用するホンダよりも、ずっと過激で異質なデザインを持つトヨタ車のほうがよく売れているという”現実”をぼくらは見るべきなのかもしれません。

圧倒的じゃないか・・・。BMWでは「ジャンボキドニー」を持つモデルのほうが、そうでないモデルに比較してずっと売れているという事実
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ただし巨大キドニーグリル「すべて」が受け入れられているわけではない

ただし今回公開された統計を見るともう一つの事実が見えてきており、それは「すべてのジャンボキドニーグリルが受け入れられているわけではない」。

BMWは「4」「7」に奇抜なデザインを採用し、「3」「5」については比較的万人受けするデザインを採用していますが、その理由としては「4シリーズや7シリーズを選ぶ人はもともと個性的で、他人と異なるものを持ちたがる傾向が強いから」。

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BMW
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つまりは自己主張のための道具として選ばれるのが「4」「7」シリーズで、逆に「3」「5」シリーズは目立ちたくない人が選ぶモデルだと言いかえることができるのかもしれません。

実際のところ、BMWの最新モデルである新型5シリーズは「さほど大きくない」キドニーグリルを採用しており、むしろ常識的な範囲に収まっていると言って良いかと思います。

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そして4シリーズについてはBMWの目論見通り「ライバルを抑えて」のヒットとなり、BMWにおいては6番めに売れている人気モデルへと成長していますが(2022年だと2021年比で前年比87%増)、7シリーズに関してはそうもゆかず、保守的なルックスを持つメルセデス・ベンツSクラスから顧客を奪うことは出来ず、欧州、米国、中国ではSクラスに対して存在感を発揮できず、欧州だと2023年9月現在で7シリーズの販売は3,700台、それに対してメルセデス・ベンツの販売台数は10,300台という結果に。※i7とEQSもほぼ同じような比率で販売がなされている

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つまり、このセグメントのクルマを購入する人は(BMWの予想とは異なって)オーソドックスなクルマを好む傾向が強かったということなのかもしれませんが、7シリーズの場合、巨大キドニーグリルが災いしているというよりも、スプリットヘッドライトの珍奇さが敬遠されているのかもしれません。

参考までに、もう一つ注目すべきはエレクトリッククロスオーバー「iX」の販売が比較的好調だと報じられていることで、発表後にネットをカオスに陥れたこのクルマには批判とともに注文が殺到することになり、2022年には「最も売れたラージエレクトリックSUV」という称号を頂戴しています。

ちなみにEVは今でも「アーリーアダプターの乗り物」だと言われていて、(7シリーズとは逆に)アーリーアダプターの性質とこのデザインとが上手くマッチしたのかもしれませんね。

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そしてもうひとつ参考までに、2022年9月に登場したBMW XMは、パフォーマンス専用ブランド「M」から登場した専売車としては異例のデザインと巨大なサイズと重量にて多くの非難を集めていますが、しかし発売から7カ月が経過した現在、BMWは世界で4,800台を販売しており、これは欧米で5番目に売れているMモデルであるばかりか、今年9月末までの販売台数ではランボルギーニ・ウルスを上回っています(XMの販売台数は2,237台で、ウルスだと1,481台)。※正直言うと、ぼくはiXもXMもけっこう好きである

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参照:Motor1

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